◎コンペティション部門 PFFアワード2014

16歳の高校生監督が描く、少年と石の不思議な関係

『流れる』

Passing
[2014年/13分/カラー]

監督・脚本:橋本将英

企画:濱田 壮/撮影・編集・録音:松永 侑/撮影協力:橋本真治
出演:樽見 啓

この映画のキーワード

  • 31年ぶりの高校生入選監督
  • 少年と小石の交流
  • 映像の力だけで表現

セレクション・メンバーによる解説

すぐそばを川が流れる公園で暮らす少年。彼はある時、傍らに置かれた小石の存在に気づく。小石と共に、公園と川との間の狭い空間を転々と行き来する少年。しかし、ある時小石は忽然と消えてしまう。一切のセリフを排し、たったひとりの登場人物と彼の所持する石との不思議な関係を描く。
登場人物の背景もわからぬまま、観客は彼と彼の手に握られた小石とを、そして彼の周りに広がる光景をただ見つめることになる。蹴り上げられたサッカーボールが川の向こう岸に落下する時、寄りかかった木の大きさが引きの画で示される時、ありふれたなんということのない光景が目の前でその空間としての豊かさを押し広げられて行く。最小限の要素を用い、そこから普遍性と壮大さを引き出す本作には、紛れもない才能が宿っている。

文:結城秀勇(ライター・映写技師)

監督:橋本将英 はしもと・まさひで

1998年 福岡県出身。久留米大学附設高等学校在学中
高校1年の夏に映画好き何人かと一緒に学校で映画同好会をつくって、映画を撮り始めました。今回が2作目。長編を撮ろうと思って別の話を10本ぐらい書き始めたものの、どれもまとまらず、いくつか短編用に書いたものから選んだのが『流れる』でした。僕は初期設定で遊ぶので、短編なら勢いでうまくいくのですが、長編を書く技術がまだ不足していると痛感しました。撮影と編集は、僕とは別の学校の松永侑がやってくれました。当初は、主人公の独白形式のナレーションを入れるつもりでしたが、録音環境が悪くて断念しました。その決断に関しては部員とかなりモメて、ナレーションなしだと「ただのクソ映画だ」とまで言われました。主人公役の樽見啓は同級生で演劇部に所属しています。また企画の濱田壮も同級生で、ロケ地での撮影を随所でサポートしてくれました。将来は映画監督になりたいですが、親との約束もあって、大学は映画学科とかではなく文系の学部に進んで、自主映画を撮りつづけるつもりです。

繰り返し観ている作品
なし
最近観て面白かった作品
劇場に行く金がない
好きな映画監督
デレク・シアンフランス
主役にしたい俳優
若かりし頃のロバート・デ・ニーロ

【フィルモグラフィー】
『流れる』(2014年/13分/カラー)、『放課後』(2013年/16分/カラー)

◎予告編

◎上映日程

  • 【東京会場】2014年9月16日(火) 15:30~ / 2014年9月18日(木) 18:30~ ※監督、出演者など来場予定。
  • 【京都会場】2014年12月15日(月) 16:20~ / 2014年12月18日(木) 16:20~
  • 【名古屋会場】2014年12月20日(土) 16:00~
  • 【神戸会場】2014年12月21日(日) 15:30~
  • 【福岡会場】2015年4月26日(日) 14:00~ ※橋本監督、来場予定。

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