PFFチラシ進行&爆音映画祭はじまる

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昨夜映画祭チラシが校了しました。
初校戻しをきれいなままで・・・・を目標にしましたが、ぜんぜんダメダメで、これまでの人生、初校に全く問題なく進行できた体験が、たった一度しかないことを悲しくかみ締めたのでした。
そしてHPも、早いアップを目指して格闘中。前売り券は、6月12日から発売。それまで、プログラムの細かい紹介をここで続ける予定です。(まず明日は、若松孝二特集の詳細をお伝えしたいと思っています)

チラシデザインは、ponyrideの塙さん。イキのいいのが登場しますのでご期待ください。
ポスターは、大島依提亜さん。原画は渡部満画伯。そしてこれから本格的に始まる映像制作は、吉野耕平さん、表彰式の映像は山岡信貴さん。レギュラーメンバーで、よりよい映画祭クリエイティブを目指します。
山岡さんは、新作映画『死なない子供たち』があります。
『死なない子供たち』
>>公式サイト

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先週お亡くなりになった荒川修作さんの三鷹天命反転住宅(左写真)を舞台にした作品で、山岡さんご自身がここに住んでおられます。一度しかお邪魔したことがありませんが、これが、素晴らしい。あんまり居心地がよくて、ものすごく長居してしまい、その後も暫く住みたい欲求が続き困りました。今思い出すと、やっぱり住みたい。天命反転住宅が、この『死なない子供たち』にどう撮られているのか、楽しみです。


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楽しみと言えば、今週末から始まる爆音映画祭。
主宰するboidの樋口さんから、デジタルの音調整の困難を伺いましたが、そうなのです。映画祭でも、デジタル作品の上映は、フィルムより遥かに困難だというのは、知られていない事実。
その困難なデジタル上映が多数ある今回の爆音映画祭。行きたいプログラム満載ですが、会場のバウスシアター・Theater2での関連イベントに登場する『スコット・ウォーカー 30世紀の男』上映に感動してます。
スコット・ウォーカー。60年代に人気だったウォーカー・ブラザーズのメンバー。知らない人はぜんぜん知らない、でも『ポーラX』でわかる人は多いかもの人。私にとっては、人生最初に「ロックを漫画にすることに成功してる・・・」と感動した水野英子の漫画「ファイアー」のモデルとなった人です。『スコット・ウォーカー 30世紀の男』は、ベルリン国際映画祭で最初に観ましたが、監督は若いアメリカ人。それまで何箇所かで上映するたびに、「スコット・ウォーカーを知ってる人いますか?」と質問してきたが、毎回数人しかいなかった、自分も良く知らなかった、と話してました。
制作出資者のひとりがデヴィッド・ボウイで、余裕のコメントを作中で述べてます。

ボウイといえば、昔イギリスのロック雑誌のインタビューで"夢は図書館のある家を持つこと"と言ってましたが、この映画でのコメント、自宅の図書館らしき背景で撮られており、「お!夢達成か?」と思いました(当たり前か)。同じころ同じ雑誌で読んだインタビューで、間もなく来日するダライ・ラマ(呼び捨てていいのか)の「ミルクティは、チベットのよりイギリスのほうがずっと美味しいですよ。あたりまえじゃないですか。あはははは」という言葉が、忘れられません。そのインタビュー全体から伝わる、ダライ・ラマの信じられないくらいリラックスしてて正直な感じが、他の人のインタビューになかったからです。その後、ロンドンのマダム・タッソー蝋人形館でみたダライ・ラマの人形に、これまた仰天。鼻毛と耳毛がふさふさしてて、笑ってて、蝋人形なのに、リラックスしてて「悟るってこういうこと?」とひどく感心したのでした。

話が逸れましたが、爆音映画祭では、カート・ヴォネガット作品の映画化では唯一の成功作と言われる『スローターハウス5』はじめとする大作の数々の中で(乱暴なくくりですいません)、3人の若い監督作品が上映されます。入江悠さんの『SRサイタマノラッパー』、瀬田なつきさんの『彼方からの手紙』、関連イベントで、製作中の『サウダージ』が話題の富田克也監督『国道二十号線』。最近、会う人たちの間で最もよく名前を聞く監督たちです。

爆音映画祭
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最後に、李相日監督の『悪人』がいよいよ完成しました。
吉田修一原作の殺人についての映画。主演は妻夫木聡と深津絵里。ものすごく楽しみです。

『悪人』
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