監督:比嘉賢多 ひが・けんた
1991年 沖縄県出身。和光大学表現学部総合文化学科卒業
漠然と映画監督になりたいと思いながら、大学入学で上京。初めて撮った劇映画は、内地で撮って内地の人が出ているのに、観た人から「でも沖縄映画だね」と言われました。「沖縄映画」という言葉すら始めて聞いた僕は、本や映画を観て勉強。映像研究ゼミの卒業制作として、『沖縄/大和』を撮りました。最初は何もテーマを決めず、2か月あれこれ沖縄で撮って、その素材から「ライン」というテーマを見つけ、再び撮影を行って完成させました。僕も含め「復帰後世代のウチナーンチュ」は生まれた頃から米軍基地が生活の近くにあり、沖縄の風習も文化も本来のウチナーグチも知らずに生活してきたことで、沖縄に対しても大和に対してもギャップを感じてしまう、いわばアイデンティティの拠り所を失った文化的難民状態にあると思っています。なので、対立した考えや世代、立場の違う人たちに異なった意見を言われるたびに「こっちも正しいかも」とふらつく僕自身の芯の弱さも含めて、映画の中に組み込み、捉え直そうと試みました。
- 繰り返し観ている作品
- 『ストレンジャー・ザン・パラダイス』(84年/ジム・ジャームッシュ監督)
『ウンタマギルー』(89年/高嶺 剛監督)
『極私的エロス』(74年/原 一男監督) - 最近観て面白かった作品
- 『収容病棟』(13年/ワン・ビン監督)
『蜘蛛の地』(13年/キム・ドンリョン、パク・ギョンテ監督)
『アクト・オブ・キリング』(12年/ジョシュア・オッペンハイマー、クリスティーヌ・シン、匿名監督)
『エル・トポ』(69年/アレハンドロ・ホドロフスキー監督) - 好きな映画監督
- ジム・ジャームッシュ、アキ・カウリスマキ、高嶺 剛
- 主役にしたい俳優
- カッチャン(コンディション・グリーン)、役所広司、カティ・オウティネン
【フィルモグラフィー】
『沖縄/大和』(2014年/98分/カラー)、『豪也少年と妖精の森』(2013年/51分/カラー)