「PFFアワード2023」入選作品を発表します。

映画祭ニュース

3月中旬から約4か月に及ぶ審査を経て決定した、コンペティション「PFFアワード2023」の入選作品を発表します。

入選作品は、9月9日(土)からの「第45回ぴあフィルムフェスティバル」、10月14日(土)から開催予定の「第45回ぴあフィルムフェスティバル in 京都」で上映します。また、DOKUSO映画館とUーNEXTでのオンライン配信も予定しています。

グランプリはじめ各賞は、9月22日(金)に行われる表彰式にて、最終審査員らにより発表されます。




■「PFFアワード2023」入選発表にあたって(PFFディレクター 荒木啓子)

ご応募ありがとうございました。
「PFFアワード2023」入選作品が決定致しました。近年では最多の22作品の入選となりました。4分の短編から、110分の長編まで、長さもバラバラですが、内容も多彩。セレクション・メンバー15名との長い討議ののちに決定した22作品は、いずれも弱点がありますが、そこを補う魅力を持つ原石です。
9月9日からの「第45回ぴあフィルムフェスティバル」では、9つのプログラムを構成し、2回ずつの上映を行います。
入選作品のご紹介は下にございますが、まずは、そこに至るまでに熱く語られたボーダーラインだった作品を、50音順で紹介させてください。

『感情線Link』吃音の高校生がディベート出場、というアイデアに湧きました。

『きみは夕焼け』逆光のシルエットだけで描かれる青春。スクリーンで堪能したくなる独自の手法に賞賛が。

『STRAY DOGS』高校生による大力作。周りを巻き込んでこれだけのものをつくることに感嘆。あと少し、オリジナルな要素が欲しかったラップと田舎の青春。

『self and others』病気とケア。止まった体。現代的な意識の高い監督という賞賛が。

『それでもお前らは平和だった。ボケ』150分を見せきる力量! 熱! 俳優たちの魅力炸裂!

『ディス・イヤーズ・モデル』映画制作映画の多かった本年ですが、本作は日常への戦争の侵入という描写で長く話題となりました。

『人間脱出』独自のスタイルに湧きました。“人間関係”ではない新たな世界を提示する作品の面白さ。

『PADRE』読後感の爽やかさに打たれる父を探すドキュメンタリー。もっと過程をみたかったという声があがりました。

『ユンスル21-22』コロナ後遺症に苦しむ友人にカメラを向けるドキュメンタリー。わからなさを映画にすること、が長く議論されました。

「PFFアワード」は、「自主映画」のためにありますので、どんなことを映画で試みてもOKです。魂を奪われるような体験をした映画をまるごと真似しても大丈夫です。真似しても真似しても別物になってしまうのが、創作のスタートラインです。真似することで身につく技術も重要です。どんどん真似して欲しい。そして、テーマもサブジェクトも完全に自由です。規制はありません。自主映画は商品ではない、個人の創作ですから、ただただ創作に没頭し、すごい映画世界をみせて欲しいと願っています。

本年のセレクションを振り返ると「似ている」という印象が立ち昇りました。物語、演出、撮影、リズム、とても似ている。それはなぜ・・・と考えていると「ジャンル映画の消滅」が、長い年月に渡り、じわじわと効いてきた結果なのかも、と思い当たりました。海外の映画祭 ―カンヌ含む― がいつも探しているジャンル映画。しかしみつからない日本のジャンル映画・・・・映画の豊潤さを構成するワンピースであるジャンル映画の欠落が及ぼすものを考えています。それは、本年の招待作品企画に反映されることとなるでしょう。

前置きが長くなってしまいました。
以下に入選作品を発表します。
改めまして、557作品の応募に御礼申し上げます。
ここに応募されていない作品も想像すると、いまも毎日数本、数十本の自主映画がどこかで生まれているのだと、そのことを感じるだけで、心が躍ります。映画という手間暇かかる創作に挑戦する皆様に、深い敬意を表し、本年「第45回ぴあフィルムフェスティバル」を創って参ります。




■「PFFアワード2023」入選作品

今年は557本の応募作の中から、22作品が入選しました。
※作品名50音順。年齢、職業(学校名)は応募時のものです。




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『移動する記憶装置展』71分

監督:たかはしそうた
(31歳/神奈川県出身/東京藝術大学 大学院映像研究科映画専攻)

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『うらぼんえ』28分

監督:寺西 涼
(27歳/神奈川県出身/フリーター)

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『完璧な若い女性』65分

監督:渡邉龍平
(22歳/東京都出身/武蔵野美術大学 造形構想学部映像学科)

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『こころざしと東京の街』10分

監督:鈴木凜太郎
(21歳/東京都出身/東京工芸大学 芸術学部)

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『サッドカラー』24分

監督:髙橋栄一
(33歳/岐阜県出身/フリーランス)

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『じゃ、また。』52分

監督:石川泰地
(27歳/東京都出身/フリーター)

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『Sewing Love』8分

監督:許 願
(27歳/中国出身/多摩美術大学 グラフィックデザイン学科)

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『ただいまはいまだ』28分

監督:劉 舸
(28歳/中国出身/会社員)

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『ちょっと吐くね』20分

監督:大野世愛
(22歳/北海道出身/会社員)

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『逃避』57分

監督:山口真凜
(22歳/栃木県出身/フリーランス)

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『鳥籠』66分

監督:立花 遼
(21歳/大阪府出身/京都芸術大学 芸術学部)

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『肉にまつわる日常の話』4分

監督:石川真衣
(22歳/愛知県出身/名古屋学芸大学 メディア造形学部)

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『ParkingArea』9分

監督:増山 透
(29歳/茨城県出身/武蔵野美術大学 造形構想学部映像学科 助教)

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『ハーフタイム』30分

監督:張 曜元
(33歳/中国出身/東京藝術大学 大学院映像研究科 博士課程)

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『不在の出来事』11分

監督:川口淳也
(29歳/三重県出身/フリーランス)

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『Flip-Up Tonic』26分

監督:和久井 亮
(22歳/東京都出身/東京大学 教養学部)

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『ふれる』56分

監督:髙田恭輔
(21歳/茨城県出身/日本大学 芸術学部)

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『ホモ・アミークス』42分

監督:馬渕ありさ
(27歳/東京都出身/自営業)

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『また来週』36分

監督:ハインズ麻里子
(21歳/東京都出身/早稲田大学 文化構想学部)

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『USE BY YOUTH』51分

監督:高木万瑠
(20歳/東京都出身/武蔵野美術大学 造形構想学部映像学科)

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『リテイク』110分

監督:中野晃太
(35歳/神奈川県出身/NPO職員)

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『リバーシブル/リバーシブル』77分

監督:石田忍道
(34歳/愛知県出身/映像作家・障害福祉従事者)




■1次審査通過作品

※作品名50音順。

『曖昧な楽園』監督:小辻陽平
『青なじむ部屋』監督:多持大輔
『ACRAS アクラス』監督:小林示謡
『あはれをかしき少年少女』監督:遠藤愛海
『AFTERLIFE』監督:内田進康
『一念九州』監督:張 文天
『行ったり来たり』監督:甲斐菜摘
『イマジナリーフィーンド』監督:吉田慧大
『We are Gurung』監督:森野継偉
『植木鉢』監督:中川翔太
『生いたつ赤』監督:宮原 悠
『お祭りの日』監督:堀内友貴
『彼女が決めごと』監督:趙 澤宇
『感情線Link』監督:松本颯人
『甘露』監督:田中晴菜
『KIKO』監督:RYUSHO
『きみは夕焼け』監督:釘宮直也
『キャンバス』監督:寺尾都麦
『具体的な生活』監督:季 子汀
『恋も噂も七十五日』監督:新庄凜々子
『交霊とイスラーム:バフシの伝えるユーラシアの遺習』監督:和崎聖日
『サボりテーション』監督:齋藤翔子
『島に還る』監督:三武直人
『冗談じゃないよ』監督:日下玉巳
『STRAY DOGS』監督:齋藤 兆
『STRAW』監督:劉 明承
『惜春』監督:東 龍之介
『self and others』監督:當間大輔
『それでもお前らは平和だった。ボケ』監督:神山大世
『たまには蜂蜜を。』監督:邉 拓耶
『たゆたのうた』監督:稲田百音
『翼はまだない(Lonely Halo)』監督:Ginger Chloe
『ディス・イヤーズ・モデル』監督:堰下健太
『DON'T STOP MAYUKO』監督:久保田哲太郎
『nap』監督:安藤久雄
『日記を始めた日』監督:桂木友椰
『二度寝の夢の続きがみたい』監督:伊澤萌音
『にびさびの巣』監督:岡田 深
『人間脱出』監督:眞鍋雅幹
『hug&release』監督:新川華那
『八月の現状』監督:鴨林諄宜
『PADRE』監督:武内 剛
『人知れず』監督:鈴木 冴
『更けるころ』監督:赤堀海斗
『フライガール』監督:福嶋賢治
『平坦な戦場で』監督:遠上恵未
『僕の翼は、足になった。』監督:節田朋一郎
『ポゾラン』監督:小林 望
『孫を逃がす』監督:宝保里実
『まだ知らない』監督:片山靖葉
『マンチの犬 ~水とフルコース~』監督:賀々贒三
『むこうひかめく』監督:園木杏実
『森へ』監督:au tou
『ヤドカリ』監督:史 天骄
『ユンスル21-22』監督:西山ことみ
『陽炎』監督:芝 暢佑
『ランタンマン』監督:保子 翔
『猟果』監督:池本陽海




■「PFFアワード2023」セレクション・メンバー

※敬称略。50音順。

荒木啓子(PFFディレクター)
植木咲楽(映画監督)
榎本高太郎(映画製作管理/映画版権営業)
大久保 渉(ライター/編集者/パブリシスト)
樺沢優希(字幕翻訳者/映画館スタッフ)
久保田ゆり(PFFスタッフ)
今 祐仁(イェール大学映画研究者 )
杉野志保(映画配給会社社員)
竹中翔子(映画館支配人)
長井 龍(映画プロデューサー)
中根若恵(映画研究者)
中山洋孝(映画批評家)
新谷和輝(ラテンアメリカ映画研究者)
森川和歌子(映画人材育成事業スタッフ)
吉田由利香(デザイナー/元映画館館長)
和島香太郎(映画監督)




■入選作品/応募作品データ

<入選作品データ>
【入選数】22本
【年齢】平均:26.1歳 最年少:20歳 最年長:35歳
【上映時間】平均:40.0分 最短:4分 最長:110分

<応募全体データ>
【応募数】557本
【年齢】平均:31.5歳 最年少:12歳 最年長:72歳
【上映時間】平均:36.5分 最短:1分 最長:172分




「第45回ぴあフィルムフェスティバル2023」開催概要

<東京>
日程:9月9日(土)~23日(土) ※月曜休館
会場:国立映画アーカイブ(東京都中央区京橋3-7-6)

<京都>
日程:10月14日(土)~22日(日)予定 ※月曜休館
会場:京都文化博物館(京都市中京区三条高倉)




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