一般社団法人PFF Overview

一般社団法人PFFとは

「ぴあフィルムフェスティバル(PFF)」は、1977年、ぴあ株式会社が東映大泉撮影所で開催した「第1回ぴあ展」でその産声を上げました。以来40年以上にわたり、世界でも類を見ない自主映画のコンペティション「PFFアワード」をメインとした映画祭を開催し、これまでに180名を超えるプロの監督を輩出しております。また、新人監督の長編映画製作支援システム「PFFスカラシップ」でPFFアワード受賞者の次のチャンスを創生し、その活動の幅を広げてまいりました。

そしてスタートから40年を迎えんとする2017年4月に、PFFの活動をより公共的な事業として、官民を含めた社会全体で事業の継続と発展を支えることのできる環境を作るため、ぴあ株式会社、株式会社ホリプロ、日活株式会社のPFFオフィシャルパートナー3社が中心となり、「一般社団法人PFF」を設立いたしました。

一般社団法人PFFは、「映画の新しい才能の発見と育成に係る事業を通して、映像文化の発展に寄与すること」を目的として掲げております。新しい才能を紹介する映画祭「ぴあフィルムフェスティバル」の開催、新しい才能の発見をテーマとした「PFFアワード」の授賞、新しい才能の育成を目指した「PFFスカラシップ」による新作映画の製作と公開、さらに新しい才能の国際的な飛躍を後押しすべく新設した映画賞「大島渚賞」などの事業を通して、映画の新しい環境作りを担ってまいります。なお、ぴあ株式会社からは、PFFを将来にわたって安定的に運営していくことを目的とした10億円の基金の拠出を受けております。

理事長挨拶

一般財団法人PFF理事長 矢内 廣 一般社団法人PFF
理事長 矢内 廣

ようやくマスクをしない日常が戻り、映画をはじめとするエンタテインメント業界も活気を帯びてまいりました。ここに至るまでの厳しい状況下にもかかわらず、PFFの活動にご支援を賜りました皆様に、この場をお借りして心よりの御礼を申し上げます。

「ぴあフィルムフェスティバル」は、今年9月の開催で45回目を迎えます。コンペティション部門「PFFアワード2023」には、前年を37本も上回る557作品が応募されてまいりました。この映画祭での入選をきっかけに、その後プロの映画監督になった方は既に180名を超え、前年のグランプリ受賞作『J005311』(監督:河野宏紀)は4月から劇場公開されております。今年はどんな新しい才能が飛び出すのか、ぜひご期待ください。

新人監督の劇場デビューを支援する映画製作プロジェクト「PFFスカラシップ」においては、27本目の作品『すべての夜を思いだす』(監督:清原惟)が2月のベルリン映画祭に招待され、4月の北京国際映画祭では「注目未来部門/審査員特別表彰」を授与されました。国際的な評価が高まっている本作は、2024年春の劇場公開に向けて準備を進めています。さらにもう1本の新作を、9月の映画祭でお披露目すべく鋭意製作中です。

また、国際的に飛躍していく若き映画監督を顕彰する賞として2019年に創設した「大島渚賞」では、岡山県で映画製作を続けている『やまぶき』の山﨑樹一郎監督に、第4回の賞を授与いたしました。その2週間後の3月28日、「大島渚賞」の立ち上げから献身的にご尽力いただいた審査員長の坂本龍一氏が、逝去されるという悲しい出来事もありました。坂本氏の熱い思いを受け継ぎながら、今後も若き才能のグローバルな挑戦を支援してまいりたいと思います。

古今東西、どのような分野においても、若く新しい人材が育たないところに未来はありません。1977年のスタートから約半世紀、PFFは一貫して、映画を志す熱意と創意にあふれた若者たちをサポートし、より一層チャレンジできる場の創出と継続に努めてまいりました。コロナ禍による雌伏の時を経た精鋭たちが、さらなる高みにジャンプアップできるよう、これからも新たなステージづくりに尽力してまいりたいと思います。皆様方におかれましては、引き続きのご支援を賜りますよう、何卒よろしくお願い申し上げます。

(2023年6月)

事業概要

活動

「ぴあフィルムフェスティバル」の開催

「ぴあフィルムフェスティバル」の開催

「ぴあフィルムフェスティバル」は、「映画の新しい才能の発見」をテーマに1977年にスタートした映画祭です。
観る機会の少なかったインディペンデント映画の面白さを広く伝えることを目的として、世界でも珍しい自主映画のコンペティションである「PFFアワード」と、若い映画監督に刺激となるような国内外の多彩な映画のプログラム「招待作品部門」など、映画祭ならではの企画を続け、若い映画の作り手やファンが集う場所となっています。

「PFFアワード」の受賞

「PFFアワード」の授賞

募集時より1年以内に完成した自主映画であれば、年齢、性別、国籍、上映時間、ジャンルなどを問わず、すべてが自由な自主映画のコンペティションです。
応募作品は4ヵ月に及ぶ厳正な審査を経て入選作品が決まります。入選作品は「ぴあフィルムフェスティバル」で上映され、その中からグランプリ他の各賞が授与されます。44回の開催までに、24,367作品が応募され、736作品が入選しています。入選者の中からは、プロの映画監督として活躍する人たちが180人を超え、若く新しい才能の登竜門として広く認知されるようになりました。

「PFFスカラシップ」の実施

「PFFスカラシップ」の実施

PFFが制作から公開までをトータルプロデュースする長編映画製作援助システムです。
毎年のPFFアワード受賞者を対象に、自分たちの作りたい映画企画の提出を受け、選考を経て1人が選ばれます。PFFスカラシップ獲得者は、スカラシップ専任プロデューサーとマンツーマンの体制でじっくり時間をかけて、企画開発から公開までの映画の全プロセスを体験します。1984年の第1回から2022年までに製作された「PFFスカラシップ」作品は27本になります。

「大島渚賞」の授賞

「大島渚賞」の授賞

「大島渚賞」は、2019年度に創設した新たな映画賞です。日本で活躍する若手監督を対象に、映画の未来を拓き、世界へ羽ばたこうとする、新しい才能に対して贈られます。かつて、大島渚監督が高い志を持って世界に挑戦していったように、それに続く次世代の監督を期待と称賛を込めて顕彰します。第1回の受賞者は『セノーテ』の小田香監督。第2回は該当者なし、第3回は『海辺の彼女たち』の藤元明緒監督。第4回は『やまぶき』の山﨑樹一郎監督が受賞しました。

「オンラインPFF」の企画運営

「オンラインPFF」の企画運営

2020年7月よりインディーズ映画のサブスク・サイト「DOKUSO映画館」で、過去の「PFFアワード」入選作品の一挙配信を始め、2021年8月より、「U-NEXT」でも定額制配信をスタートさせました。現在は230本以上の「PFFアワード」入選作品が常時視聴可能です。その他にも「オンライン映画祭」などの開催を通し、より多くの方に自主映画に触れる機会を提供していきます。

「PFFデジタルアーカイブ」の推進

「PFFデジタルアーカイブ」の推進

「自主映画」という日本独自の映画文化を保存して次世代に伝えるために、過去の「PFFアワード」入選作品をデジタル化しています。600本を超える入選作品の約半数となるビデオ作品のデジタル化は既に終了し、現在は1990年代の貴重な8ミリ・フィルム作品のデジタル化を本格的に進めています。

理事・監事
(2023年6月現在)

理事長 矢内 廣
副理事長 堀 義貴
常務理事 眞子祐一
理事 五十嵐 博/矢嶋弘毅/木戸文夫/荒木啓子/石川 毅
名誉理事 林 和男
監事 能勢正幸

会員一覧
(2023年12月現在)

基本情報

名称 一般社団法人PFF
住所 〒150-0011
東京都渋谷区東1-2-20 渋谷ファーストタワー
地図
お問い合わせ info@pff.or.jp