テーブルトーク

監督:三内 徹

審査員特別賞

レンタル可能

兄と妹が中良く暮らしている。兄が食事をつくり、妹が食べ、お互いを気づかう。特別なことはないながらも、心地好いペースが定着している2人の生活。しかし、妹に恋人ができたことから、そのペースは少しずつ狂い始め、兄の機嫌も悪くなってくる。そんなある日、2人の家を見知らぬ少女が訪ねてくる。幼い頃に別れた父親から来た手紙の住所が、2人が住んでいる部屋のものなのだという。妹の不在中、彼女を家に上げる兄。少女に好意は感じながらも、妹は家を出て恋人と暮らし始める。その間、兄は少女の父親を探し出し、少女はすっかり家になじみ、妹は恋人との絆を深め、それぞれの道が見え始める。と、思われたのも束の間、初めて4人で食事をしようとした日、兄が不機嫌を爆発させてしまう…。
イギリスのマイク・リー監督の「秘密と嘘」に触発され、「その状況に存在する2人を見るだけで、へたな説明をするより、状況や人物の心情がわかるのではないか」と、“セリフなし、シーン割りのみ”の脚本で撮った作品。役者には、出来事とシチュエーションだけを与えて、あとは自由に動いてもらったという。そして役者たちも過剰にしゃべろうとはせず、食べる、茶碗を洗う、掃除をする、寝るなど、ごく日常的な動作を抑えたトーンで演じながら、その時々の心理を伝えようとし、うまく成功している。また、家の中を映す数ヵ所の定点的なカメラも、リアルな生活の中に起きる小さな変化を丁寧に追うのに、大きな役割を担っている。

  • 1998年/85分/カラー/8mm
  • 監督:三内 徹
  • 脚本:三内 徹、中野良一 撮影:中村聡史 助監督:中野良一 録音:佐々田優子 音楽:スーツケースローズ、中山 泰
  • 出演:中野良一、こんゆみきこ、松谷容作、鈴木 葵、宮下耕治

レンタル可能作品

料金:15,000円(税別) 貸出フォーマット:8ミリ、ビデオ

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