ランナーマン

監督:中村隆太郎

観客賞(東京)

レンタル可能

3人しか部員がいない、ある高校の陸上部。大会が間近に迫っているが、リレーの規定は4人なので、このままでは出場できない。2人の先輩にとって最後の大会となるため、何としてでも部員を補充したいと、運動部中に頭を下げて臨時部員を募る後輩部員。そこに、今まで特に見たこともない、そして見るからに頼りない男が現れた。自称“生まれながらのランナーマソ”田中。陸上で身を立て、名を成し、財を築き、もてる人生を歩むという人生設計を持つこの男、「乞われて入部することに意味があり、自分から入部するなんて、ランナーマンとしてのプライドが許さないから」という理由で、これまで陸上部から遠ざかっていたのだと言う。確かに走ると速い彼は早速、部員に。しかし肝心の大会の日、田中の初歩的な体調管理のミスで、結果は惨敗。落ち込む田中を先輩がなぐさめようとするが、彼の走ることに対する勘違いはなはだしい意識を知り、逆にあきれるのだった。ランナーマンはこのまま勘違いを続け、陸上部は部員1人になってしまうのだろうか――。
ギャグ漫画をそのまま実写にしたような、テンションの高い演出が冴える。そのアイデアの数々は、一見チープだが、スピーディな切れ味とセンスで、ゴージャスにさえ感じられる。それを活かしているのは、オーソドックスなストーリーの部分で、人物描写を丁寧に押さえていること、そして「これを本当に実写で?」と考えたあとの手間暇を惜しまない仕事ぶりだろう。

  • 1998年/15分/カラー/16mm
  • 監督・制作・脚本・編集:中村隆太郎
  • 撮影:小袋淳子 録音:鈴木正寿
  • 出演:達 弘介、足立 学、藤原洋介、中村隆太郎

レンタル可能作品

料金:15,000円(税別) 貸出フォーマット:ビデオ

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