フライドポテトにマヨネーズ

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ロッテルダム滞在四日目の夜がやってきました。

あっという間に日が過ぎて、石井監督たちは帰国しました。

寒さは少し和らぎましたが、暖かい食事をひとりでとれる店が少ないのが不便な毎日です。

暖かいと言えるかどうか微妙ですが、ファーストフードとして人気なのは、ポテトフライ。みんな山ほどマヨネーズをかけます。

レストランでもマヨネーズ。この写真、ちっとも伝わらないかもしれませんが、ポテトとマヨネーズです。こちらのマヨネーズは味が薄いので、たっぷり必要なんでしょうが、凄いカロリーだわと人ごとながら不安。でも、滞在中に一度は食べちゃうジャンクです。



今日は、昨年中国で大ヒットした『南京南京』をプレス試写で観ました。二年前から北京在住の奥原浩志監督から「この映画を"映画"として人と話したいのに、何か否定的なことに触れると"日本人だから(否定したいん)だ"というリアクションになってコミュニケーションが止まってしまう。でもそこで必死に話そうとして、言葉が上達する効果があったかも」という冗談まじりのメイルをもらったときから色々想像してました。

私が中国語圏の映画祭で一番長く通っているのは香港国際映画祭で、もう二十年になりますが、ここでは南京関係のフィクションもノンフィクションもよく上映されます。八路軍兵士たちを描いた映画の特集などもたびたびありました。それらの上映会場に身をおくと、かなり辛いのも確かです。回りは日本と中国の戦争と、それに続く世界大戦の体験者やその子孫に囲まれているわけです。

が今日は、オランダの映画祭でそれもプレス試写会なので状況が違います。ちょっとゆとりをもって映画に入ることが出来、考えることができました。

実は昨日、ヨーロッパの映画祭関係者と話しをしていて、「JALの倒産やトヨタのリコールなど、まさか!なことが次々に起きるし、映画会社は色々危ないという噂が流れてくるし、日本はどうなっちゃたの?このまま対外的なイメージダウンが続けば、プロモーション上手の中国に負けちゃうよ!もっとうまくイメージアップしなくちゃ」と言われ、「え?日本と中国は"VS"な関係なの?」と改めて考えたのでした。

どうも日本は鎖国へ向かい、中国は広がりというふうに見えるらしい。

そんなことも思い出しながら、『南京南京』をみていると、この映画でもはしょられている、約70年前の日中戦争は「何故起こったのか」ということを知らなさすぎる私たちということに帰っていきます。パレスチナのように千年単位ではないけかもしれないけれど、これも充分長い歳月です。

南京の虐殺があったのかなかったのかではなく、それにまつわる映画が絶え間無く生まれてくるのは何故なのかを、映画関係者であり、かつ、国際映画祭では一種、国を代表すように話しかけられてしまうことになる私は考えてしまいます。



とか言いながら、十年二十年通っている映画祭のある街で、この数年一番気になっているのは、回転寿司屋の増加とそれらが行列になる盛況、そしてかつてガラガラだった日本レストランの満員ぶりだったり...「世界中が和食に目覚め旨い魚が日本に届かなくなる」という説が現実になっていく恐怖...いや、あまり人に言える話しじやないけれどほんとに凄い和食人気の定着です。普通にスーパーに巻き寿司セットが売られていて、みたこともないお箸が添えられているんです。このセットの写真は次回撮ることにします。