監督:太田 徹

夏の暑い日、セミの異様な鳴き声を聞いて木によじ登ったカメラが捉えたものは、セミとカマキリの決闘だった。その瞬間を見逃すまいと、必死に木にしがみついて少しでも対象に近づこうとするカメラ。その息づかいが同録の画面から生々しく伝わり、カマキリの餌食となったセミの悲壮な鳴き声と共に、3分間の緊張体験を強いられる。最後、血だらけになった作者の足が痛々しい。

  • 1985年/3分/カラー/8mm 英題:A CICADA
  • 監督・制作・脚本・撮影:太田 徹