実は貴重な『殺人地帯U・S・A』
サミュエル・フラー特集の1本、『殺人地帯U・S・A』は、リアルタイムに日本公開された作品です。当時の邦題センスにはいつも痺れるのですが、『Underworld, U.S.A.』を『殺人地帯U・S・A』とする思い切り。いいですね~~~~~
近年、続々とDVD発売やテレビ放映も続き、観ようと思えばなんとかなる作品も増えたサミュエル・フラー。それでも大スクリーンで上映するチャンスを出来るだけ増やしたいと思いつつ、映画祭プログラムに組み込むには予算やら権利やらの厚い壁があっちこっちにあり、厳選を余儀なくされるなか、日本では一度もソフト化されていない『殺人地帯U・S・A』は、是非上映したかった1本。今回、アメリカの貴重なアーカイブプリントを「東京での2回のみの上映」で許可を貰えました。
そして昨日、待ちに待った到着。すぐに日本語字幕投影の準備に突入、というスリル!
日本初公開の『ベートーヴェン通りの死んだ鳩』と『フラーライフ』は、このあとの「PFFin神戸」でも上映が待っていますが、『殺人地帯U・S・A』は、東京での2回上映のあと、すぐに返却の運命。
つまり、スクリーンで字幕付き上映のチャンスは、東京の2回のみ、なのです。
これは是非体験してほしい。そんな願いを込めて、大ホール上映を2回設定しています。
見逃しても日本語字幕付き素材は国内にありませんんんん~~~
といいつつ、今回のフラー特集上映作品は、上記の3本に加え、『最前線物語』『東京暗黒街・竹の家』『ストリート・オブ・ノー・リターン』『ホワイト・ドッグ』の4作品も、全部、今回のPFF上映のみの許可を権利元に許諾交渉に成功した、ここだけでのスクリーン上映です。日本に現存した日本語字幕のついた上映素材は、この4作品ですが、全て上映権利は消滅しており、映画祭のみの上映交渉の結果です。
※『ストリート・オブ・ノー・リターン』は「PFFin京都」での上映が実現しました。
スクリーンでサミュエル・フラーを浴びるフラー祭りのチャンスは、PFFだけ!
というわけで、ご来場を心よりお待ちしております。
【ここで第37回PFFでのフィルム上映作品を御紹介します。】
「PFFアワード2015」にいただいた577本の応募作品中、フィルム作品は1本でした。
まさにデジタル時代。そんな中、第37回PFFでは9本のフィルム上映作品があります。
◎「映画内映画」プログラム
『ロケーション』 | 9月16日(水) 18:30~ |
『アメリカの夜』 | 9月19日(土) 14:45~ |
◎「特集 サミュエル・フラー」プログラム
『最前線物語』 | 9月15日(火) 18:30~ |
『殺人地帯U・S・A』 | 9月18日(金) 19:00~/23日(水・祝) 12:00~ |
『ホワイト・ドッグ』 | 9月20日(日) 17:15~/22日(火・祝) 11:30~ ※両日とも小ホールにて上映 |
『ストリート・オブ・ノー・リターン』 | 9月20日(日) 15:00~/23日(水・祝) 16:30~ ※9/20は小ホールにて上映 |
◎「映画のコツ」プログラム
『小早川家の秋』 | 9月13日(日) 17:30~ ※英語字幕つき上映 |
『居酒屋ゆうれい』 | 9月19日(土) 17:45~ |
『変態家族 兄貴の嫁さん』 | 9月23日(水・祝) 14:30~ ※英語字幕つき上映 |
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"映画をみてから自伝を読む"そんな素敵な冬がもうすぐです。
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