東北に首都を

仙台でPFFを開催してくださった仙台メディアテークが建物の損傷で閉鎖されていると聞きました。頻繁な避難訓練の成果か、怪我人なく退避できたそうです。
東京で、各地の様子を見聞きしているのは大変居心地の悪いものです。
同時に、「復興」を思うとき、首都を福島あるいは宮城に移すのが最も力強い、効果の高い方策なのではと思えてなりません。
私たちの生活のあらゆる面が、大きな転換期を迎えていると感じます。

が、日常は続いています。
20日から始まった香港国際映画祭に、PFFから『世界グッドモーニング!!』と『FIT』がアジアン・デジタル・コンペティションに選ばれています。廣原監督と廣末監督が上映と表彰式に参加します。
両名ともキャセイパシフィック便の渡航招待をいただいているのですが、出発が成田空港から羽田空港に振り替えになりました。羽田と成田、ふたつの国際空港の話題が出るたびに、三里塚闘争を考えます。そして、三里塚を撮り続けた監督のひとり、小川紳介作品の数々が、アテネフランセで収蔵され、観る機会が整ったのはしみじみ素晴らしいことだと思い出します。

「PFFアワード2011」の応募作品が例年より早いペースで集まっています。昨年までの「12月1日締め切り」を目指して製作されていた方々からのご応募だと想像しています。審査準備も整い、開始を待つばかりです。

本年の芸術選奨文部科学大臣賞の映画部門に、『ヘヴンズ・ストーリー』で瀬々敬久監督が、新人賞に、『トイレット』で荻上直子監督が選ばれました。両作品とも昨年のPFF招待作品だったこともあり、嬉しいニュースでした。

そしてまた、「復興」という課題に戻ってきます。長くたゆまない活動が必要だと痛感します。遷都は効果的だと、やはり思います。