「PFFアワード入選監督に聞きました!―なぜ私は映画をつくるのか?―」第6回:石田智哉監督

映画祭ニュース

PffAward2021_interview.jpg 「PFFアワード2021」は、現在作品を募集中です!締め切りは3月23日。
そこで、近年のPFFアワード入選監督の生の声をお届けすべく、「映画づくり」や「PFF」に関するアンケートを行いました。

第6回(最終回)は、昨年『へんしんっ!』で「PFFアワード2020」グランプリを獲得した石田智哉監督です。

<更新予定>
第1回:工藤梨穂監督『オーファンズ・ブルース』
第2回:中尾広道監督『おばけ』
第3回:草場尚也監督『スーパーミキンコリニスタ』
第4回:城 真也監督『アボカドの固さ』
第5回:金子由里奈監督『散歩する植物』
第6回:石田智哉監督『へんしんっ!』

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石田智哉監督(PFF入選作『へんしんっ!』)
1997 年生まれ、東京都出身。立教大学現代心理学部映像身体学科卒業、同大学院修士課程在学中。中学生の頃、自分に合った学習方法として iPad を紹介され、そこでの短編映像の制作をきっかけに映像制作に興味を持つ。大学3年次より映像制作系のゼミに所属する。初監督作品『へんしんっ!』で「PFFアワード2020」グランプリを受賞。本作は6月下旬、ポレポレ東中野、シネマ・チュプキ・タバタにて公開(全国順次)が決定。

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Q1. 映画監督になりたいと思ったのは何歳の頃ですか?またきっかけは何ですか?

映画を撮ることで”自分を変えたい”という漠然とした思いがあり、『へんしんっ!』を作り始めました。カメラがあることで腰を据えて語り合う場が生まれて、普段は恥ずかしくて話にくいことを互いに言い合える、他の人の奥底にある意見や想いを聞けるのではないかと思いました。映像制作に身を投じることで、これまで深く考えることを避けていた”自分”のことを違った視点から見つめ直せるような感覚を周囲の人の姿から知り、最も関心のあったことに向き合おうと決意しました。
自分は「映画監督になりたい」というよりは、映画を作るという視点で世界や出来事を見ることー具体的には脚本や企画書などを通してアウトプットすることーが楽しく感じられ、自分の思考を形にしていく上でも、合っているように思っています。書くことで、勝手に距離を置いてしまっている出来事を自分に引き寄せて考えることができる、きっかけを得ているのかなと思います。


Q2. 初めて監督した現場での出来事や感じたことを教えてください

この作品が初監督であり出演者でもあったので、「監督であること」を自分で意識するのに時間がかかりました。出演者に話を聞く場は、さまざまな言葉が聞けて充実していた撮影現場だったのですが、しょうがい当事者や聞き手としての自分が出てきてしまい、映画監督の立ち位置とは何なのかが分からない感覚がありました。また、作品で扱いたいテーマはあっても、それを具体的に作品として構成する骨格が自分の中でできていませんでした。作品の構成が、少し見えたのが仮編集したものをゼミ生とゲスト講師の映画監督に観てもらい、アドバイスをもらったときでした。そこでの多くの言葉が、「これは誰が主役の映画か」との投げかけでした。この言葉は、自分の背中を押してくれる大きな転換点となって、その後のダンスパフォーマンスや本作のラストシーンに影響を与えました。


Q3. 映画制作でくじけそうなときの乗り切り方、気分転換の方法は何ですか?

撮影時、出演者との対話や制作スタッフとやりとりしているときは、起こることやかけられる言葉が自分にとって新鮮で、くじけることはあまりありませんでした。ですが、撮影が終わりの方を迎えたときに、制作スタッフとどのような作品にするかを悩んだり、さまざまな人にアドバイスをもらって編集時、1人で画面に向き合っているときは、考え込んでしまうこともありました。気分転換かはわかりませんが、制作日誌をつけていて、外に出して整理することをしたり、映画の内容とは関係のない、映画を観たりしていました。


Q4. PFFに応募しようと思ったのはなぜですか?

PFFのホームページで審査過程について書かれていて、一つひとつの作品を複数の方が時間をかけて鑑賞し、議論が交わされることや審査員から作品に対するコメントがもらえることを魅力的に感じました。自分のことを知らない人、実際に面識のない人がこの作品を観たときの率直な思いが聞けることは、自分にとって自信となったり、新たな道を知らせてくれるかもしれないといった期待があり、応募しました。


Q5. PFFに入選して、一番印象に残っていることは何ですか?

(新型コロナウイルス)感染症の影響で映画館に足を運びにくい中、上映後の舞台挨拶で、壇場に上げていただいたとき、たくさんの観客にお越しいただいた光景は忘れ難い経験になりました。劇場で観客のみなさんと共有しながら、観ることの尊さに気付くことが出来ました。上映後の質疑応答やお一人おひとりとお話する場で、作品を観て感じたことを生の声で届けてくれることが、自分が意識せずにやっていたことを指摘していただいたり、新たな言葉を与えてくれたりしてくれたり、作った後もさらに広がっていくことも教えていただいたと思いました。


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第42回ぴあフィルムフェスティバルでの上映後トークの様子

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PFFアワード2020表彰式の受賞者+最終審査員



20210315-4.jpg 『へんしんっ!』
【作品データベース】

6月下旬、ポレポレ東中野、シネマ・チュプキ・タバタにて公開、他全国順次
【『へんしんっ!』公式サイト】 ★「PFFアワード2020」グランプリ受賞作『へんしんっ!』劇場公開決定!日本語字幕、音声ガイドありの“オープン上映”



第43回ぴあフィルムフェスティバル コンペティション
「PFFアワード2021」作品募集中!
2021年2月1日(月)~3月23日(火)
【作品募集ページ】