恋の姿見

監督:大川戸洋介

これまで、両親と友人と猫ばかりにカメラを向けていた作者が、初めて女を被写体に選んだ作品。3つのパートから成り、それぞれ違う女がカメラに捉えられる。最初の女はぬかるみの空地でダンスを踊り、部屋に戻るとキセルを喫い、そして服を脱ぎ、作者と異様な官能の世界に入ってゆく。2番目の女は、ただ立っている。部屋の中でもアンニュイな表情で鏡の前にじっとしている。3番目の女は元気に冬の街を闊歩し、所構わずパフォーマンスを始めてしまう。作者は3人の女をただじっと見つめ続けるだけで何も語らない。しかし対象から湧き上がるエロチシズムを少しも見逃さず、日記的な淡々とした映像の連続の中に女たちの色香が漂う。

  • 1986年/86分/カラー/8mm 英題:REFLECTIONS OF WOMEN
  • 監督・制作・撮影:大川戸洋介
  • 出演:遠藤朋子、栗原清美、榎田智子