審査員特別賞受賞作品
『パッション』
迫真の演技に戦慄が走る
これほど心揺さぶる家族の話がかつてあったか。愛情飢餓ゆえ切実に生きざるを得ない男の受難を、重厚な作劇で描く。
2011年/ビデオ/92分/カラー
監督・脚本:南部充俊 撮影:高橋 泉、廣末哲万、南部充俊 音楽:BUJI 制作:中村 謙吾 出演:廣末哲万、広澤 草、鈴木亮介、新恵みどり、西見 桂、並木愛枝、中野若葉、佐々木麻衣、伊藤洋三郎、深水三章
監督:南部充俊 (なんぶ・みちとし)
34歳。神奈川県出身。
「一度でいいから映画を撮りたかった」と言う南部監督。映像業界でのキャリアは長いが、「映画」の現場ではなく、映像制作会社で仕事を続けてきた。もともとは役者を志し、劇団に所属していた。そこで18歳の時、俳優で映画監督の廣末哲万と出会う。以来廣末は、友人であると同時に、作品作りへの憧れを常に刺激される存在だったと言う。32歳の時、「何か創りたいけど、これまで動けなかった自分」に気づき、本作を書き始めた。脚本を読んだ廣末は出演を決め、高橋泉が「これは南部さんが次へ進むための作品だから」と撮影で参加してくれた。仕事との両立は困難だったが、「役者の演技のおかげで、限られた条件下でも、登場人物の感情が表現出来た」と言い、「映画を作ることは、思ったよりも難しく、完成した時の喜びは、思ったより大きかった」と噛みしめるように振り返る。これが生涯で一度限りの監督作品となるのかは、まだ誰にもわからない。
- 2011年9月22日(木) 11:00 / 2011年9月28日(水) 18:15
- 2011年12月22日(木) 19:50
- 2012年3月22日(木) 18:15
- 2012年7月1日(日) 12:30
- 2012年7月6日(金) 18:30