本日月曜はフィルムセンター休館ですが

第34回PFF、10日間の工程のうち、6日間が終了。
今日はフィルムセンター休館で、明日25日から、残る4日の始まりです。

この、「会期後半」に来ると、ただただ「あっという間に最終日」となるのが毎年の記憶。
手間暇かける料理とイヴェントは似ているなあ・・・と思う時があります。
世界中に最高の素材を手配して、それを干したり濾したり煮たり焼いたり、何日もかけて下ごしらえして、いざ料理にかかり、テーブルに出したら2時間でなくなる、というかんじでしょうか。とにかく、おいしくできて、心も満たすものになっていることを祈るのが、私たちの毎日です。

と「終了」の話をしている場合ではない!
まだまだ現在進行の緊張満載中!!なのです。

明日25日、PFFアワード6作品の上映をもって、コンペティション部門の上映がすべて終了です。
水曜26日は、マイケル・パウエルを大スクリーンで堪能する最後のチャンスとなります。
そして、金曜27日は、いよいよ、PFF史上初、ロックバンドのライブつき『世界グッドモーニング!』上映。朝からドキドキのリハーサルです。夜は、第22回PFFスカラシップ作品『HOMESICK』お披露目。映画祭プログラムのうち、自分のまだみていない作品を紹介する唯一の回となるスカラシッププログラムですから、一番緊張する時間です。
その夜があけると、28日は表彰式。
この日のことを考えてると胃が痛くなるので、当日まで、できるだけ頭をまっしろにしておきます。賞の発表は、授与する側も、受賞する側も、いろいろと複雑な気持ちになる時間です。

映画祭は、普通のロードショーと違い、つくり手に大きく焦点を当てる場所です。
トークは、本来なら表に出さなくていい創作の秘密を、あえて語っていただくことになるのですが、「聞く」という行為には、私自身が毎回、少なからぬ迷いとともにおこなっいる部分があります。
自分にとって、ほしいことと、客席におられる皆様にとって、ほしいことに、どのくらいの差があるのか、を探りながら進行するのですが、この情報に溢れる時代に、ライブならではのトークとは何か、悩まずにはいられないといいましょうか、そんな感じです。

今回は、個人的に、濃厚な体験をした2日間がありました。
22日、一昨日は、地下の小ホールで、激動の70~80年代を生き抜いてきた黒沢清監督から、現在の映画が置かれたポジションについていろいろ気づかされるお話を伺いました。
昨日23日の昼には故・森田芳光監督との40年前の映画制作に纏わる芦澤明子撮影監督のお話で、「映画、映画、映画」の人生について改めて考え、
夜は若手のホープ、石井裕也監督とのトークで、再び、現代の状況について想い、
同時に、2階の大ホールでは、今を生きる、自主映画の監督やスタッフ、キャストとのトークに、映画の現在進行形を体感し、
奇しくも「自主映画の歴史を2日で駆け抜け、山のような課題をもらった」重い2日間となり、時間をかけて考え、整理したいと感じているのですが、さて、観客席にいたらどうだったのかをおもうと、色々と反省点があります。

と、開催中にそんなことを言ってる場合ではない!
つまるところ、自主映画の歴史と、映画の歴史が濃厚に絡み合っているということが、一番重い現実なのです。もうすでに、それは分けては考えれらない。
そこが、多くの課題を生んでいるのだなと。

そんなとき、園子温監督の自伝本が出るという話が。
タイトルは、『非道に生きる』
・・・・すごいなあ・・・
編集の方々から、「映画のような人生」が綴られているというお話を伺いました。
60年代生まれ、いえ、その前の、50年代生まれの監督を入れても、伝記の出版は初めてですよね。
なんだかものすごく感動しています。