1. ホーム
  2. PFFアワード
  3. PFFアワード1995

PFFアワード

PFFアワード作品紹介

PFFアワード1995

作品名 監督名 作品名 監督名
『アンゲルス』 ウィルソン・ブルバノ 『常世の恋人』 宮坂隆子
『田舎町的朝』 小林直行 『夏が終る』 小林大児
佐藤工業賞(録音賞)
『魚の眼』
辻 則行 『八月のタンゴ』 岡崎文生
グランプリ、パイオニアLDC賞(ビデオ賞)
『さようなら映画』
大月奈都子 WOWOW賞(撮影賞)
『東村山8ミリ劇場/男心女心』
若泉太郎
『JUDGE NOT』 相澤虎之助 『日の丸グラフティー』 松本真葉
『ストラップ・オン・オリンピア』 ケイト・ショートランド 『魔夏』 西山幸雄
『砂の涙』 タイ・カドエ 『メリーちゃんが行く』 大園玲子
審査員特別賞、シャンテ賞
『世界が静寂だったらいい』
小笠嘉士 『桃色ベビーオイル』 和田淳子
優秀賞、日本船舶振興会賞(キャスティング賞)
『ちまたに雨の降るごとく』
佐分克敏    

応募総数 582本 入選 17本

『アンゲルス』

監督:ウィルソン・ブルバノ

自分の死を自分で弔う民族。
1人の男が柩をかついで歩いている。歩が止まったのは墓穴。男はかついできた柩を穴に埋めると、自分がその中に入って横たわった。閉じられた柩には、誰の手によるものなのかパラパラと土がかけられる。同じ頃、男のものと同じ柩がいくつも、ひっそりと海に流されていく。
おそらく高い文化をもたないと想定される主人公たちの、自分の生と死に対する儀式は、シンプルと神聖の極み。それを静かに追うカメラは、本当にこうした習慣があるのでは、と思わせる力を持つ。美しく悲しい詩のように死を描いた作品。

1994年/35ミリ/パートカラー/11分
監督・制作・脚本:ウィルソン・ブルバノ
撮影:アリ・シハリ 音楽:マクシム・トレファン
出演:アレヘミロ・ガメス、バルハット

『田舎町的朝』

監督:小林直行

さよなら、2人の田舎町。
すでに両親のいない貧しい兄妹、周平とミドリ。2人で力を合わせ、小さなアパートの一室で何とか暮らしているが、以前から東京の叔母さんに、一緒に暮らすように催促されている。渋る妹、諦める兄。そんな2人に異性を意識する小さな事件が起きて、それぞれの夏が過ぎていく。そして2人が東京に出発する日は、兄妹が生まれ育った田舎町の夏祭りの日だった。
日常的な動作と端的なセリフで、それぞれの心情と背景をしっかりスクリーンに植えつけていく演出力。役者の演技レベルは高い。エアコンではなく麦茶や西瓜で涼しさを感じた夏。それと同じ懐かしさ、生命力が映画全体に漂っている。

1994年/8ミリ/カラー/15分
監督・脚本:小林直行
撮影:大藤友宏、鈴木智則 照明:増野裕典、鎌田夏木 録音:中本洋介 記録:早出美香 協力:江渕円香、森高 敦、岡田佐助
出演:田中 充、村中雅子、大藤友宏、高野信一、五月女敬子

佐藤工業賞(録音賞)

『魚の眼』

監督:辻 則行

迷い込んだのは虚無の世界。
ある日、青年は地下道で行き倒れの男を発見するが、その死体は1冊の聖書を残して消えてしまう。残された聖書だけを手がかりに、青年は消えた男の正体を探す旅に出る。しかし行き着くのは、自分の体をかきむしる男のいる執事室など、不思議な場所ばかり。青年は男の正体を知ることができるのだろうか…。
一切のセリフを排除した幻想譚。死体安置室のような地下道から始まる青年の旅は、「死」「恐れ」「憧れ」「失望」といったモチーフをフィルムに映し出す監督の旅でもあり、「裏版・不思議の国のアリス」に迷い込んだ観客の旅のようでもある。

1995年/16ミリ/カラー/27分
監督・脚本:辻 則行
撮影:仲村成司 音楽:ヒデ・トーゴー 美術:高見雅資 車輌:岩畑剛一 協力:萩田達也、名村ミサ、中村達也、大木明人、小林比呂志
出演:荒関善哲、高見雅資、武 智子、柴田隆太、藤原あゆみ、佐藤和隆、中根容子

グランプリ&パイオニアLDC賞(ビデオ賞)

『さようなら映画』

監督:大月奈都子

お母さん、やっぱり私、撮る。
最愛の母の死を受け止められない。闘病中の姿は撮れたのに、死に顔が撮れない。湧き出る母への愛と自分自身へのジレンマ。それらの揺らぐ思いを、映画を撮ることに託して、カメラを自分に向ける“私”。恋人とナンパされて知り合ったセックスフレンドとの間を行き来しながら、母への思いと映画を撮る理由を、手探りで確認していく。
“悲しい現実と私”を題材にしながら、悲劇的、自虐的な匂いのしないセミ・ドキュメント。「揺れる自分の感情を忠実に再現させた」というのが監督の言葉だが、この作品を通しておそらく「揺れる自分の先」をすでに見つけていることが、画面の中から伝わってくる。

1995年/ビデオ/カラー/34分
監督・脚本・編集:大月奈都子
撮影:大月奈都子(大月玲子、大月史朗)、中津誠貴、田中やんぶ
出演:大月奈都子(大月玲子、大月史朗)、中津誠貴、田中やんぶ

『JUDGE NOT』

監督:相澤虎之助

フーゾクもなんだからナンパでも。
ケンは、ナンパ以外には何ひとつまともに取り組もうとしない大学生。そんなケンを慕い、一緒にナンパに明け暮れていた後輩のシンに、初めてサクラというガールフレンドができる。恋について自分について悩むシン。それをバカにするケンの態度にシンは怒り、ついに殴り合いになる。ケンは完敗しケガをするが、それでもまたナンパをしに、夜の繁華街へと出かけていく…。
喋っているように見えて交わらないケンとシンの会話。実は相手に興味がないケンのナンパ。何も説明しないサクラ。コミュニケーションを生まない言葉と暮らす世代の明るい空虚さを、写真ボックスのような固定カメラと夜間撮影で描く。

1994年/8ミリ/カラー/32分
監督:相澤虎之助
脚本:植村良太郎 撮影:相澤虎之助、高橋秀太 音楽:ナスハジメ スタッフ:田中一郎、行友太郎、中村香代子(早大シネ研)
出演:笠木 泉、相澤虎之助、植村良太郎、那須 一、牧田理恵、岡野 民、佐々木健人

『ストラップ・オン・オリンピア』

監督:ケイト・ショートランド

オリンピアの旅は続く。
男が女に期待するのは若さと美しい肉体とセックスの相手。そう考えるオリンピアは、若く美しい自分の肉体を活用して、金持ちだが下品な老人と愛人契約を交わしている。しかしどうしても我慢できない何かが自分の中に生まれ、契約を破棄して旅に出る。旅の途中でも出会った、男たちの自分を値踏みするような視線。その男たちに逆襲するために自ら仕掛けた、過激なショー。しかし、どこまでが現実で何所までが彼女の妄想だったのか…。
幻想的なイントロから、強力なセンスで支えられた美の世界が繰り広げられる。そのビジュアルの強さが、シンプルなストーリーにふくらみを与えている。

1995年/16ミリ/パートカラー/12分
監督・脚本:ケイト・ショートランド
制作:トニー・クラヴィッツ 撮影:キャロライン・コンスタンティン 音楽:ロバート・モスリアム・イーガン
出演:ブレイル・マヒューズ、キース・スティーブンス、トニー・ウィーラー

『砂の涙』

監督:タイ・カドエ

アイスノンで、暖かくなった夏。
一緒に暮らす若い男と女。暑い夏、男は肉体労働に従事している。女は家で寝てばかりいる。出かけるのは、弁当を忘れた男から電話が入った時ぐらい。弁当を持って工事現場に行き、仕事が終るまで待ち、自転車の後ろに乗って帰る。翌日はまた寝ている、そんな生活。ある日、女は心地よく目が覚める。気がつくと額にアイスノンが置かれていた。いくら塗っても決まらなかった口紅もピタッと決まった。いい予感がする。
起きる、着替える、砂ぼこりの道を歩く、アイスをかじる…。主人公の女性の動作に象徴される簡潔で力強い魅力が映画全体に流れている。観終わったあとは「昼寝をするのも真っ直ぐ生きること」と思える。

1994年/ビデオ/パートカラー/12分
監督:タイ・カドエ
脚本:土井 香 撮影:奥田昌恵 音楽:ハッピーズ
出演:岩田千恵、大野 哲、下川 透、根元歳三、本多正幸

審査員特別賞&シャンテ賞

『世界が静寂だったらいい』

監督:小笠嘉士

それでも、人生には意味がある。
小鳥遊(たかなし)という変わった名前を持つ大学生。もともと口下手な彼だが、相手から強く責められると急に眠りに落ちる奇病を持つ。今日もトラブルを起こしながらアルバイトの道路工事をしていたが、通りかかったローラーブレードの女性にひと目惚れをする。偶然彼女と再会して喜んだのも束の間、ひょんなことから誤解され、そのまま眠ってしまう。目覚めた彼は自分の気持ちを伝えるために走り出す。同じ頃、彼女もまた彼を探して走り出すが…。
繊細ゆえに臆病になっていた若者が、外の世界に初めて足を踏み出す。結果はどうあれ、その行為自体の尊さを、無駄のないゆとりのある映像で、軽快に綴っている。

1995年/8ミリ/カラー/81分
監督・脚本:小笠嘉士
制作:佐藤 薫 撮影:三浦 耕 音楽:石塚貴洋 記録:池川 幸 助監督:田村真人 撮影助手:高橋勝昭
出演:川島直樹、風無ゆかり、増田潔威、山本 創、三浦 耕

優秀賞&日本船舶振興会賞(キャスティング賞)

『ちまたに雨の降るごとく』

監督:佐分克敏

一歩下がって二歩進む恋。
理屈好きでいくらでも喋っていられそうな男と、気持ちに言葉がついていかない女。若い恋人同士の2人は性格が正反対で、些細なことでけんかばかりしている。ところが、いつもは男が一方的に言い負かして終わるけんかが、その日は違っていた。女のうっぷんが爆発したのだ。打ちひしがれて昔の恋人の部屋を訪ねたりする男。2人は終わってしまうのだろうか…。
どこにでもある小さな恋。すべての恋人たちが繰り返すけんかと仲直り。その類型でありながら「そんな彼女をなぜ彼は好きか」「そんな彼をなぜ彼女は好きか」をさりげなく、しかしていねいに描いて、この2人だけの愛しさを出すことに成功。

1995年/8ミリ/カラー/30分
監督・制作・脚本:佐分克敏
撮影:真弓信吾 録音:池原 健、五十嵐廣幸 音楽協力:金子理恵 協力:U-38
出演:角田 彩、佐分克敏、谷川美香、三浦靖憲、扇田未知彦、横山智子、加藤早苗、松本りえ、今井里美、牧谷里香、加藤真理、井上幸子

『常世の恋人』

監督:宮坂隆子

愛し方も傷つき方も1人で知る。
美大生の直哉と河野。タイプは違うが気の合う2人は、デッサンの授業にやってきた美術モデル・玲子に、課外製作のモデルを依頼する。陰りのある彼女に同時に魅かれた2人だったが、ストレートに玲子に溺れていく河野に対し、直哉は自分が本当の彼女を描けないことを悩み、玲子の素顔にベールをかけている存在を探し始める。
母と子のような会話でコンパニオンの恋人から小遣いをもらう河野。玲子の家を訪ね、玄関の前でコートを脱ぐ直哉。小さなディテールの積み重ねは静かな間を生み、登場人物の輪郭を浮き彫りにするだけでなく、監督の資質であろう上品さ、静謐さを映画に与えている。

1995年/8ミリ/カラー/47分
監督・脚本:宮坂隆子
制作:板垣幸秀、鈴木宏忠 撮影:板垣幸秀 照明:田中利夫 録音:新美正裕 MA効果:照井康政 助監督:木下 恵、石井栄一
出演:小口ゆり、大高 光、坪川隆宏、秋山ゆらら、中村真由美、小宮山 浩

『夏が終る』

監督:小林大児

就職試験、きっと大丈夫だよ。
大学4年の8月を、見通しの暗い就職活動に費やす上村。彼の下宿に、中学時代の同級生・田島が「しばらく泊めてほしい」とやって来る。実は田島は故郷で傷害事件を起こした過去があり、危ない仕事をするために東京にやって来たのだ。偶然、田島の前科を知り、深夜にかかってくる電話も気になる上村。しかしどうする術もなく、また田島自身も引き返す手立てを持たず、お互いを思いやった2人の夏は、すれ違ったまま終っていく。
抑えた語り口ながら、ビルの地下室や陶芸部の部室、カレーライスなど、同じ場所、同じ小道具を使って状況の変化を見せる構成に、ストーリーテリングのセンスが光る。

1994年/8ミリ/モノクロ/62分
監督・脚本・撮影:小林大児
スタッフ:岡下 修、安藤 聖、柴田陽一郎、光石達哉、荒井 聡 撮影協力・住宅提供:奈賀達人 陶芸指導:後藤真一郎 製作:映創会
出演:岡下 修、安藤 聖、西能 淳、竹内幸恵、奈賀達人、後藤真一郎、大山浩和、鈴木利英、諸冨謙治

『八月のタンゴ』

監督:岡崎文生

踊ったら、少しわかった。
17歳の夏休みに最悪の出来事を経験したハナ。好きだった同級生の男に強姦された。最低男に最低の復讐をしようと、クラスでクールな存在のユミを誘う。復讐は成功したかに見えたがハナは反撃され、彼女を救おうとしたユミが男を包丁で刺してしまう。自転車での逃亡を決心する2人。交代で自転車をこぎ続け、辿り着いたのはユミが目的地に決めた海辺の街。そこは彼女の父親が愛人と暮らす街だった…。
ハナに引っ張りこまれた門をくぐることで、自分が解決していなかった問題と対峙するユミ。ユミの強さに触れて自分も強くなるハナ。同じ時間の中で別々に成長する少女の姿が、ドラマチックに描かれる。

1995年、ビデオ/パートカラー/100分
監督・脚本・撮影:岡崎文生
制作:山口多美子 音楽:藤原敏弘、神谷武彦 スタッフ:小林直樹、大谷 亘、越坂康史、池田弘司、楢原秀佳、佐藤哲也、荒木 傑、福士あずさ、坂本奈美枝
出演:斉藤あき、橘 智花、辰己 葵、西田早苗、荒木俊和、内田尋義、井上 匡

WOWOW賞(撮影賞)

『東村山8ミリ劇場/男心女心』

監督:若泉太郎

この監督、最低で最高です。
主人公・若泉は大学の仲間と映画をつくっているが、監督であるにも関わらず、わがままで無軌道な性格から信頼がまったくない。完成した作品もない。あるのは、ケンカが強いらしい、ゴキブリを食べたらしい、といった噂ばかり。若泉は映画にリアリティを求めると言うが、リアリティが何なのかはわからない。変化がないように見える日々。しかし彼の何かが人を傷つけるのと同じくらい、何かが人を魅きつけ、映画づくりは続いてゆく。
構成、演出、カメラワーク等、練り上げられた二重構造が、自称「個人史映画」の枠を超え、フィクションとノンフィクションそれぞれの醍醐味を感じさせる。

1995年/8ミリ/カラー/53分
監督・脚本:若泉太郎
制作:若泉太郎、神谷敦仁 撮影:若泉太郎、増田庄吾 音響:若泉太郎、鶴岡慎一郎 協力:高田牧舎、早稲田大学映画研究会
出演:若泉太郎、津田牧子、佐藤孝治、高桑泰彦、秋山恭子、田才知矢子、増田庄吾、鶴岡慎一郎

『日の丸グラフティー』

監督:松本真葉

自分だけの国旗、掲揚!
1/4黒人の血が混じっているために周囲に違和感を感じ、自分のアイデンティティについて考えずにはいられない少年。二十歳になってもまだ初潮がなく、世の中の無神経さに苛立っている少女。少年は「日本人とは何か」を知るために若者にカメラを向け「今考えていること」を聞いている。少女は、自分が憧れる女を主人公にした映画をつくろうとして役者たちと衝突している。自分の内と外、両方と戦う過程でカメラを手にした2人が偶然出会う。
それぞれに「血=日の丸問題」を抱える2人が、痛みやゆとりなどそれまで知らなかった方法を通して答えにたどりつく姿が、焦らずに、やさしさを込めて描かれる。

1995年/ビデオ/パートモノクロ/68分
監督・脚本・撮影:松本真葉
音楽:松本真葉、関根“dazzle”雄悟 協力:サーヤ、永光ケン、和田タカシ
出演:草分こずえ、関根“dazzle”雄悟、MGBSBrothers、MGABrothers

『魔夏』

監督:西山幸雄

助けたい、助かりたい、助けて。
夏休みのある日、親友同士の根元と丸山が山道を歩いていると突然、銃声が響き、根元が倒れる。丸山は辛うじて道端のブロックの陰に隠れるが、根元は重傷を負い動けない。最初は何とか助けようと思う丸山だったが、執拗な、そして見えない犯人におびえ、手が出せない。それを根元が責め始め、犯人が狙っているのはおまえで自分は巻き込まれたと言い出す。真相がわからないまま、ジリジリと時間だけが過ぎて…。
不条理な恐怖にさらされ、友情も良心も消えてエゴイズムだけが浮かび上がってくる人間の心理を、平凡な田舎道だけを舞台に描き切った。淡々とした映画が多い中、正面からドラマに取り組んだ作品。

1995年/8ミリ/カラー/17分
監督・撮影・特殊効果:西山幸雄
脚本:根元歳三 音楽:河合大輔、西村健作 編集:西山幸雄、根元歳三
出演:小澤義明、根元歳三、西山幸雄、林 弘城

『メリーちゃんが行く』

監督:大園玲子

みんな、メリーちゃんに続け!
メリーちゃんという女の子がいました。前向きで無邪気でちょっぴりセンチな、よくいる明るい女の子です。でも1つ他の人と違うのは、彼女は全身青いことです。でもメリーちゃんは平気です。彼女を暖かく愛してくれるカキツバタ君というボーイフレンドも、メリーちゃんが自分で決めた立派な両親もいるから。今日もメリーちゃんは、カキツバタ君と待ち合わせてデートします。カキツバタ君も幸せです。
ギャグやパロディではなく、「女は素直で明るければきっと包み込んでくれる人がいる」という監督の意図がそのまま、幸福感あふれる画面になった。ごく自然なメリーちゃんをつくったセリフのセンスも抜群。

1995年/ビデオ/カラー/8分
監督・脚本:大園玲子
制作:小森康仁、川田晃一 撮影:戸田総申 録音:渡辺桂子、清田貴代 音楽:清水直行 編集:大石麻紀子 記録:梶山朋子、正司菜穂子 MIX:戸田総申、中村孝久 衣装:嬉野温子
出演:羽生佳史、中村孝久

『桃色ベビーオイル』

監督:和田淳子

大きくなったらどうしよう。
1人暮らしを始めたばかりの二十歳の私。その頭に浮かぶ、さまざまな「○○になったらどうしよう」。「あの雲が落ちてきたらどうしよう」「おうちがわかんなくなったらどうしよう」、子供っぽい空想をつぶやいていた「小さ過ぎる私」は、次第に1人の部屋で「大きく」なって、「(彼のペニスが)大きくなったらどうしよう」と妄想する1人の女性へ変化していく。
鏡に語りかけているような“私”の世界。その詩のような呪文のようなモノローグも印象的だが、女性の身体のなだらかな美しさを、ワンルームマンションの中だけでオブジェのようにフレームに収めた映像センスも特筆もの。

1995年/8ミリ/カラー/17分
監督・撮影:和田淳子
撮影助手:白尾一博
出演:余語美砂子、青山玲子

ページ上部へ