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2016/03/17 16:17:41

今週末、ミューズ シネマ・セレクション「世界が注目する日本映画たち」ではこんなことが

PFFが企画制作に参加する「ミューズ シネマ・セレクション 世界が注目する日本映画たち」の開催まであと2日と迫り、最終準備に追われています。
会場は、西武新宿線の航空公園駅が最寄りとなる、所沢市の総合文化センター「ミューズ」にある3つのホールのひとつ「マーキーホール」。もしかすると日本大学芸術学部に通っておられる皆様には馴染み深い場所でしょうか?国際的なオペラやクラシックのコンサートも行われる奥行きの深い舞台に、この日の為に大きなスクリーンが張られるのです。

イベントタイトルに"世界が注目する"日本映画たちとあるように、国内のみならず海外でも人気の映画を紹介します。海外の人気とは、例えば映画祭での評判や、劇場公開の成功など。そして、インディペンデント映画の紹介も大きなポイントです。
大量の公開告知をすることの難しいインディペンデント映画は、映画館へ足を運ぶ際の選択肢から漏れがちな厳しい現実がありますが、一方、映画祭や映画イベント、自主上映で多くの観客に長く紹介される映画ともなります。ミューズ シネマ・セレクション「世界が注目する日本映画たち」の3日間は、参加くださった方々に、もしかしたらこれまで注目してこなかった映画たちへの興味を高めていただける機会になるかも、と願い続ける企画でもあります。
そして、この3日間8作品は、上映後に、映画を生み出す側の方々、主に監督をお迎えし、客席からの質問も交えながら、お話しを伺う時間を設けます。
・・・・実はこのイベントのスタート時の2001年には、まだまだ日本映画の世界的人気は実感されていませんでした。映画が「世界への扉」になっている、ということも、知っていただきたいなあと始まったイベントでもあります。

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『あん』
さて本年のオープニング作品、東村山市の全生園が舞台ともなる『あん』は、川越の高校がモデルであったことも相まって本企画の最高動員記録だった『ウォーターボーイズ』(矢口史靖監督)を破る様子です。
  ★というわけで『あん』のみ前売券完売で当日券の
  発売がなくなりました。どうぞご了解ください。
河瀨直美監督作品中、最も世界セールスの拡がった、最も愛される作品と呼ばれることになった『あん』の上映後には、原作者であり、河瀨監督作品『朱花の月』の出演者でもあるドリアン助川さんが上映後のトークゲストとしてご来場下さいます。原作者がゲスト来場されるのは初めてとなるこの回。進行役の私、かなり緊張しております。

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『ぼくたちの家族』
初日2作目の上映は、石井裕也監督『ぼくたちの家族』。こちらも早見和真さんの原作小説を映画化した作品で、文庫版あとがきには石井監督がとても親密な文章を寄せておられます。石井監督は、『舟を編む』のスタッフと見事なチームワークで『ぼくたちの家族』に挑み、新たな境地を開きました。余命一週間と宣告された母(原田美枝子)。その現実を前に父(長塚京三)、兄(妻夫木聡)、弟(池松壮亮)はどう行動するのか、「家族」とは何なのか・・・上映後には石井監督をお迎えし、お話しを伺います。

2日目の20日日曜日は、

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『滝を見にいく』
地元所沢出身の沖田修一監督のオリジナル作品『滝を見に行く』から始まります。"おばちゃん"であることが条件のオーディションで選ばれた出演者たちは、演技初体験者も多いとてもアバンギャルドな状況に加え、舞台は紅葉の山のみ。そこに沖田マジック全開!のスリリングで魅惑の映画が生まれました!!上映後は沖田監督をお迎えし、この映画をヒントに更に創作された絵本(?)「おんなのかぶ」のお話しも交え、色々と伺っていきます。
そして、『滝を見に行く』の撮影は、本年、芸術選奨を受賞された名キャメラマン芦澤明子さん。この日3本目に上映する『岸辺の旅』も芦澤さんの撮影です。キャメラマンに注目しての映画鑑賞もお薦めです。

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『夢は牛のお医者さん』
続いてTVドキュメンタリーから始まり劇場公開ドキュメンタリー作品となった『夢は牛のお医者さん』の上映です。時田美昭監督が新潟からお越しくださいます。
小学生時代の子牛の学級飼育体験からずっと「牛のお医者さん」を目指してきた新潟県松代町(現・十日町市)の高橋知美さんを追い続けたこのドキュメンタリー。ひとりの少女の成長に、観客である私たちも一喜一憂する時間が流れます。子供から大人まで、ぜひご家族揃って目撃してほしい映画です。
*余談ですが、九州、大分市にあるミニシアター「シネマ5」で昨年最も人気の高かった作品はこの『夢は牛のお医者さん』だったそうで、アンコール上映もなさったそうです。

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『岸辺の旅』
そしてこの日のトリは、『岸辺の旅』です。原作は、相米慎二監督の『夏の庭』の原作などでも映画ファンにお馴染みの湯本香樹実さん。浅野忠信さん、深津絵里さんという透明感溢れるおふたりが夫婦役で共演する、ファンタジーというかホラーというか午後のまどろみの夢のような物語を紡ぐ黒沢清監督は、カンヌ映画祭「ある視点部門」で日本人初の監督賞を受賞されました。上映後は、間もなく『クリーピー』が、秋にはフランスで制作された『ダゲレオタイプの女』の公開、と新作の続く黒沢清監督をお迎えしお話しを伺います。

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『トイレのピエタ』
最終日21日は、新人・松永大司監督のオリジナル企画となる『トイレのピエタ』から始まります。天才漫画家手塚治虫さんの残した日記の一節にインスパイアされ生まれたという『トイレのピエタ』。RADWIMPSの野田洋次郎さんが映画初主演で突然胃がんを宣告された青年を見事な存在感で演じておられます。この映画の深い主題である「創作」と「生」には心を打たれずにはいられません。上映後は、松永監督とプロデューサーの小川真二さんにご登壇いただきます。

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『ジヌよさらば~かむろば村へ~』
2作目は、『ジヌよさらば~かむろば村へ~』。いがらしみきおさんの漫画を「大人計画」の松尾スズキさんが映画化する、と聞いただけで期待が爆発の一作。お金恐怖症になった元銀行員(松田龍平)がお金=ジヌを全く使わずに生きていこうと移住してきた東北の村。防寒に用意した大量のヒートテックでは歯がたたない底冷えを知るところから始まり、個性的な村の住人に囲まれながら自立していく物語。本作が長編映画監督2作目となる松尾スズキ監督がお越しくださいます。

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『野火』
そして本年の最後を飾るのは、現在も全国で公開の続く、大岡昇平原作・塚本晋也監督『野火』です。中学生時代の原作との出会いからずっと抱き続けてきた映画化の構想を、今、この時代の空気から、やむにやまれず、完全な自主製作作品として着手し完成させた塚本監督。30代後半の家庭のある教師であった大岡昇平氏に届いた招集令状。第二次世界大戦末期の南方戦線は、アメリカの戦争映画に出てくるような食料補給体制も救助体制もない地獄。他人ごとではない日本の過去が迫ります。上映後には塚本監督をお招きしてお話しを伺います。

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各作品のパンフレットを販売します
そして、本イベントでは、映画の上映&ゲストトークのあとに、もうひとつ、ロビーでの映画パンフレット販売と、そちらへのサイン会も企画されています。
今回は、「あん」「ぼくたちの家族」「夢は牛のお医者さん」「岸辺の旅」「トイレのピエタ」「ジヌよさらば~かむろば村へ~」「野火」のパンフレットの販売が実現しました!
更に、「野火」では、興味深いインタビューや完成台本も収録された「塚本晋也×野火」と題する書籍の販売もございます。
ただ、残念ながら、「滝を見に行く」のパンフレットは在庫がなく、かわりに、この映画の発展形である沖田修一監督のオリジナル書籍「おんなのかぶ」の販売を行います。
「おんなのかぶ」は、そうです、あの古典的名作「おおきなかぶ」を思い起こす名作です。

明後日からの「第16回ミューズ シネマ・セレクション 世界が注目する日本映画たち」ご来場をお待ちしております。

プロフィール

PFFディレクター
荒木啓子 Keiko Araki

雑誌編集、イベント企画、劇場映画やTVドラマの製作・宣伝などの仕事を経て、1990年より映画祭に携わる。1992年、PFFディレクターに就任。PFF全国開催への拡大や、PFFスカラシップのレギュラー化、海外への自主製作映画の紹介に尽力。国内外で映画による交流を図っている。

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