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PFFアワード

PFFアワード作品紹介

1986年:第9回ぴあフィルムフェスティバル一般公募部門入選作品

作品名 監督名 作品名 監督名
『いそげブライアン』 小松隆志 『大麻じゃなくても良いけれど』 吉雄孝紀
『俺は園子温だ!!』 園 子温 『なかのあなた いまのあなた』 土居晴夏
『Cadenza』 杉山正弘 『二度と目覚めぬ子守唄』 原田 浩
『木の中刺す魚の気』 浅野優子 『バーント・ノートン』 ドラノオト子
『The Beads』 堀 耀静 『ヒュルル…1985』 橋口亮輔
『SUMMER OF '85』 佐野リエチ 『みどり女』 成島 出
『砂山銀座』 平野勝之 『遊水池』 森 亜野
『蝉』 太田 徹    

応募総数 696本 入選 15本

『いそげブライアン』

監督:小松隆志

ブライアンとチャーリー。「俺たちは最強のタッグチームだった」ある日2人は離れ離れになり、全く対照的な人生を歩み始める。その生きざまを、喋りっ放しのモノローグとたたみかけてくるイメージによって、青春を疾走する若者たちのの共通の叫びとして、パワフルにリリカルに描ききった無国籍青春映画。作者の、プロレスやSFやロックへの思いが、強靭な人生論となって見る者に挑みかかる。

1985年/8ミリ/カラー/67分 英題:BRYAN GO GO
監督・制作・脚本:小松隆志
撮影:小松隆志、蟇田忠雄
出演:伊藤裕康、村越壮希、木名瀬幹子、柚木理恵

劇場公開
海外映画祭
1988年 ニューシネマ・ジャパン映画祭 (ニュージーランド)

【貸し出し対象作品】料金:15,000円(税別)/貸し出しフォーマット:8ミリ

『俺は園子温だ!!』

監督:園 子温

カメラに向かい、作者が今日の日記をつけるように喋り出す。そんな静かな日々の記録が綴られてゆくのかと思いきや、古びた館のイメージ・ショットがインサートされ、突然カメラが走り出して、作者は狂ったように騒ぎ出し、果ては頭を坊主にしてしまう。映画と言う媒体を利用して、作者自身の存在証明を過激に追及しているが、その一方で、映画の存在そのものに鋭く迫ろうとしている。

1984年/8ミリ/カラー/32分 英題:I AM SONO SHION!!
監督・制作・脚本:園 子温
撮影:園 子温、山道亮介
出演:園 子温、中川ろここ、大岡一生、ユキコ、お花畑狂介

劇場公開
海外映画祭
1988年 ブリュッセル・スーパー8&ビデオ・フェスティバル (ベルギー)

『Cadenza』

監督:杉山正弘

雨あがりの道で少女が見つけた水たまり。そして海辺に散らばっていた鏡のかけらを持ち帰った少女が作ったものは…。うつろいゆく少女の季節のプライバシーを、鏡と少女の触れ合いのメルヘンとして美しく映像化した作品。鏡という一見陳腐な素材を、ハッとする程大胆なイメージの飛躍で見事に処理し、少女の仕草のいとおしさと相まって、透明感溢れる世界を作り上げている。

1985年/8ミリ/カラー/23分 英題:CADENZA
監督・制作・脚本・撮影:杉山正弘
出演:守屋里純

『木の中刺す魚の気』

監督:浅野優子

いくつもの正多面体に描かれている絵が、“驚き盤”の如く動き出す。個人アニメーションでは10年近いキャリアを持つ作者が、わずか6分の作品に気の遠くなるような手間をかけて作り出した、めくるめく万華鏡の世界。その動きのバリエーションの巧みさ、色彩の美しさには、女性らしい繊細さと、洗練されたセンスが光る。ちなみに、タイトルは回文になっている。

1985年/8ミリ/カラー/6分 英題:REGULAR POLYHEDRA
監督・制作・脚本・撮影:浅野優子

『The Beads』

監督:堀 耀静

夥しい数の水玉やビー玉を素材として、それに、様々な角度から光を当てたり、光の色を変えたり、カメラを縦横に動かしたりして作り出される美しい抽象イメージ。ビーズは色を変え、形を変え、映像のシンフォニーを奏でていく、適確な技術と計算された画面構成によって歯切れのよいリズムと水滴の瑞々しい質感を獲得した、実験的作品。

1984年/8ミリ/カラー/15分 英題:THE BEADS
監督・制作・脚本・撮影:堀 耀静

『SUMMER OF '85』

監督:佐野リエチ

公立高校の入試に失敗し、仕方なく女子校に入った2人の女の子。どちらが早くボーイフレンドを獲得するか、と賭けをした2人が巻き起こすドタバタコメディ。ほとんどドツキ漫才ノリで、彼女達の日常が面白おかしく描かれる。作者自らも演じている“等身大の女の子たち”のあまりの元気の良さは、物語の虚構を突き破り、その肉体と言葉の躍動がとても清々しい。

1985年/8ミリ/カラー/25分 英題:SUMMER OF '85
監督・脚本:佐野リエチ
撮影:森 三奈 音楽:上川高弘 製作:市岡高校映画部
出演:佐野リエチ、西野えりか

『砂山銀座』

監督:平野勝之

浜松の商店街、“砂山銀座”にカメラは入り込む。そこにいる人々や“夜の蝶撲滅”の看板等々、淡々と記録が積み重ねられる。しかし突然、「もうごまかしはいらない」という作者の声と共に、カメラは雨の交差点の真ん中に立ち尽くす。そして、これが俺の表現だと言わんばかりに、作者の生々しい息遣い伝わってくる。

1985年/8ミリ/カラー/40分 英題:SUNAYAMA-GINZA
監督・制作・撮影:平野勝之

劇場公開
海外映画祭
1989年 ブリュッセル・スーパー8&ビデオ・フェスティバル (ベルギー)

『蝉』

監督:太田 徹

夏の暑い日、セミの異様な鳴き声を聞いて木によじ登ったカメラが捉えたものは、セミとカマキリの決闘だった。その瞬間を見逃すまいと、必死に木にしがみついて少しでも対象に近づこうとするカメラ。その息づかいが同録の画面から生々しく伝わり、カマキリの餌食となったセミの悲壮な鳴き声と共に、3分間の緊張体験を強いられる。最後、血だらけになった作者の足が痛々しい。

1985年/8ミリ/カラー/3分 英題:A CICADA
監督・制作・脚本・撮影:太田 徹

『大麻じゃなくても良いけれど』

監督:吉雄孝紀

18歳の現実に、苛立ちや空しさを覚えつつ青春を疾走する3人の高校生。彼らの3日間を、ある家の庭に生える大麻を盗もうとする企みを軸に、様々なエピソードを絡めて描いていく。麻雀、ナンパ、オカマ、何をやっても充足できない3人の喘ぎが、ラスト、狂乱のパーティーとなって見る者に迫る。

1984年/8ミリ/カラー/84分 英題:NOT ONLY THE GRASS
監督・脚本:吉雄孝紀
制作:進藤良彦 撮影:中松俊裕 音楽:佐藤昭彦、中島省吾、角野 彰 美術:伊藤隆志
出演:下重義人、阿部和彦、井上 哲

『なかのあなた いまのあなた』

監督:土居晴夏

「わたしのなかのあなたに会いに、とにかくわたしは出かけてみたいのだ…」自身のナレーションによって作者の心象が語られ始め、顔の消えた“なかのあなた”が横断歩道を何度も渡る。その映像はスクリーンを離れ、至る所に映し出される。便器、作者の肉体の上にも。そして“いまのあなた”。自分の日記を読むようなごく私的な独白が、その語り方と映像の実験によって見事な表現となっている。

1985年/8ミリ/カラー/8分 英題:HE WAS HERE,AND YOU ARE HERE
監督・制作・脚本・撮影:土居晴夏
出演:土居晴夏

劇場公開
海外映画祭
1988年 ブリュッセル・スーパー8&ビデオ・フェスティバル (ベルギー)

『二度と目覚めぬ子守唄』

監督:原田 浩

出っ歯であるために周りからいじめられ、疎外される少年。彼の憎悪は日増しに募り、彼以外のあらゆるものに向けられていく。今流行の“いじめ”をテーマにした漫画アニメーション。という言い方では想像もつかない程、すさまじい作家自身の怨念が、強烈な映像のパワーとなって見る者に襲いかかる。全くの個人作業により、3年もの年月を費やして完成された、めくるめく地獄絵の世界。

1985年/8ミリ/カラー/27分 英題:LULLABY NOT AWAKE TWO TIMES
監督・制作・脚本・撮影:原田 浩
音楽:原田 浩、原田直火、高橋勝仁
声の出演:稲見清彦、香月真琴、末吉 剛、星川由美

劇場公開
海外映画祭
1988年 ブリュッセル・スーパー8&ビデオ・フェスティバル (ベルギー)
モントリオール・ヤングシネマ・フェスティバル (カナダ)

『バーント・ノートン』

監督:ドラノオト子

ビルの屋上にひとり生活している少女ムー。彼女は海からやって来たクジラ族。「背中は黒で腹は白。ある日背が腹に会いたいと言いだした」やがて少女の内面世界が、スルリと外側へつき抜ける…。大人へと変わりゆく少女期の意識下を、象徴的な映像で再構築した“女性映画”の問題作。心理学的なアプローチをふまえながえら、多重構造をもった独特のメルヘン、あるいは悪夢を織りなしている。

1985年/8ミリ/カラー/72分 英題:VURNT NORTON
監督・制作・脚本:ドラノオト子
撮影:塚田泰造
出演:金子サトシ、竹藤真一郎、陣野宏史、赤野尚美

『ヒュルル…1985』

監督:橋口亮輔

これは虚構だろうか、現実だろうか。いきなり作者自身が実名で画面に現われ、友人達と映画をつくる過程が綴られてゆく。たまたま女優をやることになった女の子や仲間との淡々とした日常の会話。そしてラスト、作者は女の子の部屋を訪ねる。ほとんど長廻しの、しかも作為を感じさせないカメラが捉えた“生きている作者自身の真実”。特にラストシーンは凝縮し、限りなくいとおしい。

1985年/8ミリ/カラー/56分 英題:WHISTLING…1985
監督・制作・脚本:橋口亮輔
撮影:斎藤久志
出演:橋口亮輔、渡辺るみ子

『みどり女』

監督:成島 出

緑色の性器を持つ女みどりと、彼女を愛する3人の男。4人は、奇妙で平穏な同棲生活を送っている。しかし、みどりが一人旅から戻った時、俄かにそのバランスは崩れ始め、ドラマは悲劇的な結末に向かって走り出す。全体を貫く、乾いた、ストイックなトーン、4人の役者のリアリティ溢れる演技、そして映像の恐ろしいまでの緊迫感。その力量は140分を一気に見せきってしまう。

1985年/8ミリ/カラー/140分 英題:MIDORI WOMAN
監督・制作・脚本:成島 出
撮影:遠藤孝史
出演:日野明子、琢磨裕子、原田文明、長谷川雅一

『遊水池』

監督:森 亜野

水の中の裸の女、水のないプールで愛撫し合う2人の女、檻の中の女、部屋の中で佇む4人の半裸の女。様々な女たちの断片的なイメージが不連続に連鎖し、全体として意味の曖昧な、乾いたエロティシズムが画面から漂ってくる。また、女の笑い声や、呟きや、悲鳴が重なり、女性である作者が生理的感性で捉えた、独特の内的世界が形成される。自分たちの存在の不確かさを確かめようとした映画。

1985年/8ミリ/カラー/11分 英題:THE POOL FOR RAIN
監督・制作・脚本・撮影:森 亜野
出演:坂岸英理、篠原優子、西本哲郎

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