「PFFアワード入選監督に聞きました!―なぜ私は映画をつくるのか?―」第4回:城真也監督
「PFFアワード2021」は、現在作品を募集中です!締め切りは3月23日。
そこで、近年のPFFアワード入選監督の生の声をお届けすべく、「映画づくり」や「PFF」に関するアンケートを行いました。
第4回は、2度目の入選作『アボカドの固さ』で「PFFアワード2019」ひかりTV賞を受賞した城真也監督です。
<更新予定>
第1回:工藤梨穂監督『オーファンズ・ブルース』
第2回:中尾広道監督『おばけ』
第3回:草場尚也監督『スーパーミキンコリニスタ』
第4回:城 真也監督『アボカドの固さ』
第5回:金子由里奈監督『散歩する植物』 3/8(月)アップ予定
第6回:石田智哉監督『へんしんっ!』 3/15(月)アップ予定
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城 真也監督(PFF入選作『アボカドの固さ』『さようなら、ごくろうさん』)
1993年生まれ、東京都出身。早稲田大学入学後、友人と映画制作を始め、同校の映像制作実習の授業で制作した『さようなら、ごくろうさん』(17年)がPFFアワードに入選。また並行して映画美学校に通い始める。その後、『アボカドの固さ』で「PFFアワード2019」ひかりTV賞を受賞し、劇場公開へ。東京・ユーロスペースを皮切りに、大阪、京都で公開され話題となり、劇中に登場する下高井戸シネマでも凱旋上映された。
Q1. 映画監督になりたいと思ったのは何歳の頃ですか?またきっかけは何ですか?
きっかけはアレハンドロ・ホドロフスキーの『エル・トポ』です。音楽に夢中だった十代の頃に、「ジョン・レノンが惚れ込んで上映権まで購入したカルト映画」という宣伝文句に興味を持って、初めてミニシアターを訪れました。これまでシネコンで観てきたものとは何かが違う、『The Shagg』みたいなヘンテコな映画だと思った記憶があります。意味はぜんぜんわからなかったし、むしろ非常識だとすら思ったけど、「世界ってもっとこうあるべきじゃないですか」と異議申し立てをするかのごとく表現する映画監督ってかっこいいなと。そのうち自分でも作ってみたいと思うようになりました。
Q2. 初めて監督した現場での出来事や感じたことを教えてください
はじめての映画作りは共同監督だったのですが、意見が対立するにしたがって仲が悪くなり、打ち合わせをマクドナルドかサイゼリヤのどちらで行うかで喧嘩したり、主演俳優ともう一人の監督が恋に落ちて盛り上がる様子をそばで見たり、思うようにいかないことばかりでした。なぜかよくわからないうちに映画は完成して、まあ納得のいく出来であるはずもなく、これじゃあ終われないという気持ちで次の映画を作り続けています。
Q3. 映画制作でくじけそうなときの乗り切り方、気分転換の方法は何ですか?
ジブリのドキュメンタリーを見る。宮崎駿が働いてる姿を見ると自分も頑張ろうと思えるので。
Q4. PFFに応募しようと思ったのはなぜですか?
登竜門だと聞いていたので、はじめて応募した『さようなら、ごくろうさん』のときは単なる力試しのつもりでした。まさか入選するとは思ってもみなかったので嬉しかったですが、何が刺さったのか謎で、おそるおそる参加しました。PFFでは自作が他の入選作と併映されますが、この作品プログラムによってある種の批評を受けることができる。また映画祭カタログに付される作品のあらすじと紹介文を読むと、自分で作ったはずなのに発見が多かったです。そして上映後には少なくない数の観客から意見をいただく。他の人の目に触れて解釈される経験が入選の理由を教えてくれた気がします。しかし入賞は逃しました。それが悔しく、またここに戻ってきたいという気持ちで作った『アボカドの固さ』の時には応募しない理由がありませんでした。
Q5. PFFに入選して、一番印象に残っていることは何ですか?
『アボカドの固さ』
【作品データベース】
『さようなら、ごくろうさん』
【作品データベース】
DOKUSO映画館にて配信中⇒【配信ページ】
第43回ぴあフィルムフェスティバル コンペティション
「PFFアワード2021」作品募集中!
2021年2月1日(月)~3月23日(火)
【作品募集ページ】