◎コンペティション部門 PFFアワード2014

PFFアワード2014 映画ファン賞(ぴあ映画生活賞)&観客賞受賞作品

主演女優賞はこの人に、という声多数の存在感に注目

『ガンバレとかうるせぇ』

Don't Say That Word
[2014年/70分/カラー]

監督・脚本・編集:佐藤快磨

撮影:加藤大志/録音:内田達也/プロデューサー:渡邊翔太
出演:堀 春菜、細川 岳、布袋涼太、柳沼 侃、江國亮介、山城ショウゴ、石上真紀子、ミョンジュ

この映画のキーワード

  • 主役が女子マネージャー
  • 部活経験者は必見!
  • ヒロインの堀春菜に注目

セレクション・メンバーによる解説

映画(にかかわらず)において、「部活動のキャプテンと女子マネージャー」というのは割とよくあるシチュエーションなのだが、描写が丁寧であれば、無理して物語を作ろうとしなくても作品は成立するのだと改めて思う。
この作品の良さはまず、物語の中の人間にしっかりと実感があること。そして、その人間にほどよい色気が漂っていることだと思う。色気といってもそれは熟した男女の湿度の高さではなく、澄み切った空気に似た質感だ。全体的に抑えられた演出で、だからこそ匂い立つ人間の情なのだろうと思う。キャプテンとマネージャーの真剣な表情や物を見るときの視線は、ただ真っ直ぐなだけではない。情熱というのとも少し違う。それは静かな闘志のようなもので、青い炎のゆらめきに似ているな、と思う。しっかりと対象に向き合う者だけがする目つきだった。

文:森下くるみ(文筆家・女優)

監督:佐藤快磨 さとう・たくま

1989年 秋田県出身。ニューシネマワークショップ 映画クリエイター科卒業
青山学院大学経済学部在学中にコマーシャル制作に憧れて就職活動を始めたところ、広告代理店社員の「広告はクライアントのために作るものであって、自分が楽しむものではない」という言葉に強く違和感を抱き、その勢いでニューシネマワークショップに入学。高校の部活でサッカーに打ち込んだのと同じ熱量を注げる対象に、再び出会えました。自分にとって大きな経験だった部活を映画にしようと思ったとき、3年の冬ではなく夏での引退を決めた僕を、部員たちが強く引きとめてくれたことが蘇りました。結局やめましたが、引きとめられて嬉しくもあった。一方、女子マネージャーは3年の夏に辞める慣例で、誰ひとり引きとめず、気持ちよく送り出した。そのことが引っ掛かって、当時のマネージャーに取材して、初めて、彼女がしていた細かな作業や気持ちを知り、驚きました。いるのが当たり前の存在で、ありがたみも感じず、一緒に闘っている仲間という意識すら、なかった。そのことと、僕自身のサッカーへの未練も込めて、この作品をつくりました。

繰り返し観ている作品
『マイ・バック・ページ』(11年/山下敦弘監督)
最近観て面白かった作品
『アメリカン・ハッスル』(13年/デヴィッド・O・ラッセル監督)
好きな映画監督
山下敦弘、森 義隆、吉田恵輔
主役にしたい俳優
松山ケンイチ

【フィルモグラフィー】
『ガンバレとかうるせぇ』(2014年/70分/カラー)、『ぶらざぁ』(2013年/28分/カラー)、『舞い散る夜』(2012年/15分/カラー)

◎予告編

◎上映日程

  • 【東京会場】2014年9月13日(土) 18:00~ / 2014年9月17日(水) 12:00~ ※監督、出演者など来場予定。
  • 【京都会場】2014年12月15日(月) 12:00~ / 2014年12月17日(水) 18:40~
  • 【名古屋会場】2014年12月21日(日) 16:00~
  • 【神戸会場】2014年12月23日(火・祝) 10:30~
  • 【福岡会場】2015年4月25日(土) 13:00~

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