映画はもっと自由でいい。未来への期待を込めて、第2回大島渚賞は「該当者なし」といたしました。3月20日(土・祝)、記念イベントで審査員の思いを届けます。

映画祭ニュース

20210226-1.jpg 昨年、PFFが新たに創設し、小田香監督(『セノーテ』、『鉱 ARAGANE』)の受賞でスタートした、大島渚賞

審査員長の坂本龍一氏、審査員の黒沢清監督、荒木啓子PFFディレクターの3名が、次世代の才能を顕彰すべく、討議を重ねた結果、第2回は「該当者なし」という結論となりました。

残念ながら授賞式はございませんが、この結論に至った審査員の思いをきちんと届け、かつ創作のエネルギーに満ちた大島渚監督のスピリットを次世代に繋いでいくために、記念イベントを開催します。

まずは、審査員3名からのメッセージをここにご紹介します。

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<審査員メッセージ>

▼審査員長・坂本龍一(音楽家)
もし大島渚賞などという形で大島渚が権威になるのだったら、それこそ大島渚が最も嫌ったことだろう。
だから大島渚に迎合するのは絶対にだめなのだ。そうではなく大島渚を挑発し、批判し、越えていくことこそ最も大島渚賞にふさわしいと言えるのだ。
そのような映画にわたしたちは出会いたい。

▼審査員・黒沢 清(映画監督)
「いろいろあったけど、よかったよかった」となる映画が多すぎる。
本当にいろいろあったなら、人は取り返しのつかない深手を負い、社会は急いでそれをあってはならないものとして葬り去ろうとするだろう。
人と社会との間に一瞬走った亀裂を、絶対に後戻りさせてはならない。あなたがささやかに打ち込んだクサビは、案外強力なのだ。
よかったよかったと辻褄を合わせる必要なんかどこにもない。
「たかが映画だろう」と周りは言うかもしれない。
しかし映画とは何だ?ぼんやりとみなが想像するものだけが映画ではない。
表現の極北から見出される鋭い刃物のようなクサビで、人と社会とを永遠に分断させよう。これら二つが美しく共存するというのはまったくの欺瞞だ。
このような映画製作に挑む若者を探している。それは大島渚が切り開いた道であり、決して閉ざしてはならないと思うから。

▼審査員・荒木啓子(PFFディレクター)
国内外の映画キュレイターやジャーナリストから推された新人監督たちを語りながら、映画、そして映画監督への期待のみならず、映画の可能性、喜び、を覚醒させる坂本、黒沢両氏の、映画愛、大島渚愛溢れるスリリングな時間があっという間に過ぎていった。
青春映画、子供映画、恋愛映画、戦争映画、時代劇、実験映画にドキュメンタリー。そのフィルモグラフィーの多彩さ、絶え間ない挑戦に驚かされる大島渚監督は、映画の技術を会得し、映画とはメロドラマであると言い切れる人だった。
いち早く海外に飛び出し、また、テレビという媒体の面白さも発見した人だった。多面体過ぎて掴むのが難しいほどのその活躍の芯にある、映画という創作。
大島渚賞の審査会議は映画についての長い熱い対話となり、思い切った決断結果となった。

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3月20日のイベントでは、審査員とゲストによるトークと、坂本龍一、黒沢清の両名が、揃って大島作品のフェバリットフィルムに挙げる『日本春歌考』を無料参考上映いたします。

トークには、審査員の黒沢清監督と荒木啓子PFFディレクターが登壇し、今回の審査会議で挙がった話題をはじめ、ここでしか聞けない話が展開されます。さらに特別ゲストとして、大島渚監督のご子息で、昨年公開の監督作『なぜ君は総理大臣になれないのか』や、プロデュース作『ぼけますから、よろしくお願いします。』など話題作を手掛ける、大島新監督にも加わっていただき、ゴダール、アンゲロプロスから、クリストファー・ノーラン、アリ・アスターまで、今なお世界中の監督から敬愛される、大島渚監督の唯一無二の魅力を語り尽くします。

チケットは、3月8日(月)にチケットぴあにて発売。

毎年、大島監督の誕生月である3月に開催する、1日だけの特別なイベントです。
どうぞお見逃しなく。



【第2回大島渚賞 記念イベント】

★チラシPDFはこちら

3月20日(土・祝) 開場13:30 開演14:00
会場:丸ビルホール(丸ビル7階)

トークショー:(出演予定)審査員・黒沢 清、荒木啓子、ゲスト・大島 新(ドキュメンタリー監督)
※出演者が一部変更になっています。

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『日本春歌考』★トークショー終了後、無料参考上映
(トークショー入場券をお持ちの方のみ、鑑賞いただけます)

20210226-2.jpg 1967年/103分
監督・脚本:大島 渚
出演:出演:荒木一郎、田島和子、岩淵孝次、串田和美、宮本信子、吉田日出子、小山明子、伊丹一三
作品提供:松竹

受験のために上京した男子高校生たちは、性的なことを露骨に表現する猥褻な歌=「春歌」に出会う。混沌とした時代を映すような、軍歌、革命歌、反戦フォークが歌われる一夜に春歌で対抗する彼らの、抑圧されたエネルギーが暴走する!
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■TICKET
3月8日(月)より、チケットぴあにて発売!(Pコード:551-431)
【購入はこちらから】

トークショー入場券(全席指定)
一般:2,500円、学生:1,500円

※チケットは前日までの販売です。当日券の販売はありません。
※チケットぴあ店舗のみ、座席の選択が可能です。【チケットぴあのお店】
※チケットの払い戻し、交換、再発行はいたしません。
※会場ではチケットの発券が出来ません。必ず発券して会場までお越しください。
※新型コロナウイルス感染症予防のため、定員数を50%に制限します。チケットを複数枚ご購入の場合は、隣り合わせの席にならない可能性がございます。

■会場
丸ビルホール (東京都千代田区丸の内2-4-1丸ビル7階)
・JR東京駅丸の内南口より徒歩1分
・丸ノ内線東京駅、千代田線二重橋前駅より直結