PFFがロバート・アルトマン、ダグラス・サーク、クリント・イーストウッドに続いて贈る「アメリカの輝ける才能」シリーズ。ゴダール、ヴェンダース、ファスビンダー、スコセッシらが惚れた異才(偉才)フラー。その誰にも真似できないエモーション!
12歳の時に目の前で愛する父を殺されたトム。心に誓った復讐を成し遂げるべく父と同じ暗黒街に足を踏み入れ、記憶に焼き付けた男たちを巧妙な嘘と罠で追い詰めていく。遂に黒幕まで辿り着いたとき・・・・フラー自身は嫌いだという「復讐」という設定を用い、売春、賭博、麻薬からなる犯罪組織の構造と、組織撲滅を目指す連邦政府の役人の間を行き来する一匹狼の主人公を通じて、アメリカの暗黒面を浮かび上がらせた野心作。フラーが生まれて初めて観たギャング映画『暗黒街』(27年/ジョセフ・フォン・スタンバーグ監督)の思い出から着手したと語っている。※国内未ソフト化
1912年生まれ。アメリカ出身。
新聞記者、小説家、映画脚本家などを経て、1949年に『地獄への挑戦』で監督デビュー。ジャーナリスティックな感性や第二次大戦従軍経験を活かし、常に脚本も自身で執筆。強烈な暴力描写・登場人物の心理探究・社会的不正に対する抗議を織り込んだ自由で独特な低予算娯楽作品を大プロデューサーの運営するメジャースタジオ下でありながら数多く生み出し、後年、多くの映画作家に強い影響を与えた。フランスでは特に人気が沸騰。ジャン=リュック・ゴダール『気狂いピエロ』での自身の役以降、ヴィム・ヴェンダース、スティーヴン・スピルバーグら若手監督の作品に俳優として多数の出演も。1997年没。
[1961年/アメリカ/98分/白黒/35ミリ]
監督・脚本・製作:サミュエル・フラー/撮影:ハル・モア/音楽:ハリー・サックマン/編曲:レオ・シューケン、ジャック・ヘイズ
出演:クリフ・ロバートソン、ドロレス・ドーン、ビアトリス・ケイ、ロバート・エンハート、リチャード・ラスト