タイトルを間違っていました
前回のブログで書いたまほろ駅前多田便利軒のテレビシリーズタイトルは「まほろ駅前番外編」でした。失礼しました!監督&脚本も楽しいですし、柴田剛監督によるタイトルバックもいかしてます。
テレビ関係では、現在、NHKでオンエアされている1分間のドラマシリーズ「ブラウン・カーン」。鈴木卓爾監督が脚本を書いているということでいくつか録画を拝見したのですが、これまた無茶苦茶面白いです。
1分だから、60話で1時間・・・まとめてみたいものです。
*NHKアーカイヴ画像が多用されていますので、オンエアでしかみることができないのかもですが・・・
さて、やっと話はベルリン国際映画祭へ。
『くじらのまち』上映とそれに伴う鶴岡監督はじめキャストやスタッフの方たちの参加があり、みることの出来た作品はそれほど多くなかったのですが(レトロスペクティブ部門で、サークとパウエルの未見作品をみることができました!)、今回は、ベルリン参加者とのミーティングや、ベルリンで『くじらのまち』をみたプログラマーからの滞在中の映画祭招待など、「人の多く集まるベルリン」ということを妙に実感した年となりました。
とても好評なのを感じた『くじらのまち』なのですが、しかし、監督が参加した3回の上映のうち、2回「上映後の質疑応答に全く質問が出ない」という、20年に渡るベルリン参加史上初めての体験をして驚きました。しかし、大変多くの観客が、最後まで残っておられるし、ものすごく暖かい雰囲気なのですが・・・
質問が出ないときは、PFFもそうですが、司会進行担当者が、質問をして時間がすすみます。今回も、2回はその形式ですすみました。また、どちらの回も、上映終了後には、監督のまわりに観客が集まってきはするのです。
ドイツ人の映画祭関係者によると、他にも質問の出ない回に遭遇したそうで、その映画はドイツ映画。あれほどディスカッションの好きだったベルリンの観客なのに、変化しつつあるようです。
もうひとつ、大きな変化を感じたのは、日本映画に集まる日本人観客の減少です。
昨年までは、日本映画には、在ベルリンあるいはヨーロッパ在住の日本人が集まる傾向にありましたが、今年はあまり姿を見ませんでした。
現地在住の日本の方によると、この1年、日本人は「有名人がくる」イベント以外、出かけてこなくなったという話で、かなり驚きました。何が起きているのか、もっと知りたくなる話です。
お土産コーナーの長蛇の列や、上映会場の盛況ぶりをみると、新しい観客層も増えてるようで、活気を呈するベルリンですが、少しづつ変化が進んでいるのだろうなあと感じます。と申しましょうか、20年通っていても、まだ、この映画祭を完全に把握してないぞと知るばかりです。
大きいぞベルリン国際映画祭!
私は一貫して映画祭事務局の発行してくださる「映画祭パス」しか取得していないのですが、この映画祭には(カンヌもそうですが)、マーケットパスや、プレスパスがあり、複数のパスを持って上映参加可能作品を綿密に組み合わせ参加する人も多い。(私もそういえば、カンヌではそうしてました)
たとえば、コンペ作品は、プレス上映(とドイツ語作品)は英語字幕付きですが、他は基本ドイツ語字幕付き上映。プレスパスを持ってプレス上映に行くか、マーケットパスを持ってマーケット上映に行くかするのが、英語字幕つきでみるための常識です。
そして、昨年から、ベルリン映画祭は各国新聞からの特派員招待を始めたので、現在、ベルリン初参加の記者さんたちも多くいます。
「初参加」だと、何がここで起きているのかを把握することも大変な労力で、ものすごく慌ただしく日々が過ぎていくのではないかなあ・・ある映画祭には、その変化を知るためにも一定期間通うことで、余裕ある視点が得られないかなあ・・・と余計な心配をしたりして、すいません。
さっきから、「英語字幕英語字幕」といってますが、英語字幕がますます主流な映画祭世界。
そして、今回「航空業界も英語世界だよな~」と感じたことがありました。
鶴岡監督の帰国便が、出発前夜に「キャンセルになったので追って連絡します」とさらっと英語でご本人にメイル来たのです。
しかし、待てど暮らせど連絡はなし。
時差のおかげでまだ昼間だった日本で、PFFの海外担当スタッフに航空会社にコンタクトしてもらい、航空券の振り替えに成功しましたが、「こりゃ、監督ひとりで何もかもやってきてる場合はどうなってたかな~」と想像してしまいました。
まず、英語がわかり、ネットや電話で手続きを行い、などの作業ができることが必要。インターネットの世界では、ますます英語はできないと進まないことが増加しているような・・・
今回は無事帰国となりましたが、最悪の場合を想定した準備は、いつでもどこでも必要ですね。
飛行機といえば、昨年、「来年にはもう新国際空港使用になるから、今年が最後だね」と映画祭のドライバーと話したテーゲル空港は、今年もしっかり使われておりました。
何故なら、新国際空港の完成前点検で、消火器系統の不備がみつかり、オープニングを遅らせる事態になったから。
その工事には、最近「数年あるいは5年くらいが必要」という話となり、来年もまたテーゲル空港に着くのだなあと・・・と思いながら去りました。
消火器とか火災といえば、昨日までおりました京都では、防火の標語が目につきます。
先日火災に見舞われた神田の「藪そば」。人生で5回くらいしか訪れたことがないのですが、注文を詠いあげる声がとても気持ちのいい多彩なつまみのおいしい、素晴らしい空間で、たまたまベルリン出発前に訪問していたので(なんとなく、蕎麦屋か寿司屋に行きたくなる海外渡航前)、一層身にしみました。
京都の方に、「京都で言えば、どこが火災になったという感じなのかしら」と問われ、「柊屋さんとか、瓢亭さんとか、そのくらいのショックだったと思う」という話をしました。
京都を歩くと、「戦禍がなければ、全国に落ち着いた街並みがまだ残っていただろうなあ」と、しみじみします。建築基準法からも、今、昔の家を建てるのは難しいでしょうし、ベルリンはじめ、帰途立ち寄ったイギリスにもある、意地でも昔のままを再現しているヨーロッパの家をみると、日本の木造建築の難しさを改めて知るのでした。
そう。イギリスに3年ぶりに乗り換えついでに立ち寄ったのですが、ベルリンでも、ロンドンでも、一番の驚きは、「食の向上」かもしれません。
特にイギリスは、スーパーの出来合い惣菜の味も大幅アップ!欲しいもの、食べてみたいものの急増加に息をのむかんじです。食に重きをおきがちな私にとって、北ヨーロッパは昔はあまり楽しみのない土地でしたが、今は、そのイメージに「ごめんなさい」と謝罪です。
どんどん映画から話題が離れておりますので、ついでにもうひとつ。
海外への手土産を、毎年新たに発見したものにしようと考えております。
できれば、重量が軽くて美味しいものをみつけて、と。
昨年は、「十火」の不思議なあられ。今年は、山形の「nan jo da be」という最中クッキー。これ、ちょっとすごいですよ。各所で好評です。