映写機と音設計の重要さが骨身に沁みた夜
7日から京都に入っています。PFFin京都開催です。
今年のPFFin京都は2週間開催。だがしかし、やはり全日程滞在は不可能で一旦帰京するのですが、本日から始まった「さよなら?8mmフィルム」企画での上映状態が素晴らしすぎて、驚愕してしまい「3夜全て観て帰りたい~」と心で叫んでいます。
ほぼ新品に近く非常に安定した映像を送る映写機と、素晴らしい音響設計の「京都シネマ」ならではの音が相まって、「こんな作品だったのか...」(←ちょっと言い過ぎ)と心震えた昨夜の『スバルの夜』と『はなされるGANG』上映でした。
両監督におみせしたかった...
お客様の反応もこれまた素晴らしく、近年のベスト映画という声も...いやいや、最新の映画もみてください!と思わずひとこと告げる私。
ただ、改めて感じるのは「意志は映像に宿る」とでもいいましょうか、「課題」提出ではない「自主映画」の底力と申しましょうか、そこには「何か」がある。
その「何か」を評論する、自主映画評論の土壌が更に開拓されねばならないことを、改めて実感する夜でもありました。
ともあれ、<これは13日の「さよなら?8mmフィルム」企画最終日まで滞在し終電で戻ろう>と密かに決意しつつスケジュール調整中です。
会場の京都シネマには3つのスクリーンがあり、ただいま『ブルーノの幸せガイド』『ハンナ・アーレント』『ペコロスの母に会いに行く』『ジ、エクストリーム、スキヤキ』『恋する惑星』『21グラム』、そして『PFFin京都』を上映中。到着した日の<このチャンスに全部みてから帰ろう>という野望は、既にもろくも崩れ去り、なんだかんだ仕事に追われるホテルの部屋ですが、『恋する惑星』今みると香港の変化が身に沁みるだろうなあと、とても心残りです。
ロビーで様子をみていると、『ハンナ・アーレント』が強い。
会場で販売中の書籍「イェルサレムのアイヒマン」もどんどん売れているとのこと。すばらしいですね。しみじみタイムリーな映画です。
上映作品を数えてみると、PFF以外に23作品が上映される12月の京都シネマ。
全国のミニシアターでは、朝昼晩とプログラムを変えて、何十本と映画が上映されるのが、当たり前の風景になりつつあり、その宣伝も、上映準備も、映写室での架け替えも、物販も、スタッフィングも、大変な仕事量であろうと想像します。
年間に、数百本にもなろう上映作品数に加え、特集や映画祭や(余談ですが、京都は映画祭が多いことにも驚愕)と、一体何作品を扱かうことになるのか映画館...現場の人たちが自館の映画を観る時間すらなく過ぎていく場合も生じているだろうなあと、昔の映画館運営の常識が通用しない時代であることを、しみじみ感じる映画館開催のPFFin京都です。
(というのも、映画祭を映画館で開催できるチャンスは意外に少ないので、いちいち発見なのです)
またまた久しぶりのブログでした。
最近、是非皆様にご紹介したい話題がいくつかあるのですが、折をみて少しづつ書いて行きたいと思います。