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PFFアワード

PFFアワード作品紹介

1985年:第8回ぴあフィルムフェスティバル一般公募部門入選作品

作品名 監督名 作品名 監督名
『家、回帰』 石井秀人 『時を駆ける症状 The message from subway』 七里 圭
『うしろあたま』 斎藤久志 『にっぽにーず・がーる』 常本琢招
『END、END』 須田和博 『はなされるGANG』 諏訪敦彦
『狂った触角』 平野勝之 『ヒッチハイク・ブレイク』 武吉伸治
『下駄』 渡辺研二 『変形作品第2番』 黒坂圭太
『高校生映画』 辻 豊史 『曼珠沙華』 仲田伊作
『吊首姦太郎の青春』 クマガイコウキ 『無水の泉』 亜栖里衣

応募総数 760本 入選 14本

『家、回帰』

監督:石井秀人

「去年、祖父が死んだ。」という言葉で始まり、作者は後に残された祖母に眼差しを向ける。いつ死んでもいいと言いながら、生きてゆく祖母の姿。祖母の顔の上を指が皺を撫でるように這う。母親が祖母を支えながら風呂に入れてやる。自分のことを考える時、自分の血、或いは家族を避けては通れないと言う作者は、祖母を見つめることで自己の存在を問い直そうする。

1984年/8ミリ/カラー/18分 英題:HOME,RETURN TO
監督・制作・脚本・撮影:石井秀人
出演:石井みき、石井良子、石井 淳、石井裕治

劇場公開
海外映画祭
1988年 ブリュッセル・スーパー8&ビデオ・フェスティバル
最優秀8ミリ監督賞
(ベルギー)
モントリオール・ヤングシネマ・フェスティバル (カナダ)

『うしろあたま』

監督:斎藤久志

突然髪を男みたいに短く切った女子大生、つじ子。彼女のごくありきたりな日常が、ほとんど据えっ放しの超長回しカメラで捉えられる。それに女子高生時代の友人達とのエピソードが白黒の映像でカットバックされ、過去と現在が淡々と語られてゆく。が、やがて過去は現在とダブり、日常は大胆な非日常へと変貌してしまう。高野文子の同名の短編映画が発想の原点。

1984年/8ミリ/パートモノクロ/124分 英題:BACK HEAD
監督・制作:斎藤久志
原作:高野文子 脚本:岸田義孝 撮影:寺田裕之 音楽:村山竜二
出演:浅田美納子、岡本干都子、平田敦司

【貸し出し対象作品】料金:15,000円(税別)/貸し出しフォーマット:8ミリ

『END、END』

監督:須田和博

とりあえず「アンダルシアの犬」風のイメージで始まる。ゴダールのまねでも構わない。と始まり、どこかの映画をマネたようなイメージが、パタパタと次々と現われては消えてゆく。それを中断するように懐疑的なナレーションが入り、早く終わらせたいのに、どう終わらせるべきか解らない作者の苦悩が、ポーズとして語られる。映画のマネのふりをした、軽やかな自己主張の映画。

1984年/8ミリ/カラー/22分 英題:END,END
監督・制作・脚本・撮影・音楽:須田和博
出演:難波正浩、須田和博

『狂った触角』

監督:平野勝之

街を疾走するカメラ、部屋の中をなめ回すカメラ。その視線は、作者の目と同一化し、作者の日常に居座り、作者の周囲を見渡す。自転車を走らせ、出会った女子高生や酒屋のおばあちゃんやニワトリのピーコちゃん。叫び声を上げ、狂ったように男を追いかけ、ぶん殴る作者。全編同録の手持ちカメラで、生々しい作者との同一体験を強いられる、突っ走る日記映画。

1984年/8ミリ/カラー/57分 英題:CRAZY FEELER
監督・制作・脚本・撮影:平野勝之

『下駄』

監督:渡辺研二

流麗な琴の音が流れ、「かあさん、かあさん、かあさん、僕は砂漠を行進している」と云うナレーションと共に、カメラは街を徘徊する。地面に向い、塀に向い、道路に向い、やがて雪の上で真っ赤な血を流し、作者はなおも「かあさん、かあさん」と呼び続ける。わずか一日で製作されたこの5分間の作品は、作者の劇的瞬間の息づかいを、生のままで伝えようとしている。

1984年/8ミリ/カラー/5分 英題:CLOGS
監督・制作・脚本・撮影:渡辺研二

『高校生映画』

監督:辻 豊史

壁も床も天井も真っ赤に塗られた教室。ヌッと女の子が現われ「そもそも名前を与えられるべきでなかった女」と書いた赤い画用紙を掲げる。ここからこの中で10数人の高校生による芝居と、赤い画用紙による言葉の洪水が始まり、スパイ活劇が同時に進行する。ゴダールと黒沢 清へのオマージュでもあり、あたかも映画を破壊させようとも思える強引な語り口は注目に値する。

1984年/8ミリ/カラー/109分 英題:HIGH SCHOOL STUDENT MOVIE
監督・制作・撮影:辻 豊史
出演:村上善彦、菊田悦子、高野元子、中林由武、下田佳代子、橋本理恵、栗原晃子、田井 敦

『吊首姦太郎の青春』

監督:クマガイコウキ

私は高校1年生まで青森に住んでいた。白いブラウスの少女、依亜子との思い出。転校して久しぶりに、私は青森にやって来た。依亜子に電話する。「どうして私の事思い出したの」字幕による会話とスチルと実写によって、私の切ない青春物語が綴られる。コマ伸ばし、特種フィルター等の実験的手法を随所に用いた瑞々しい映像と、抒情的な音楽が心地よく浸透してくる。

1984年/8ミリ/カラー/35分 英題:THE YOUTH OF KANTARO TSURUSHIKUBI
監督・制作・脚本:クマガイコウキ
撮影:クマガイコウキ、高橋里実
出演:栗原千波留、三浦 茂

『時を駆ける症状 The message from subway』

監督:七里 圭

突然、人間の体が消えたり現われたりと云う点滅を始め、それが段々早くなって遂には消滅してしまうと云う“時を駆ける症状”が全国的に蔓延していた。対策として、高校の健康クラブでは毎日、踏み台昇降運動を行い、規則正しい生活を送るようにする。それを横目で見ていた少年に点滅が始まった。17才の作者の、自己の存在の意味と没個性社会への誠実な問いかけ。

1984年/8ミリ/カラー/24分 英題:SOARING-OVER-THE-TIME SYMPTOM
監督・制作・脚本:七里 圭
撮影:丸山 敦、七里 圭 製作:C・C・C
出演:武藤 誠、三竹暢彦、渡辺裕之、岩崎ひとみ、羽賀 剛、長谷川 功

『にっぽにーず・がーる』

監督:常本琢招

ある日、たかおの元に赤紙が届き、彼は消息を絶つ。ガールフレンドの洋子と圭子は、彼を求めて探し回る。やがて、2人の男に拉致されている彼を見つけ、そこから彼女達と男達のあくなき追いかけっこが始まる。軽快な移動撮影の長回しの多用と、登場人物の得体の知れない寡黙な雰囲気が、奇妙な味を醸し出している。

1984年/8ミリ/カラー/59分 英題:NIPPONESE GIRLS
監督:常本琢招
脚本:常本琢招、気仙正明 撮影:徐瀬倍六、杏里あるか 製作:Golden Partners Company
出演:中森裕美、桜井順子、原田摂子、小窪 郁、石沢志折

『はなされるGANG』

監督:諏訪敦彦

冒頭、「はなされるGANG」と云う字幕で、2人の役者、加村と理恵がこれから始まる物語について語り始める。そして耳の聞こえないギャング、加村と、文庫本を読む少女、理恵の逃走劇が展開されてゆく。シーン毎に、撮影された日付が記され、ほぼ順撮りで、一筆描きのようにして撮られたこの作品は、フィルムの虚構性のウラをかいて、映画の本質に迫ろうとする。

1984年/8ミリ/カラー/85分 英題:HANASARERU GANG
監督・制作・脚本・撮影:諏訪敦彦
出演:加村隆幸、伊藤理恵

『ヒッチハイク・ブレイク』

監督:武吉伸治

どこかの田舎路を走る車が、道端に立っている男をとらえる。男は車に合図を送っている。が車は通り過ぎてゆく。膨大なスチル写真を使い、待てども車が掴まらないヒッチハイカーの姿を、多面マルチやら、逆転やら、ありとあらゆる動きのバリエーションで、ダイナミックに表現した実験アニメーション。わずか9分の作品に気の遠くなるような手間をかけている。

1984年/8ミリ/カラー/9分 英題:HITCHHIKE BREAK
監督・制作・脚本・撮影・音楽:武吉伸治
出演:石井泰徳

『変形作品第2番』

監督:黒坂圭太

地面とも、壁ともつかない抽象的な画面が、ザーッという音と共に点滅を始め、やがて動いたり、形を変えたりし始める。次第にそれは複雑に、目まぐるしく変形し、小石の大群やら巨大な岩やらが嵐のように画面を飛びかう。題名の通り、全篇アニメ撮りによって、一曲のシンフォニーの如く、変化する映像とその刻まれるリズムが見事に計算され、構成された実験的作品。

1984年/8ミリ/カラー/30分 英題:METAMORPHOSING PIECE NO.2
監督・制作・脚本・撮影・音楽:黒坂圭太

『曼珠沙華』

監督:仲田伊作

少年が目覚めた時、記憶は失われ、街には誰もいなくなっていた。突然「花はいらんかえー」と曼珠沙華を売る少女が現われ、少年と行動を共にする。真赤な花の籠を頭の上にのせて歩く娘は、実はこの世の人ではなかった。本当の美しさとは何かという問題に、非常に素直な姿勢で向き合う。「赤い花なら曼珠沙華」と繰り返す少女の声が印象的。

1984年/8ミリ/カラー/25分 英題:MANJUSHAKA;LYCORIS RADIATA
監督・制作・脚本:仲田伊作
撮影:仲田伊作、横井左奈、増田 仁
出演:仲田伊作、横井左奈

『無水の泉』

監督:栗栖里衣

白い服を着た少女が、奔放に転げ回り、走り回り、スイカを食べまくる。カメラは女の子のしぐさをひたすら追い続ける。時折インサートされる、赤い傘やネックレス、あるいはズボンをおろす3人の男等、女性作家の持つ独特のイメージと、ヒロインの躍動感溢れる肉体によってこの映画は存在している。主役の石丸裕子は北海道の自主映画では欠かせない存在。

1984年/8ミリ/カラー/14分 英題:FOUTAIN OF NO WATER
監督・脚本・撮影:栗栖里衣
制作:桑形乗子 音楽:西内 徹
出演:石丸裕子、神岡 猟、立垣暢一、中垣俊之

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