梅本洋一さん・寺島咲さん・橋口亮輔監督・群青いろ
また人物羅列のタイトルになっております。
梅本洋一さんの訃報は驚愕でした。
「カイエ・デュ・シネマ・ジャポン」とも、「nobody」とも、横浜国立大学とも深い関わりはない私ですが、その「映画を信じて自分の力を信じて進め」という薫陶を受けた方々を多く存じておりますし、「映画は判ってくれない」の影響力も感じております。そして、20世紀終盤の日本に、映画が素晴らしいものであることを、最も強く示された方であったことも存じており、深く考えるところがあります。
道を示してきた方々の訃報が続きます。
珍しい方からの電話には「今度は誰・・・」と脈拍が乱れがちな今日この頃です。
大島渚監督が、同時代を併走した映画評論家の佐藤忠男さんを評して、「若い監督たちは自分にとっての佐藤忠男を持ったほうがいい」とおっしゃったそうですが、同時代を併走する映画評論家として、今、この時代の監督たちは誰を持つだろうか。
先日来日されたレオス・カラックス監督(『ホーリー・モータース』は既に私の本年度ナンバーワン!と思う)が、学生へのマスタークラスに於いて、映画監督として一番大切なこととして、「自分にとってのケンゾー(堀越謙三プロデューサーのことですね)をみつけること」と教えたように、共闘するプロデューサーをどう持つのか。
21世紀の新たな、映画監督とプロデューサーと映画評論家の関係が、すでに始まり息づいている、その姿を早くどんどん紹介していきたいと改めて思います。
ただいま、閉館を迎えるシネパトスで公開中の『インターミッション』に、PFFスカラシップ作品『水の花』の主演にお迎えした寺島咲さんが出演されています。
『水の花』では、まだ中学生だった寺島さんが、ここで、すばらしくうつくしい女優となって驚異的な女性を演じています。
ため息が出ました。
少女から大人へと花開くとき・・・・という常套句が、初めて文句なく納得できました。
『インターミッション』
失われる映画館にオマージュを捧げ、その場所を舞台に紡がれる映画。
個人的に、中川安奈さんの独自の存在感にも、ものすごく胸躍る作品でございます。
更に、監督の樋口尚文さんの8mm作品をオールナイト上映する週末を組むそうで、行かねばと睡眠時間のやりくりをする私でした。
スカラシップ作品に出演いただいた若い女優では、満島ひかりさんも、舞台『百万回生きた猫』で、大島弓子さんにみてもらいたい、『綿の国星』チビ猫実写版とも言える白猫に変身していました。
美しかった・・・
満島さんには、偶然先日ぴあ社内でお会いしました。別部署の企画で来社されておりました。
相変わらず、華奢で頭が私の四分の一の大きさしかない。
女優さんやモデルさんに遭遇するたびに思う「生まれついての骨格が違う」感。いやはや「すごいな~」とドキドキ眺めるばかりです。
先日は、ぴあで、朝から監督たちとのミーティングが重なりました。
この公式HPでもご紹介している『粗谷物語』の蔦哲一郎監督。
遂に完成した『粗谷物語』を拝見したのですが、ものすごいのです。
製作から公開まで、自分の力でやりたいという蔦監督ですが、公開に際しては、プロの力も入ると更にいいのではないかなあと思え、今後の試写案内の相談をしようとしています。
配給・宣伝にかかわる皆様、『祖谷物語』試写案内ありましたら、この若き監督の力になっていただけたらと思います。
橋口亮輔監督。
新作、『ゼンタイ』の長編と短編が完成しました。
一昨年来、自主映画の審査員や、ワークショップでの映画製作などに積極的に参加されてきた橋口監督。
何をするにも全身全霊で打ち込む愚直とも言える(言いません)橋口監督と、若い俳優さんたちの力が融合する『ゼンタイ』は、胸に迫る瞬間が多すぎる力作。
特に長編は、俳優さんたち自身のエチュードを元にした短編集となっており、その、あまりにも鋭い会話の応酬に、まいってしまうのでした。
「製作過程で、明らかに男と女の差を感じた」という橋口監督の話も面白かったのですが、その日、最後にミーティングした「群青いろ」のおふたりに、その話をしたところ、彼らも現場で同じことを感じていたということに、色々と思うところがありました。
群青いろ。
高橋泉監督と廣末哲万監督の映像ユニット。
4月6日からテアトル新宿で開催するイヴェント「ルネッサンスPFF」で、いよいよ特集が実現します。
ただいま、その会場での販売を前提にした、本邦初の群青色オフィシャルパンフを製作中です。どうぞお楽しみに!
来週は、20日にアテネ・フランセ文化センターにて、同センターと共催で『世界映画地図』という上映と講義のイヴェントを行います。
講師としてお迎えするのが、明治学院大学で教鞭をとる、門間貴志さん。博覧強記です。当日は、たまらなく面白い映画の歴史を伺える予定です。
そして来週末は、『ミューズ・シネマ・セレクション 世界が注目する日本映画たち』。8作品上映中、7作品に監督が来場いたしますので、どんどんいろんなことを聞いてみてください。。
特に『KOTOKO』は、塚本監督が「これが最後のイヴェント上映」とおっしゃるように、スクリーン上映もトークも、もう機会がなさそうです・・・
「世界が注目する日本映画たち」が終了すると、香港国際映画祭に参加します。
本年は、コンペ部門の審査員としての参加になりました。
何故なら、10年ぶり?という感じで、PFF作品がコンペ出品させていないから・・・これって、残念なニュースなのですが、「PFF作品がないので、審査員をやってもらえないか」と言われ、複雑な気分でありつつお受けしました。
浴びるほど世界最新の映画をみてきます。
香港から戻ると、テアトル新宿での「ルネッサンスPFF」企画が2週間始まります。
ただいま事務局では、初日オールナイトに向けて、8mm映写機のオーバーホールはじめ、多彩な準備を行っております。
20世紀から21世紀への映画の変遷をまのあたりにできる「ルネッサンスPFF」
是非1プログラムでもお越しください。