◎コンペティション部門 PFFアワード2014

大事な人を亡くした時、人はどうそれに立ち向かうのか?

『彼は月へ行った』

THE SUMMER MOON
[2014年/19分/カラー]

監督・脚本・編集:藤村明世

撮影:山田星太郎/編集・助監督:中村麻理子/録音・プロデューサー:高橋宏文/助監督:松島里奈/プロデューサー:森川 保
出演:石津侑輝、天内千尋、小川向陽、長谷川優人、中村カズ

この映画のキーワード

  • 親友を亡くした中学生
  • トランシーバーから聞こえる声
  • ソフィア・コッポラのような繊細さ

セレクション・メンバーによる解説

親友・優一を亡くして他人に心を開かなくなった主人公・順は、子供時代に優一と遊んだトランシーバーでのアポロ通信ごっこを独りでいつまでもやっていた。ある日、また学校でこっそりトランシーバーで喋っていると、トランシーバーに謎の返信が…女の子の声だ。とまどう順だったが、やがてその声だけの少女に心を開いてゆく…。
月に行ってしまった(死んでしまった)親友とトランシーバーで交信を続けようとする主人公・順は、学校のプールの中という、ある種月世界にも似た無重力空間の中でついに親友の影と再会する。「なんで死んだんだよ!」この美しく切ないシーンを淡々と且つユーモラスに描いてゆく筆致は、23歳の若い監督ならではの切実さにあふれている。

文:小林でび(映画監督・役者)

監督:藤村明世 ふじむら・あきよ

1990年 東京都出身。明治学院大学文学部芸術学科映像芸術学系列卒業
若い頃にニューヨーク大学で映画を学んだ父の影響もあって、よく映画を観る家庭でした。3歳のときに観た『ホーム・アローン』で映画の虜になり、小学生のときには、将来、映画の仕事をすると決めていました。大学では映画理論が中心だったので、制作を学びたくて並行して映画専門学校に入り、実習作品として撮ったのが『彼は月へ行った』です。アポロ11号と地球の交信記録が書かれた本を読んで興味を引かれたこと。身近な人の死を経験したこと。そして、小さい頃トランシーバーでタクシーの無線などをキャッチして、近いけど遠い存在という不思議な感覚を味わった記憶。それらをひっくるめて、お話を作りました。今はフリーランスで映画制作の現場で働いています。今後も映画を作っていきたいことには変わりないですが、これからどうしようか、人生に悩んでいるところです(笑)。

繰り返し観ている作品
『メイド・イン・ホンコン』(97年/フルーツ・チャン監督)
最近観て面白かった作品
『PiCNiC』(94年/岩井俊二監督)
好きな映画監督
ソフィア・コッポラ
主役にしたい俳優
染谷将太

【フィルモグラフィー】
『タマ子と妹』(2014年/15分/カラー)、『彼は月へ行った』(2014年/19分/カラー)、『空色の花』(2013年/10分/カラー)

◎上映日程

  • 【東京会場】2014年9月14日(日) 11:30~ / 2014年9月18日(木) 15:30~ ※監督、出演者など来場予定。
  • 【京都会場】2014年12月16日(火) 12:00~ / 2014年12月19日(金) 16:20~
  • 【名古屋会場】2014年12月20日(土) 18:30~
  • 【神戸会場】2014年12月21日(日) 13:00~
  • 【福岡会場】2015年4月24日(金) 18:30~

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