清原惟監督『すべての夜を思いだす』ベルリン映画祭に正式出品決定。初長編から2作品連続で選出の快挙!
2月16日~26日(現地時間)にドイツで開催される、第73回ベルリン映画祭のフォーラム部門に、第26回PFFスカラシップ作品『すべての夜を思いだす』(清原惟監督)の正式出品が決定しました。
清原惟監督は、「PFFアワード2017」でグランプリを受賞した初長編映画『わたしたちの家』が、2018年の第68回ベルリン映画祭の同部門でも上映されており、ヴェネチア、カンヌと並ぶ世界三大映画祭のひとつベルリン映画祭で、初長編から2作品連続で上映されるという快挙を成し遂げました。
しかも、フォーラム部門は4年前に運営メンバーが交代となり、今回セレクションで清原監督作品に初めて触れることになった選考メンバーの面々でしたが、「選考メンバーの全員一致で招待が決まった」とのこと。同部門ディレクターのクリスティーナ・ノード氏から、早くも絶賛の声が届いています。斬新な視点を提示する新進の映像作家たちを紹介する、ベルリン映画祭のフォーラム部門において、2月にどのような反応が出るか期待が高まります。
<清原惟監督コメント>
『わたしたちの家』で初めて呼んでいただいた国際映画祭であるベルリン映画祭で、再び上映できること、とても嬉しく思います。
一日の小さな旅の映画が、そのゆっくりとした歩みで海のむこうへと
旅立っていくのを、楽しみに見守りたいです。
<海外からのコメント>
ベルリン映画祭フォーラム部門ディレクター
クリスティーナ・ノード氏
冒頭のカットから、これは特別な映画だ、と直感しました。
3人の女性の一日を、離れたところから、ゆったりと見つめる。
その「場所」の素晴らしさにときめきながら、一緒に歩いていく。
『すべての夜を思いだす』は、眩しく、優しく、時に爽やかな風が通り抜ける
あの夏の日、のような映画です。
クリチバ国際映画祭(※『わたしたちの家』がグランプリを受賞したブラジルの映画祭)プログラマー
アーロン・カトラー氏
感動しました。
極めて微妙なニュアンスと繊細さをもって、説明せずとも人々に深い共感を呼び起こすことに成功していることに。
ずっと、ロベルト・ロッセリーニのこと、そして、歴史は常に我々を取り巻いている、ということを感じていました。
<『すべての夜を思いだす』作品情報>
ぴあフィルムフェスティバル(PFF)が製作から劇場公開までをトータルプロデュースする長編映画製作援助システム「PFFスカラシップ」の第26回作品として制作されました。
専任プロデューサーと共にじっくりとつくり上げられた本作は、劇場公開に向けて準備中です。
『すべての夜を思いだす』 2022年/カラー/116分
監督・脚本:清原 惟
出演:兵藤公美、大場みなみ、見上 愛、内田紅甘、遊屋慎太郎、奥野 匡
撮影:飯岡幸子/照明:秋山恵二郎/音響:黄 永昌/美術:井上心平/編集:山崎 梓
世代が違う女性たちの一日の断片が響きあう
多摩ニュータウンですれ違う三人の女性たち。誰かにとって大切な記憶が、ほかの誰かの一日と呼応する。街に積み重なる時間の痕跡に触れ、小さな変化が起きていく、ある一日の物語。
(C)PFFパートナーズ=ぴあ、ホリプロ、日活/一般社団法人PFF
<前作『わたしたちの家』の海外での評価>
前作『わたしたちの家』は、ベルリン映画祭での上映を皮切りに、世界18の海外映画祭で上映。クリチバ国際映画祭(ブラジル)でグランプリ、上海国際映画祭「Asian New Talent Award」部門(中国)で最優秀監督賞を受賞、世界中で大反響を呼び、佐々木敦さんが主宰する音楽レーベルのHEADZが初めて映画の配給宣伝を手掛けたことで話題となった日本公開時も、黒沢清監督、アピチャッポン・ウィーラセタクン監督らがその才能を絶賛するなど、高い評価を受けています。
また昨年、アジア最大の規模を誇る釜山国際映画祭(韓国)で、注目の次世代日本人監督10名の作品を上映する特集「Discovering New Japanese Cinema」に選出。現在『ケイコ 目を澄ませて』が公開中の三宅唱監督や、2022年のベルリン映画祭でアムネスティ国際映画賞のスペシャルメンションを授与された『マイスモールランド』の川和田恵真監督らと共に紹介され、制作から5年を経た現在も、高い関心を持たれています。
★「PFFアワード2023」作品募集。受付期間は2月1日(水)~3月23日(木)!高校生、中学生作品も大歓迎。