「PFFアワード2024」入選作品&最終審査員決定。18歳以下の監督作品が3作品入選!

映画祭ニュース

 9月7日(土)より開催となる、「第46回ぴあフィルムフェスティバル」のコンペティション「PFFアワード2024」の入選作品が決定しました。
 今年の応募本数は、前年から135本増となる692本。16名のセレクション・メンバーによる、約4か月間の審査を経て、入選作品19本が決定しました。
 今年は、最年少14歳を含む、18歳以下の監督による作品が3作品入選。監督たちの平均年齢も、昨年の26.1歳から、23.1歳と大きく若返り、新世代を感じさせる、驚きと期待に満ちた作品群となりました。

 また5名のトップクリエイターで構成される、最終審査員も併せて発表します。

 全19本の入選作品は、9月のPFF東京会場で2回、11月9日(土)からの京都会場で1回ずつ、スクリーン上映を行います。また、今年もU-NEXT、DOKUSO映画館でのオンライン配信を予定しています。
 グランプリはじめ各賞は、9月20日(金)に行われる表彰式にて、最終審査員らにより発表されます。


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「PFFアワード2024」入選作品発表にあたって
PFFディレクター 荒木啓子

 自主的に生み出される映画からの熱と想いを浴び、手間暇かかる創作がこれだけ続けられ完成されることが日常にある、その芳醇さに打たれ続ける、日々感嘆符ばかり並ぶ数か月を、16名のセレクション・メンバーと共に過ごした。
 改めて、ゼロから映画を生み出す皆様に、敬意と、ご応募くださった感謝を伝えたい。
 ありがとうございます。
 延べ3日間に渡るセレクション会議では「映画制作映画」の増加が話題になった。アフターコロナを象徴しているのではないかという説には皆頷いた。入選作品の少なからずが映画制作の映画となったことは偶然ではあるが、「映画制作」というものが象徴する“何か”を観客と共に言語化していきたいと感じている。また、本年は、アニメーション作品の増加も目立った。アニメーションやVFXがあることが当たり前、特別ではない世界を実感している。そして、10代の生み出した作品の、映画への純粋な憧れに、襟を正した。
 入選19作品は、「第46回ぴあフィルムフェスティバル2024」のスクリーン上映と配信とで多くの方に体験いただけるよう、準備を始めた。9月の東京、11月の京都でのスクリーン上映は、一期一会の場となるので、是非多くの方にご参加いただけることを願っている。
 長編・中編・短編、フィクション・アニメーション・ドキュメンタリー、と、あまりに多彩な19作品がラインナップされることになったコンペティション「PFFアワード2024」。本年の最終審査員5名から9月20日(金)に発表されるグランプリほか各賞も、会場の皆様の投票で決定する観客賞も全く予想がつかないが、19作品を初めて体験くださる観客の皆様の心に刻まれる一作との出会いを想像し、映画祭準備をすすめていく。いま、を紹介するコンペティション部門「PFFアワード」と、映画130年の歴史を網羅する「招待作品部門」で、映画に浸る13日間を計画中。

 最後に、下記1次通過作品の中でも、議論の沸いた作品をご紹介したい。
『うどを植える』『ORLIK』『カフェヨージク』『奇祭』『cycle』『ザ映画ウーマン』『自室境界 END-2』『死神は待ってくれる』『青山』『生の喜び生きる喜び』『双翅軍雷攻』『NEORIGIN』『目の中の時間』『よそ者の会』(作品名五十音順)
 そして『相談』『本音と建前は嘘と真実』の2作は、特に強い推薦者があったことを伝えたい。

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■「PFFアワード2024」入選作品
※作品名五十音順。年齢、職業・学校名は応募時のものです。


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『I AM NOT INVISIBLE』24分
監督:川島佑喜
(21歳/東京都出身/武蔵野美術大学 造形構想学部 映像学科)


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『アイスリンク』10分
監督:王 紫音
(23歳/中国出身/清華大学美術学院)


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『秋の風吹く』63分
監督:稲川悠司
(26歳/愛知県出身/フリーター)


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『あなたの代わりのあなた展』18分
監督:山田 遊
(28歳/東京都出身/劇団主宰)


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『Into a Landscape』2分
監督:山中千尋
(30歳/兵庫県出身/東京藝術大学大学院 映像研究科 アニメーション専攻)


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『END of DINOSAURS』28分
監督:Kako Annika Esashi
(26歳/アメリカ出身/国連職員)


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『季節のない愛』84分
監督:中里有希
(22歳/山形県出身/東北芸術工科大学 デザイン工学部)


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『鎖』21分
監督:杜 詩琪
(25歳/中国出身/武蔵野美術大学大学院 映像・写真コース)


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『これらが全てFantasyだったあの頃。』72分
監督:林 真子
(27歳/兵庫県出身/会社員)


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『さようならイカロス』107分
監督:田辺洸成
(20歳/福岡県出身/青山学院大学 総合文化政策学部)


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『さよならピーチ』124分
監督:遠藤愛海
(22歳/静岡県出身/京都芸術大学 芸術学部 映画学科)


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『サンライズ』24分
監督:八代夏歌
(18歳/愛知県出身/愛知県立旭丘高等学校 美術科)


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『正しい家族の付き合い方』17分
監督:ひがし沙優
(14歳/大阪府出身/中学生)


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『ちあきの変拍子』31分
監督:白岩周也、福留莉玖
(18歳、17歳/鳥取県出身/米子工業高等専門学校 放送部)


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『チューリップちゃん』18分
監督:渡辺咲樹
(22歳/宮城県出身/東北芸術工科大学 デザイン工学部)


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『分離の予感』64分
監督:何 英傑
(25歳/中国出身/武蔵野美術大学 造形構想学部 映像学科)


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『松坂さん』39分
監督:畔柳太陽
(25歳/愛知県出身/フリーター)


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『よそのくに』9分
監督:尾関彩羽
(21歳/愛知県出身/名古屋学芸大学 映像メディア学科)


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『わたしのゆくえ』23分
監督:藤居恭平
(32歳/滋賀県出身/会社員)

グランプリほか、各賞の行方はいかに?
■最終審査員
※五十音順/敬称略

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小田 香(フィルムメーカー/アーティスト)
おだ・かおり|1987年、大阪府生まれ。2016年映画監督タル・ベーラ指揮によるfilm.factoryプログラム博士課程修了(第1期生)。ボスニアの炭鉱を主題とした映画『鉱 ARAGANE』(15)で山形国際ドキュメンタリー映画祭・アジア千波万波部門特別賞受賞。ユカタン半島の洞窟泉を撮影した映画『セノーテ』(19)で第一回大島渚賞受賞、芸術選奨新人賞受賞。最新中編『GAMA』(24)はMoMA Doc Fortnight、Cinéma du réel、Festival du cinéma de Brive(SFCC批評家賞)など国内外の映画祭で上映された。


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小林エリカ(作家/アーティスト)
こばやし・えりか|目に見えない物、時間や歴史、家族や記憶、場所の痕跡から着想を得た作品を手掛ける。著書は小説「最後の挨拶His Last Bow」、「トリニティ・トリニティ・トリニティ」、「マダム・キュリーと朝食を」、コミックに「光の子ども 1-3」(リトル・モア)他。近刊は「彼女たちの戦争 嵐の中のささやきよ!」(筑摩書房)と、音楽家寺尾紗穂との朗読歌劇作品にもなった「女の子たち風船爆弾をつくる」(文藝春秋)。

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高崎卓馬(クリエイティブ・ディレクター/小説家)
たかさき・たくま|1969年、福岡県生まれ。電通ジャパン所属。2024年には3度目になるJAAAクリエイター・オブ・ザ・イヤーを受賞など、国内外の広告賞の受賞多数。第76回カンヌ国際映画祭で、役所広司が最優秀男優賞を受賞した映画『PERFECT DAYS』(23)では、ヴィム・ヴェンダースと共同脚本・プロデュースを担当。著書に、小説「はるかかけら」、「オートリバース」(中央公論新社)や絵本「まっくろ」(講談社)などがある。毎週金曜深夜J-WAVE「BITS&BOBS TOKYO」ではMCを担当。


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仲野太賀(俳優)
なかの・たいが|1993年、東京都生まれ。2006年、俳優デビュー。映画『すばらしき世界』(21)で日本アカデミー賞助演男優賞などを受賞。近作にドラマ 連続テレビ小説「虎に翼」、「拾われた男」、映画『笑いのカイブツ』(23)、『熱のあとに』(23)など。7月放送のドラマ「新宿野戦 病院」(フジテレビ系)で W主演するほか、舞台『峠の我が家』(10月25日~東京公演)に主演、11月1日公開の映画『十一人の賊軍』でW主演。26年 1月スタートの大河ドラマ『豊臣兄弟!』では主人公の豊臣秀長役に抜擢。


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吉田恵輔(映画監督)
よしだ・けいすけ|1975年、埼玉県生まれ。自主映画を制作する傍ら、塚本晋也監督作品の照明を担当。2006年『机のなかみ』 で長編映画監督デビュー。オリジナル脚本作品に『純喫茶磯辺』(08)、『さんかく』 (10)、『ばしゃ馬さんとビッグマウス』 (13)、『麦子さんと』 (13)、『犬猿』(18)、『BLUE』、『空白』(21)、『神は見返りを求める』(22)。漫画を原作とした『銀の匙』 (14)、『ヒメアノ~ル』 (16) 、『愛しのアイリーン』(18)も監督している。最新作『missing』が公開中。


■1次審査通過作品
※作品名五十音順。

『イーちゃんとだいすきなママ』 監督:張 恩
『うどを植える』 監督:阿部修一郎
『ELRATHIA エルラシア』 監督:田口慧震
『折にふれて』 監督:村田陽奈
『ORLIK』 監督:haiena
『_____』 監督:佐治千絵梨
『カフェヨージク』 監督:荒木賢介
『奇祭』 監督:榊原 滉
『君は君でいい』 監督:大場丈夫
『きれいなわたし』 監督:柿山いづる
『cycle』 監督:遠藤友花
『ザ映画ウーマン』 監督:段 昊
『RUST』 監督:李 心悦
『醒めざらましを。』 監督:田川月乃
『自室境界 END-2』 監督:高橋祐亮
『死神は待ってくれる』 監督:木下一心
『手話通訳付き映画「リリカとマリア」』 監督:花村美緒
『スマホの中のエイリアン』 監督:川中玄貴
『青山』 監督:WENG YUJUN
『生の喜び生きる喜び』 監督:ソン・ヨンソン
『双翅軍雷攻』 監督:塩原 璧
『相談』 監督:張 曜元
『そんな思い出』 監督:渡辺拓真
『脱走』 監督:寺岡慎一郎
『立てば転ぶ』 監督:細井じゅん
『長い休暇』 監督:楊 宇安
『なつやすみ』 監督:川田 淳
『NEORIGIN』 監督:陳 冉
『花の間』 監督:佐藤そのみ
『パノラマ』 監督:難波弘二
『春一番』 監督:髙田恭輔
『ひみつきちのつくりかた』 監督:板橋知也
『ブルーラブレター』 監督:大光明未
『本音と建前は嘘と真実』 監督:相馬大輝
『まだまだ』 監督:NEO SHAUN
『まなざし、まなざす』 監督:吉本ちひろ
『マミーへのラブレター』 監督:長村ひかり
『目の中の時間』 監督:山崎夏穂
『よそ者の会』 監督:西崎羽美
『ヨビとアマリ』 監督:比留間未桜
『わたしの頭はいつもうるさい』 監督:宮森玲実


■セレクション・メンバー
※五十音順/敬称略

荒木啓子(PFFディレクター)
植木咲楽(映画監督)
大久保 渉(ライター/編集者/パブリシスト)
折田侑駿(ライター)
木村奈緒(ライター/美術学校スタッフ)
久保田ゆり(PFFスタッフ)
竹中翔子(映画館支配人)
長井 龍(映画プロデューサー)
中根若恵(映画研究者 )
中山洋孝(会社員)
新谷和輝(ラテンアメリカ映画研究者)
原 武史(レンタルビデオ店スタッフ)
髭野 純(映画プロデューサー)
宮城 伸(クリエイティブプロダクション社員)
森川和歌子(映画人材育成事業スタッフ)
湯川靖代(映画配給会社代表)
和島香太郎(映画監督)


■入選作品/応募作品データ

<入選作品データ>
【入選数】19本
【年齢】平均:23.1歳/最年少:14歳/最年長:32歳
【作品時間】平均:40.9分/最短:2分/最長:124分

<応募全体データ>
【応募数】692本
【年齢】平均:30.5歳/最年少:9歳/最年長:80歳
【作品時間】平均:33.4分/最短:1分/最長:172分



「第46回ぴあフィルムフェスティバル2024」
日程:9月7日(土)~21日(土)
会場:国立映画アーカイブ ※月曜休館

「ぴあフィルムフェスティバル in 京都2024」
日程:11月9日(土)~17日(日)
会場:京都文化博物館 ※月曜休館


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