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PFFディレクターBLOGRSS

2010/11/26 15:08:52

独身男

フィルメックスに別れを告げて、PFF名古屋開催に向います。
見逃した一本『独身男』が大層面白いらしいです。
コンペの1作品なのですが(私は10本中4本しか拝見してないのですが)、北京電影学院を卒業したハオ・ジェ監督の長編第1作で、故郷を舞台にした独身の老人たちの物語だそうです。

現在中国のオフィシャルな人口比は、女性1に対し男性1,2とのこと。
色々な統計を集めた『世界の国 一位と最下位』という岩波ジュニア新書で知りました。
この本が、面白い。
たとえばこの数字。世界初の老人大国になった日本の大きな課題は、小子化の歯止めですが、一組の夫婦がつくる子供の平均数は、1977年の統計で2.19人。そして、2005年は2.09人(国の発展の為には、2.1人が最低目標だそうです)。つまり、27年間の変化は、それほど大きくありません。
一方、30歳~34歳の未婚率は、1975年から2005年までの30年間に、男性は14.3%から47.1%へ、女性は7.7%から、32,0%へ、と、明らかに大幅に増加しています。
つまり、晩婚、非婚が珍しくない社会となっているわけです。
というわけで、現在世の中では婚活という名のもと、「結婚の奨励」がされている様子ですが、婚姻に関係なく、子供を持ち、育てることの出来る社会になることも、効果的なのではないかと感じます。

話しは戻って『独身男』ですが、この作品のみならず、フィルメックスで拝見した作品は、素人の、そこに住む人たちが演じるという映画が多かった。近年の日本の自主映画に、俳優を使う作品が増えていることと対比して、非常に面白く感じました。
それから、24日にデジタル上映が機材の問題で中断するアクシデントがありました。私も丁度会場で体験したのですが、最初、プロジェクターのオーバーヒートかと思いました。同じ現象が起きるからです。が、デッキの問題と聞き、ますますデジタル上映は怖いという感を強くしました。
デジタル上映は、上映素材、デッキ、プロジェクターのみっつの相性によって、全く動かない、音が出ない、画が出ないということが、簡単に起こります。高機能になればなるほど、面倒です。バックアップ機材を用意する費用も膨大です。映画祭世界では、実は、フィルム上映が一番シンプルでありがたい気持ちです。
上映中断、中止、払い戻しなど、映画祭にとって一番胃の痛い問題を乗り切るスタッフの皆様を労いたくなる夜でした。
あ~、デジタル問題を考えていたら、私も胃が痛くなりました・・・

2010/11/22 18:48:57

PFFもボランティアの募集を始める気持ちです

東京国際映画祭期間はびっしりと他の仕事に覆われ、全く作品を観ることが出来ず、ほんとにかなしかったため、少しゆとりの生じた東京Filmexは出来るだけ参加しようとしています。久しぶりの映画祭参加に、ちょっと緊張したりして・・

東京Filmex

今回初めて開会式から参加しました。初日だけ東京国際フォーラムで開催する!その仕込みと撤収の大変さを想像して眩暈がしたり、藤岡朝子さんの通訳に改めて感動したり、ボランティアの活躍に感心したりして、「PFFも"ボランティア無し体制"を変える必要があるなあ」と、しみじみ感じました。時代は変る。これまで"責任"の意味でボランティアは登用せず、スタッフを雇うことを続けてきたPFFですが、来年の開催は、ボランティア募集できるよう準備します。
実は私、東京Filmex第一回の審査員だったのですが、そのとき、アピチャッポン・ウィーラセタクン作品と、ロウ・イエ作品の競り合いとなり、『ふたりの人魚』がグランプリとなりました。今回オープニングの『ブンミおじさんの森』をみながら、両監督とも活躍していてよかったな~と感慨深いのでした。が、しかし、それ以来コンペ作品を全てみることの出来た年のないだめな私。折角日本で、日本語字幕つきでその年の話題作見ることができるチャンスである「映画祭」を、もっと自分に生かさなくてはです。

そして、『ブンミおじさんの森』に加え、ジャ・ジャンクー監督の『海上伝奇』、『鉄西区』のワン・ビン監督の初フィクション映画『溝』と、3作品の製作クレジットの思いっきり重なっていることに、改めてしみじみと欧州の映画製作援助の重要性とにその対象外の日本を再認識しました。日本のプロデューサーの資金獲得の困難さを、折々に痛感させられます。
また、今日まで拝見した作品は、「皆、自分の道を行くのだ!」と繰り返し告げられる作品群でした。同時に、各作品には、いかにして各人が切り取ると決めた瞬間を残すかの創意工夫があふれています。そうして、世界の映画監督たちが挑む挑戦は、非常に近しいということにも気付かされます。「集中的に映画をみる」ことの意義を再認識すると共に、映画祭の存在理由の数々を改めて考えます。

ところで、最近「日本再鎖国はどうか?」と耳にすることが多くなった気がします。ほんとに鎖国したら、現状では飢餓が起きますね。一部の特権者たちを除くと、生活は激変でしょうが、どうも多くは現状維持が可能という夢想に成り立っているのではと思わされます。ワン・ビン監督の『溝』は、飢餓、抑圧、思想や言論の統制、などを具体的に描き、言論、思想、表現、信教などの自由が保障される生活を送れる我が身の幸運を感じさせます。

というわけで、東京では、幸運にも、大小問わず絶えず映画のイベントが展開されています。
本日知人から送られてきたこの情報は、墨田区でのイベントです。
廃校を会場に、映画と音楽とで構成されるようです。
http://pia-eigaseikatsu.jp/news/0/41374/

一方で、観たい映画をそう簡単に観ることができない土地があります。
しかし、各地で積極的に映画上映を実現しようと活動している人たちがいます。
例えば本日(過去に北九州でPFFを開催していたことがあるご縁から)2週間後に北九州で、イ・チャンドン監督と青山真治監督の対談もある映画祭が開催されるお知らせをいただきました。
http://kitaqcinema.jugem.jp/

ここで日本で東京Filmexに次ぎ2番目となるイ・チャンドン監督の新作『詩』の上映もあります。告知時期が遅れたため、非常に苦労している様子です。是非多くの人に伝えていただければ、そして参加していただければと思います。

また長くなってしまいました。
最近の映画以外の驚きは、やっと読んだ『鞍馬天狗』が倉田典膳というアナキストの物語で、革命以後の社会構築の難しさを描いた物語であることを知ったことと、世界のベストセラーになった『肥満と飢餓―世界フード・ビジネスの不幸のシステム―』に描かれた状況の多くは、既にかなり早くに映画に描かれていることを知ったことです。
21世紀に次々と表出するおそろしいことは、ほぼ全て20世紀には気付かれていたのだなと改めて思いました。(紀元前に既に気付かれていたことも多いでしょうが・・・)また、前世紀のSF小説も現実を先取りしていて、怖かったなと。例えば映画になった『ソイレント・グリーン』(1973年)は、間近なのかも・・・と、ちょっとぞっとしたりするのでした。

そして木曜日からは名古屋でPFFが始まります。
是非ご来場ください。PFFアワード2010監督大集合で今年最後の上映を飾ります!

2010/11/18 19:25:02

ミヒャエル・ハネケ映画祭が実現するそうです

haneke01.jpg昨年のカンヌ・パルムドール受賞の『白いリボン』公開にあわせて、ミヒャエル・ハネケの過去の全作品を堪能できるハネケ映画祭が実現するそうで、ものすごく驚き&感激してます。
す~ば~ら~し~
未体験の方は、是非、この機会に見知らぬ人々とスクリーンでハネケ作品を鑑賞していただきたいなあと願わずにはいられません。
ハネケ作品ほど、ひとりで部屋で観ることが似合わない作品はない、と、心から思います。
(ひとりで観てしまった人も、是非再体験していただきたいです)

このチャンス、多分、最後になるのではないかと思えますので、12月4日の『白いリボン』(銀座テアトルシネマ)公開と同時に、ヒューマントラストシネマ有楽町で始まるというハネケの特集、駆けつけてください。

と、思わず言ってしまいましたが、実は、詳細の発表は今週末だそうです。あと数日、全貌の発表を待ってください。今、問い合わせされても現場は困ってしまうかと思います←じゃあ、話すなってことなんですが、すいません。早くお知らせしたかった・・・

今週はフィルメックスと、仙台でのPFF作品上映、来週はPFFin名古屋、再来週はハネケ、と、盛りだくさんな年末がひたひたとやってきています。


追伸:詳細発表されました
http://www.ttcg.jp/human_yurakucho/topics/2010/eigasai_contents/


2010/11/16 16:18:18

40日ぶりに更新いたします・・・

はっと気付くと、11月中旬でした。
この40日で、「暑い」から「寒い」に季節は完全に移りました。
春と秋がなくなるって、ほんとうかもしれません。

40日を振り返ると、今年初めての休暇で北京に行き、4年ぶりに風邪を2回ひき、渋谷TSUTAYAのPFFコーナーを更新し、来春の所沢ミューズでの企画をし、PFFの京都開催、福岡開催、神戸開催が終了し、東京国際映画祭も終了しました。
今週は東京FILMEXが始まり、仙台でのPFFアワード作品上映他があり、来週はPFF最後の開催地名古屋での3日間が始まり、そして、年明けのロッテルダム国際映画祭とベルリン国際映画祭へのPFF関係作品の出品が決定し、11月が終わる予定です。
12月は、眩暈がしますが、いよいよ事務局の引越し準備修羅場です。

例年、12月1日はPFFアワードの公募締め切りでした。が、来年度、「PFFアワード2011」の公募発表はまだ準備が整いません。多くの人の合意の必要な来年度の開催時期の最終決定がまだだからです。ただ、単純に"10月1日から12月1日"という、この12年間の公募スケジュールが、数ヶ月後ろにずれていくことになる予定です。
そして、新たなスケジュールを11月末には発表できるかと予測していましたが、それも少し遅れそうです。ともあれ、発表から数ヵ月後の締め切り設定になるのは間違いありません。

ところで、一年か二年に一度、北京への旅を楽しみにしています。
今年は二年ぶりとなってしまいましたが、食べることに集中する人たちとの食べ物だけが目的の単純明快なツアーです。今回は現地の友人入れて総勢10名参加を実現できた、かつてない充実の旅となりました。
日程が、反日デモ勃発を報じられる日々と重なったため、驚いたことに帰国のフライトはこれまで経験したことがないほどの空席だらけでした。多分、どのフライトも総勢20名しか搭乗していないと思われました。驚きはしましたが、のびのび座れてラッキーでした。
そして、現地の人々は、冷静でした。大きな問題から眼を逸らすために、色々な情報が利用され、上のレベルに押し上げられていることを知っているからです。
それはともかく、北京の食は凄いと思う私に、台湾の食が一番と常に言う友人がいます。
台湾も色々な面で違う素晴らしさに溢れていて、先日観た『トロッコ』(遅くてすいません)で、台湾にもまた行きたくなるのでした。


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