招待作品部門

青山真治監督特集

3月21日に逝去した青山真治監督(1964-2022)。8ミリ自主映画制作から助監督、監督へ。同時に、音楽家、小説家、舞台演出家、批評家と多才に活躍した、その膨大な仕事を網羅するには歳月が必要だが、PFFでは青山監督の初期ともいえる時期を彩る個性溢れる35㎜フィルム2作品を緊急特集する。劇場公開の機会の少ない作品でもあり、スクリーンでその才気を堪能してほしい。

11月23日(水・祝)14:30~
写真提供:読売テレビ

『私立探偵濱マイク 名前のない森』

2002年/日本/カラー/71分
出演:永瀬正敏、鈴木京香、大塚寧々
ベルリンで上映された映画版ロングバージョン

ある富豪から、自分探しセミナーに行った娘を連れ戻してくれと依頼を受けたマイクは、山梨の山荘へと赴く。そこには「先生」と呼ばれる女性と、互いを番号で呼び合う若者たちがいた。2002年ベルリン映画祭フォーラム部門出品。

Guest

仙頭武則

SENTO Takenori

1961年生まれ。カンヌ映画祭『萌の朱雀』(97)、『M/OTHER』(99)、『EUREKA ユリイカ』(00)、『UNLOVED』(01)の4作が受賞、ベルリン映画祭『独立少年合唱団』(00)、ロカルノ国際映画祭『豚の報い』(98)、バンクーバー国際映画祭『この窓は君のもの』(94)グランプリ(タイガー&ドラゴンアワード)、ロッテルダム国際映画祭『まぶだち』(01)がグランプリ(タイガーアワード)を受賞するなど、プロデュース作は世界12カ国の国際映画祭で100賞以上を受賞、デビュー作を数多く手がけ、47人の監督と60作品以上に及ぶ。他に『女優霊』(96)、『リング/らせん』(98)、『五条霊戦記GOJOE』(00)、『美しい夏キリシマ』(02)、TV版『私立探偵濱マイク』(02)、『接吻』(08)、『はだかのゆめ』(22)。青山真治監督とはデビュー作『Helpless』、『EUREKA ユリイカ』など7作品を制作。名古屋学芸大学教授/京都芸術大学客員教授。

11月23日(水・祝)17:30~
『路地へ 中上健次の残したフィルム』(C)スローラーナー/brandish
『路地へ 中上健次の残したフィルム』(C)スローラーナー/brandish
『赤ずきん』(C)Naoko Tamura

『路地へ 中上健次の残したフィルム』

2001年/64分

『赤ずきん』

2008年/35分
先達へのオマージュあふれる珠玉作たち

『アタラント号』(34年/J.ヴィゴ)のようにセーヌ川で舟を撮影してみるのも悪くない、と青山監督がパリ郊外のジュヌヴィリエで撮影した短編&作家・中上健次が描いた故郷の路地の風景を訪ねるドキュメンタリー。異色の二本立て上映を実現。

Guest

田村尚子

TAMURA Naoko

京都在住、写真家・アーティスト。「ヴュッター公園」主宰。写真集に『ソローニュの森』(医学書院)、『attitude』(青幻舎)、『タウマタ』(タカ・イシイギャラリー)など多数。PFF期間、映画『赤ずきん』の写真とインスタレーションを第五長谷ビル地下一階(烏丸・四条駅地下3番出口直結)京都建築映像祭プログラムにて開催。