◎コンペティション部門 PFFアワード2014

特撮映画愛溢れる現代の怪獣映画

『怪獣の日』

Day of the Kaiju
[2014年/30分/カラー]

監督・脚本・編集:中川和博

撮影:田中平太/録音:米澤 徹/照明:藤井聡史/VFX:上田倫人/CGI:田村 健
出演:イワゴウサトシ、三沢幸育、山下ケイジ、高木公介、松澤輝朝、たなべ勝也

この映画のキーワード

  • 正統派の怪獣映画
  • 浜辺に漂着した怪獣
  • 硬派な社会提起

セレクション・メンバーによる解説

内閣府からの発表で映画は始まります。太平洋沖に現われた未知の怪獣は、自衛隊と米軍による作戦でなんとか活動を停止させることに成功したと。そして、その遺骸がやがて日本の沿岸に漂着すると…。これは、その沿岸の町を舞台にした、さまざまな立場の人々を描いた物語です。
無策な政府、その政府からの補助金を目当てに、怪獣を建屋で囲んで観光名物にしようとする住民一派。全く未知の生態であるが故、完全に死んでいるとは確約できないと、反対する主人公たち…。そこで交わされる議論と対立は、明らかなメタファーとなって鑑賞者に投げかけられます。そう、この映画は決して無邪気な特撮エンタテインメントではありません。作り手の静かな怒り、商業映画ではなかなか見受けられない気骨というものを、是非ご覧ください! これぞ怪獣映画スピリッツ!

文:真壁成尚(映像ディレクター)

監督:中川和博 なかがわ・かずひろ

1986年 奈良県出身。日本大学芸術学部映画学科監督コース卒業
幼いころから特撮映画が好きで、ミニチュアを作る仕事ができればと漠然と思っていました。次第に監督に興味を抱き、高校時代から友人と自主制作映画を撮り始めました。宇宙生物に寄生される高校生を描いた作品や、大学卒業後に撮った『ほしをさがして』という、夜空に星が見えなくなった近未来の東京を舞台にした作品などを制作しました。大学卒業後はフリーランスの助監督として働いています。『怪獣の日』のスタッフのほとんどは大学の同期で、撮影現場で各部の助手として働いているメンバーです。怪獣の映画が撮りたかったのが一番の制作動機ですが、東日本大震災を経て、災害後も人の物語は続くと感じ、怪獣災害の「その後」を描きました。怪獣はフルCGで、私が描いたラフなイメージ画をもとにクジラの死体写真などを渡して、田村健氏にデザイン&モデリングをお願いしました。今年7月、毎年シカゴで開催されている、ゴジラと日本の怪獣ファンのためのイベント「G-FEST」で招待上映されました。

繰り返し観ている作品
『ジュラシック・パーク』(93年/スティーヴン・スピルバーグ監督)
最近観て面白かった作品
『ゼロ・グラビティ』(13年/アルフォンソ・キュアロン監督)
好きな映画監督
スティーヴン・スピルバーグ、ポン・ジュノ
主役にしたい俳優
ジョゼフ・ゴードン=レヴィット

【フィルモグラフィー】
『怪獣の日』(2014年/30分/カラー)、『ほしをさがして』(2009年/13分/カラー)

◎予告編

◎上映日程

  • 【東京会場】2014年9月14日(日) 18:00~ / 2014年9月19日(金) 12:00~ ※監督、出演者など来場予定。
  • 【京都会場】2014年12月15日(月) 16:20~ / 2014年12月18日(木) 16:20~
  • 【名古屋会場】2014年12月20日(土) 16:00~
  • 【神戸会場】2014年12月21日(日) 15:30~
  • 【福岡会場】2015年4月26日(日) 14:00~ ※監督、出演者など来場予定。

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