東京の夜・ベルリンの夜
昨夜香港から帰国し、東京の夜がぐっと暗くなったのを再確認しました。
多分、1960年くらいの雰囲気では・・・と数々の映画を思い出しながら予測する、映画原理主義の私です。その頃に都内でロケした映画の街並のように、ぱっとみたところ、どこにどんな店が展開しているのかわかりにくく、なかなかエキゾチックで素敵で、ヨーロッパの街のようです。
香港映画祭の昼食会で、アメリカのインディペンデント映画特集「REDISCOVERING AMERICAN INDIES」で上映される『Jess + Moss』の監督&スタッフと同席になりました。ベルリン国際映画祭でも上映されたこの映画、同じテーブルにいた『FIT』の廣末監督や『世界グッドモーニング!!』の廣原監督も、同じくベルリンで上映された奇遇もあり、暫くベルリンの話をしていました。監督のClay JeterはLA在住。ベルリンに魅せられ、3週間滞在したけれども、もっと居たかった、と。「3週間旅せずベルリンだけで退屈しなかったの?!」と驚くと、地元の知り合いが出来て、街の様子がわかってきた数日めからは、毎日夕方5時くらいに起きて、夜の映画祭上映映画を2本ばかりみて、そのあとは、地元の人と一緒でなくては場所がわからないような店に入り、世が更けるにつれて盛り上がる店、夜中に開く店を、次々にはしごして朝が来て、ホテルに戻って朝食を食べて、寝る。という毎日を送り、その、決して旅行者にはわからない店と、集う人々に、すっかり夢のような時間をもらったそうで、LAに帰りたくなくてしょうがなかったそうです。
なるほど。
私のベルリンの日々とはあまりに違います。
でも、今の東京の夜の町並み、Clayの魅せられた秘密の店が隠れているベルリンに似た雰囲気が、いいですね。
汚染された水を海に流してしまったのね・・・という驚きにうちのめされた一日が過ぎています。が、放射性廃棄物をドラム缶に詰めて海底に沈め続けたイギリスはじめ各国の前例もありますし、海に捨てるということを、普通の方法と考えている層があることを再認識させられた感があります。
イギリスといえば(なんだか無理やりな続け方ですね)、イギリス映画復活といわれるように、現在公開中の『わたしを離さないで』『英国王のスピーチ』は、確かに大変見ごたえがあります。