「OFF THEATER FILM FESTIVAL '79」と名称を改め、コンクール部門を「一般公募部門」とし、大島渚監督らプロの映画人に審査員を依頼する審査システムが始まる。
また、スピルバーグ監督の「アンブリン」、ジョージ・ルーカス監督「THX 1138=4EB」など、貴重なアメリカの学生映画を特別上映。
PFFセレクションとして黒沢清、石井聰亙ら過去の入選監督作品のプログラムを組み、また第8回PFFスカラシップ作品「この窓は君のもの」の完成披露上映を行う。この年の招待作品の中には、'97年「萌の朱雀」でカンヌ映画祭カメラドール賞を受賞した河瀬直美監督の初フィクション作品「白い月」もあった。
この年、PIA FILM FESTIVAL OFFICIAL NEWS PAPER "INDEPENDENT"の発行開始。
東京国立近代美術館 フィルムセンターにて2回目の開催となる第32回PFF。メインプログラムのコンペティション部門「PFFアワード2010」は、入選16作品の中から7作品が各賞を受賞。招待作品部門では、「こわくない!!はじめての若松体験」と題した若松孝二監督の特集をはじめとして、「ジョン・カサヴェテス監督特集」、韓国の「イ・サンウ監督特集」、「日本映画新作プレミア上映」や「短編スペシャル」など、新旧のインディペンデント精神溢れる作品を網羅。特に、若松孝二監督特集は、東京の前夜祭として最新作『キャタピラー』を特別上映し、満席のなか監督、主演の寺島しのぶさん、大西信満さんによるトークを行い、大きな反響を呼ぶ。続く10日間で、未ソフト化の初期の傑作を上映する他、“My Best Wakamatsu”と題して、若松監督が指名した石井岳龍(聰互)、瀬々敬久、阪本順治の3監督が若松映画のMy Best Oneを選び、その創作の源泉を辿る特別プログラムを実施。特集の最後は、発掘されたデビュー作品『甘い罠』のシークレット上映も達成した。「日本映画新作プレミア」では、荻上直子監督の『トイレット』、鈴木卓爾監督の『ゲゲゲの女房』、瀬々敬久監督の5時間に迫る大作『ヘヴンズ ストーリー』など、注目作品の上映が続き、監督、出演者による舞台挨拶などと共に、賑やかなプログラムとなった。また、「短編スペシャル」では、山村浩二講座、平林勇講座を開講した他、鈴木卓爾監督、矢口史靖監督による短編プロジェクト「ワンピース」の最新作をトークと共に紹介するなど、連日ゲストが来場。ロビーで観客の皆さんと交流する姿が印象的な映画祭会場となった。
コンペ部門「PFFアワード2011」は、入選17作品を上映。招待作品部門では、エルンスト・ルビッチとタル・ベーラを取り上げた「BLACK and WHITEの誘惑」や、岩井俊二監督や河瀬直美監督が、長谷川和彦監督に質問したり、黒沢清監督が廣原 暁監督に個人レッスンしたりした、映画のつくり方を学ぶ企画「映画のレッスン」を開催。また、石井裕也監督の最新作「ハラがコレなんで」の上映も行った。
名古屋会場では、特別企画として2011年12月に急逝された森田芳光監督の貴重な8mm自主映画も上映した。