東京国立近代美術館 フィルムセンターにて2回目の開催となる第32回PFF。メインプログラムのコンペティション部門「PFFアワード2010」は、入選16作品の中から7作品が各賞を受賞。招待作品部門では、「こわくない!!はじめての若松体験」と題した若松孝二監督の特集をはじめとして、「ジョン・カサヴェテス監督特集」、韓国の「イ・サンウ監督特集」、「日本映画新作プレミア上映」や「短編スペシャル」など、新旧のインディペンデント精神溢れる作品を網羅。特に、若松孝二監督特集は、東京の前夜祭として最新作『キャタピラー』を特別上映し、満席のなか監督、主演の寺島しのぶさん、大西信満さんによるトークを行い、大きな反響を呼ぶ。続く10日間で、未ソフト化の初期の傑作を上映する他、“My Best Wakamatsu”と題して、若松監督が指名した石井岳龍(聰互)、瀬々敬久、阪本順治の3監督が若松映画のMy Best Oneを選び、その創作の源泉を辿る特別プログラムを実施。特集の最後は、発掘されたデビュー作品『甘い罠』のシークレット上映も達成した。「日本映画新作プレミア」では、荻上直子監督の『トイレット』、鈴木卓爾監督の『ゲゲゲの女房』、瀬々敬久監督の5時間に迫る大作『ヘヴンズ ストーリー』など、注目作品の上映が続き、監督、出演者による舞台挨拶などと共に、賑やかなプログラムとなった。また、「短編スペシャル」では、山村浩二講座、平林勇講座を開講した他、鈴木卓爾監督、矢口史靖監督による短編プロジェクト「ワンピース」の最新作をトークと共に紹介するなど、連日ゲストが来場。ロビーで観客の皆さんと交流する姿が印象的な映画祭会場となった。
第20回PFFスカラシップ作品「家族X」(監督:吉田光希)上映。