日向のにおい さがす憧れ

監督:鶉屋二吉

大好きなもの、大切に、暮らしたい

家族と綾瀬に住んでいる私は、池袋の本屋で働いています。時々、友達とフリーマーケットに店を出します。その店は彼女が好きな食器と、私がボタンで作ったアクセサリーを売っていて、結構評判がいいのです。そこで貯めたお金で友達は念願の海外旅行に出かけました。私の目標は一人暮らしを始めること。今日は休みだから、アパートの下見に出かけます。公園に立ち寄ると猫が集会をしていました。古い建物を見ていたら、急におばあちゃんに会いたくなり、私は電車に乗りました…。
全編、モノローグと手持ちの8ミリカメラで綴られるのは、ボタン、自分の部屋から見る夜明け、猫、海、おばあちゃんなど“私”の好きなものばかり。コレといった脈絡も意味も、大層な美意識もないそれらは、しかし心地よいリズムと美しいメロディを奏でていく。その自然なおだやかさがノンフィクションを思わせるフィクション・エッセイ。

  • 1996年/29分/カラー/8mm 英題:SCENT OF THE SUN
  • 監督・脚本:鶉屋二吉
  • 音楽:藤木弘史 協力:千葉 昇、笹口こずえ
  • 出演:赤城美美子、湯澤康代