21世紀の王様

監督:荻原義衛

審査員特別賞

レンタル可能

心躍る、シュールな御伽話。

民主主義が崩壊し“王様主義”の時代となった21世紀。より強く美しく賢い王様であろうと、隣国同士のピカソキングとマチスキングは、日々、競い合っている。一方、ケタ外れのグルメと大食漢が高じて自分の体が甘い食べものとなり、ハチに巣を作られてしまったハニーマンという男がいた。激しい痛みの後、ハチと共生できるようになった彼の指先から、体内のハチが作る蜂蜜があふれ、それを飲むとあらゆる病気が治ることが判明。ハニーマンは蜂蜜を売りながら旅をする。その噂を聞きつけたピカソキングが蜂蜜を飲むが、あまりの美味しさにハニーマンを独占。城に住まわせて蜂蜜ばかりをむさぼった。すると過剰な栄養のせいか、ピカソキングは日に日に巨大化、凶暴化していく。同じ頃、死んだマチスキングの跡を継いだグロリア女王は、その美貌とメッセージで民衆の心をつかんでいく。しかし、裏で恐ろしい計画が進んでいるのをピカソキングが知り、両国は戦争に突入するが……。
ポップとグロテスクをコラージュしたような絵で描かれたアニメーション。そのシュールな絵柄やたっぷりした見ごたえから“大人のための絵本”とも感じられるが、思いつき的なストーリー展開、詩のようなナレーション、いきなり出てくる歌の数々は、むしろ子供を対象にしたような奔放さで気持ちいい。ただしその奔放さは高い完成度を伴っており、最新のCGとは対極にあるような平面アニメだが、映画の定義さえも広げそうな表現の可能性を感じさせる。

  • 2000年/48分/カラー/b-camsp 英題:The king of the 21st century
  • 監督・脚本・アニメーション製作:荻原義衛
  • 音楽・音響効果:野見祐二、岩崎 健
  • 声の出演:岩崎 健、戸田和雅子、野見祐二、野見朗子、野見菜々子、荻原義衛

海外映画祭

2000年 アヌシー国際アニメーションフェスティバル フランス
2000年 Cartoombria 2000 イタリア
2000年 テヘラン国際アニメーションフェスティバル イラン
2001年 “KROK”国際アニメーションフェスティバル ウクライナ、ロシア
2001年 Nouvelles images du Japon フランス
2003年 ニッポンコネクション ドイツ
2003年 exground film fest ドイツ
2003年 国際ササ・アワード2003 イタリア

レンタル可能作品

料金:15,000円(税別) 貸出フォーマット:ビデオ

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