わらってあげる

監督:小沢和史

レンタル可能

3年前に手首を切って自殺未遂をはかった大学時代の友人・小幡を僕(監督)が訪ね、彼が暮らす山梨に出向いて撮影した数日間のドキュメンタリー。今も精神病院に通う小幡は、天使とバナナジュースと石が好きで、両親が嫌い。自分のこと、愛について、“使命”について話す彼の言葉は、詩のように美しくなめらかだが、どこか表面的で誰かの借り物の言葉のようでもある。そこに欺隔の匂いを感じ取った僕は苛立ち、彼の殻を破るべく小幡を責め始める。だが、時にケイコさんという女性になり、時に全裸になり、また遊園地に石達を連れてくる小幡は、一向に自分のペースを崩さない。夏の日のグラウンドで、遂に僕と小幡の精神戦が始まる。
自殺自体に強い嫌悪感を持つ“僕”にとって、小幡は甘えという薄っぺらなガウンをまとった裸の王様で、強気で責めればすぐに落ちるはずだった。しかし小幡の周囲は、彼がこれまでにつくってきた“小幡の物語”で都合良く何重にも固められ、思わぬ悪戦苦闘を強いられる。僕が感じた苛立ちは、小幡に対してではなく、当初の自分のもくろみが狂ったことだったのである。そしてそれを見抜いたのは他ならぬ小幡だったのだが、その指摘をどう受け止めるか、その一瞬の反応で、実は僕がドキュメンタリーの撮り手としてふさわしいか否かが問われた。さて、その答えは?

  • 1999年/48分/カラー/16mm 英題:WA-HA-HA
  • 監督:小沢和史
  • 制作:嘉代秀樹、文平裕子 撮影:小沢和史、与那覇政之 音楽:Shall、塚原信弘、石沢 舞、PEZ6
  • 出演:小幡啓斗

レンタル可能作品

料金:15,000円(税別) 貸出フォーマット:ビデオ

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