「第42回ぴあフィルムフェスティバル」コンペティション部門「PFFアワード2020」入選作品発表!

映画祭ニュース

3月から約4か月に及ぶ審査を経て決定した、「PFFアワード2020」の入選作品を発表します。

入選作品は、9月12日(土)から国立映画アーカイブで開催する「第42回ぴあフィルムフェスティバル」で各作品2回ずつ上映され、9月25日(金)に行われる表彰式にて、最終審査員らにより各賞が発表されます。






■「PFFアワード2020」入選発表にあたり

PFFディレクター 荒木啓子 



4か月に渡るセレクションを経て、ここに入選17作品を発表できること、そして、9月の第42回ぴあフィルムフェスティバルの開催と、そこでのスクリーン上映をお伝えできることを嬉しく噛みしめています。
本年の17作品は、例年同様、短編、中編、長編と混在しています。監督のバックグラウンドや年齢もばらばらです。結果的に「映画祭」という、できるだけ多彩で多様な映画を紹介する場らしいラインナップとなったことと同時に、皆様には是非全作品をご覧いただき、2019年から2020年に生まれた映画、という“時代”も体感していただければと願ってやみません。

PFFアワードのセレクション・メンバーは、作品を観て、語ることに情熱を惜しまないひとびとで構成されます。私自身はコロナ禍で初のZoom会議となった一次審査会議で話題にあがったすべての作品を拝見し、空調・距離・消毒を徹底して集合した二次審査会議で2日間重ねた討議のなかで、各人が推薦を熱く語った作品たちを重ねて拝見し、入選作品を決定するのですが、本年も<コンペティション部門PFFアワードプログラム8枠>という時間の制限のもと、僅差となった作品を、まずここにご紹介したいとおもいます。

※作品名50音順
『くるまれて』の優しさ、『暗い部屋の記憶』の映画への憧れ、『気をつけて洗わない』の他にない距離感、『杭を打て』と『そして、母になる』のやりたいことが明確な清々しさ、『ジビエ』の身体を張った創作熱、『初仕事』の独創性、『Muito Prazer』と『なぜ今私はここにいる』の切実さ溢れる言いたいことへの覚悟、『判子』の青春の痛み、『緑』の恋愛という曖昧なものの描写の成功、『夜のそと』の堂々とした風格と細部まで目の届いた繊細さ、『ライフ オブ スカイウォーカー』の軽妙な科白まわし、などは、特に熱く語られました。

映画を志しておられる人々の厚い層に、本年も圧倒され、感服する時間をいただきました。
ご応募、誠にありがとうございます。
第42回ぴあフィルムフェスティバル会場で、皆さまのご来場をお待ちしております。






■「PFFアワード2020」入選作品

※作品名50音順。上映時間、年齢、職業(学校名)は応募時のものです。


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『アスタースクールデイズ』38分

監督:稲田百音

(18歳/東京都出身/成蹊高等学校)



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『霞姫霊異記』57分

監督:高階 匠

(31歳/東京都出身/映像制作会社勤務)



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『こちら放送室よりトム少佐へ』10分

監督:千阪拓也

(22歳/兵庫県出身/日本大学 藝術学部)



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『頭痛が痛い』131分

監督:守田悠人

(22歳/愛知県出身/酒屋アルバイト)



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『タヌキ計画』41分

監督:チェ・ユシン

(24歳/台湾出身/東放学園映画専門学校)



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『追憶と槌』8分

監督:金井啓太

(25歳/東京都出身/東京藝術大学 映像研究科メディア映像専攻)



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『遠上恵未(24)』26分

監督:遠上恵未

(26歳/東京都出身/ENBUゼミナール 映画監督コース)



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『パンク』44分

監督:鈴木順也

(31歳/神奈川県出身/横浜シネマ・ジャック&ベティ勤務)



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『Fear of missing out』36分

監督:河内 彰

(32歳/兵庫県出身/会社員)



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『フィン』36分

監督:小池 茅

(26歳/東京都出身/会社員)



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『冬のほつれまで』67分

監督:多持大輔

(24歳/茨城県出身/武蔵野美術大学大学院 造形研究科)



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『へんしんっ!』93分

監督:石田智哉

(22歳/東京都出身/立教大学 現代心理学部)



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『MOTHERS』63分

監督:関 麻衣子

(22歳/東京都出身/日本映画大学)



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『未亡人』54分

監督:野村陽介

(23歳/埼玉県出身/東京藝術大学 美術学部)



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『もとめたせい』30分

監督:矢部 凜

(22歳/滋賀県出身/京都造形芸術大学 芸術学部映画学科)



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『屋根裏の巳已己』102分

監督:寺西 涼

(24歳/神奈川県出身/清掃員アルバイト)



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『LUGINSKY』63分

監督:haiena

(42歳/東京都出身/フリーランス)







■1次審査通過作品

※作品名50音順。



『あなたたち』(監督:市川昂一郎)
『いつもなにかの儀式のために』(監督:関 瑠惟)
『Innocent (In All Senses)』(監督:佐久間啓輔)
『ウサギとそば』(監督:羽蚋拓未)
『回帰の波に青い飛沫、浮かぶ故郷への帰路はアスファルトに消えた。』(監督:菊沢将憲)
『気をつけて洗わない』(監督:杉山裕紀)
『杭を打て』(監督:村上創紀)
『暗い部屋の記憶』(監督:鈴木知史)
『くるまれて』(監督:遠竹真寛)
『ZACO』(監督:渡部健人)
『さつ人テディベアーたん生のひみつ』(監督:生地遊人)
『サファイア』(監督:橋本根大)
『暫』(監督:小沼真也)
『ジビエ』(監督:小島 翔)
『stay』(監督:藤田直哉)
『ソゴニイギル』(監督:秀 圓)
『そして、母になる』(監督:加藤はるか)
『立入禁止』(監督:郭 東勛)
『勃つ男~bokki~』(監督:山田耕平)
『脱獄日和』(監督:神戸竜馬)
『とうめいな生き物たち』(監督:高山康平)
『遠き日の夢』(監督:志自岐希生)
『中川さとし』(監督:桐村尚実)
『なぜ今私はここにいる』(監督:yuan shuohan)
『ニュークリアウォーター』(監督:今野裕一郎)
『白昼夢』(監督:横道史織)
『初仕事』(監督:小山駿助)
『判子』(監督:中島 悠)
『見えない糸』(監督:宇代航希)
『緑』(監督:青石たろう)
『ミュジック こどもたち』(監督:槇島悠真)
『Muito Prazer』(監督:朴 正一)
『羊水』(監督:小塚 昇)
『夜下がりの時間』(監督:廣瀬萌恵里)
『夜のそと』(監督:中川奈月)
『ライフ オブ スカイウォーカー』(監督:小林哲也)
『レイディオ』(監督:塩野峻平)
『ROLL』(監督:村瀬大智)
『ワクラバ』(監督:難波弘二)






■「PFFアワード2020」セレクション・メンバー

※敬称略。50音順。



荒木啓子(PFFディレクター)
大久保 渉(ライター/編集者/パブリシスト)
小原 治(映画館スタッフ)
上條葉月(映画館スタッフ/字幕翻訳者)
木村奈緒(フリーライター)
久保田ゆり(PFFスタッフ)
長井 龍(レコード会社社員)
中野弘基(作曲家)
仲本拡史(映像作家)
中山雄介(PFFスタッフ)
新谷和輝(ラテンアメリカ映画研究者)
原 武史(レンタルビデオ店スタッフ)
森川和歌子(映画人材育成事業スタッフ)
安川有果(映画監督)
矢部紗耶香(ライター/編集者)
山中瑶子(映画監督)






■入選作品/応募作品データ



<入選作品データ>
【入選数】17本
【年齢】平均:25.6歳 最年少:18歳 最年長:42歳
【男女比】男性(12本):70.6% 女性(5本):29.4%
【上映時間】平均:52.9分 最短:8分 最長:131分


<応募全体データ>
【応募数】480本
【年齢】平均:30.4歳 最年少:16歳 最年長:69歳
【男女比】男性(359本):74.8% 女性(121本):25.2%
【上映時間】平均:38.2分 最短:1分 最長:176分






「第42回ぴあフィルムフェスティバル」

【会期】2020年9月12日(土)~26日(土) ※月曜休館
【会場】国立映画アーカイブ


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「第42回ぴあフィルムフェスティバル」メインビジュアル