中尾広道監督の『おばけ』が最高賞受賞!ペドロ・コスタが絶賛するスペインの新しい映画祭「フィルマドリッド」で快挙

映画祭ニュース

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6月9日から13日までスペインで行われた国際映画祭、フィルマドリッド(FILMADRID)のコンペティション部門にて、中尾広道監督の『おばけ』(PFFアワード2019グランプリ作品)が最高賞を受賞しました。

日本映画が同賞を受賞するのは、史上初の快挙となります。

昨年、フィルマドリッドは新型コロナウイルス感染症感染拡大防止のため中止となりました。
「来年必ずリアル上映に、再び『おばけ』を招待します」という映画祭側の熱いメッセージの通り、リアル上映となった今年、2年越しの要望に応えて『おばけ』がコンペ部門で、そして短編作品『風船』(PFFアワード2017入選作品)もあわせて上映が決定しました。




★フィルマドリッド 審査員総評

「審査員全員が、この作品に驚嘆した。ノミネート作品のすべてが素晴らしかったが、『おばけ』は際立って注目すべきユニークな作品だと全員一致した」

★フィルマドリッド プログラマー ハビエル・エストラーダ氏より

「この作品の放つ感受性に大変感銘を受けました。それは人とのつながりを通じて物ごとについて我々が持つ常識的な概念を超えるもので、映画祭チーム一同、深く心動かされました。星のささやき、何気ない会話、はっとするようなファンタジーが温かさと輝きをもって表現されている。こんなに強烈でパーソナルな映画作りがなされている様子を見る機会はなかなかないでしょう。引き込まれるようなテンポと細やかで繊細なこの作品の美学に私たちは深く感動しました。」

★フィルマドリッド 公式ツイッターより

「中尾広道監督の『おばけ』は、創造のプロセスがどんなに複雑であっても、常に映画があり、常に天国があるということを、ユーモアを交えて私たちに確信させてくれました。」





そして、中尾広道監督から喜びのコメントが到着しましたのでご紹介します。



「文化や価値観の違う国で作品を評価していただいた事は喜びと共に興味深くもあります。まして自分の訪れてみたい国であればその思いはひとしおです。どのあたりが審査や評価の対象になったのか?また現地のお客さんの反応はどうだったのか?色々な国の方との交流こそが映画祭の醍醐味ですが、今回は現地参加が叶いませんでした。とはいえ、『おばけ』をよりよく楽しむためにと『風船』を併映していただいたり、ロングインタビューをしていただいたりと、出来うる限り最善の形で上映していただいたフィルマドリッドにはただただ感謝しかありません。受賞のみならず、これまでのやり取りも全て含めて感謝しています。目下制作中の新作でもまた当映画祭に参加できるよう励みます。関係者の皆様本当にありがとうございました。最高の気分です!」




フィルマドリッドは、2015年、当時30代の映画評論家や大学の教員の有志らが創設。
第一回目のオープニングで、ポルトガルの巨匠ペドロ・コスタ監督の『マネーホース』を上映し招かれたコスタ監督が映画祭スタッフの熱意に感銘を受け、この情熱と希望とセレクションのセンスの素晴らしさを各国で大絶賛!!以来、映画祭は成長を続け、公的な支援も受け継続されるようになりました。
また、フランスのカイエ・ドゥ・シネマの記者アリエル・シュヴァイツァーも、「マドリッドの町に見逃してはならない映画祭ができた。 この映画祭は、 野心的で豊かなプログラムを見せてくれる」と激賞しています。




『おばけ』は、PFFアワード2019でグランプリを受賞後、PFFが海外窓口となり世界への紹介を続けています。
これまで、韓国・全州国際映画祭やオランダ・カメラジャパンなどでも上映され、各地でファンを増やしてます。

今回の受賞を受け、第43回ぴあフィルムフェスティバルでの記念上映も企画中です。
ご期待ください。


◎第43回ぴあフィルムフェスティバル

【日程】2021年9月11日(土)~25日(土)※月曜休館
【会場】国立映画アーカイブ(東京都中央区京橋3-7-6)

コンペティション部門「PFFアワード2021」は、7月上旬、公式サイトにて入選発表!