下駄

監督:渡辺研二

流麗な琴の音が流れ、「かあさん、かあさん、かあさん、僕は砂漠を行進している」と云うナレーションと共に、カメラは街を徘徊する。地面に向い、塀に向い、道路に向い、やがて雪の上で真っ赤な血を流し、作者はなおも「かあさん、かあさん」と呼び続ける。わずか一日で製作されたこの5分間の作品は、作者の劇的瞬間の息づかいを、生のままで伝えようとしている。

  • 1984年/5分/カラー/8mm 英題:CLOGS
  • 監督・制作・脚本・撮影:渡辺研二