アンゲルス

監督:ウィルソン・ブルバノ

自分の死を自分で弔う民族。

1人の男が柩をかついで歩いている。歩が止まったのは墓穴。男はかついできた柩を穴に埋めると、自分がその中に入って横たわった。閉じられた柩には、誰の手によるものなのかパラパラと土がかけられる。同じ頃、男のものと同じ柩がいくつも、ひっそりと海に流されていく。
おそらく高い文化をもたないと想定される主人公たちの、自分の生と死に対する儀式は、シンプルと神聖の極み。それを静かに追うカメラは、本当にこうした習慣があるのでは、と思わせる力を持つ。美しく悲しい詩のように死を描いた作品。

  • 1994年/11分/パートカラー/video
  • 監督・制作・脚本:ウィルソン・ブルバノ
  • 撮影:アリ・シハリ 音楽:マクシム・トレファン
  • 出演:アレヘミロ・ガメス、バルハット