to Mayu
監督:隅井朝子
優秀作品賞
いとこの長女・真由へ宛てた、モノローグ形式の“手紙映画”。
「まゆちゃんへ。久しぶりに会えてとても嬉しかったです」
そして作者は自分の経験を語り始める。胸の膨らみが大きくなり、病気だと思って医者に診てもらった少女の頃。2年前、乳房にシコリができた時、癌検診を受けたこと。その時初めて自分の膣と子宮を目にしたこと。画面は、検査中の作者の姿に川辺で遊ぶ真由の姿をインサートしながら、成長期の不安と寂しさ、その先にある自己の性の自覚を表現していく。今の真由が感じている不安はかつて作者自身も感じていたこと。同じ思いを抱えていたという事実を正確に伝えようとする作者の意図は、やがて見知らぬ人間たちへの問いかけとなっていく。彼は、彼女は、どれだけ自分のことを知っているの?伝えたいメッセージを伝えるために必死に模索する作者の切実な思いが全編にみなぎり、誰にとっても普遍的なテーマを打ち出している。
- 1992年/8分/カラー/16mm
- 監督・制作・脚本:隅井朝子
- 撮影:デナ・ペニントン、クリストファー・アンダーソン、隅井朝子
- 出演:野口真由、テレサ・リベイロ、隅井朝子
海外映画祭
1993年 | シンガポール国際映画祭 | シンガポール |
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1993年 | アジアン・アメリカン国際映画祭 | アメリカ |