PORTAMENTO(ポルタメント)

監督:林 拓身

レンタル可能

ある若い会社員のもとに、部長から「お中元のお返しは届いたか」という電話が入る。ジュースを受け取っていた彼は「おいしかったです」と答えて電話を切る。そこに同僚から「部長からお中元のお返しは来たか」と電話が入る。「ちょうどその話をしていたんだよ」と答えると、同僚は「去年もそうだったけど、部長からのお返しって、すごいよな」と言う。聞けば彼の元には、よくわからない機械が届けられているらしい。その電話中にキャッチホンが入る。相手の女友達の声はバスルームからのように響いている。「今日、うち、湿気がすごいの。それより今日、変な電話がかかってこなかった?」そういう彼女の電話にもキャッチホンが入り、彼女の女友達が話し出す。保留にされたまま次々と広がっていくコミュニケーションの輪。映像はそのデジタルなつながりを、各人物の俯瞰を割り込ませながら、次々と画面を分割させて見せていく。そして電話の人々をつなぐ輪は、メビウスの輪のようにねじれ、別の事実を映しては、再び同じところに戻っていく。
「これは映画ではない。かと言って、クリップでもないし、ビデオドラマでもなく、実験映像でもない。ジャンルが未確定なのだ」と監督自身が言うように、既存のジャンルではくくりきれない肌合いを持つ作品。しかし決して難解ではなく、不自然で尻切れとんぼでユーモラスな映像とストーリーは、確かに私達の日常とつながっている。

  • 1998年/24分/カラー/video
  • 監督・脚本・撮影・編集・音楽・効果:林 拓身
  • ナレーション:守屋初則、長谷川恵子
  • 出演:木村一郎、織笠恵美、加藤淳一、東村一洋、原 奈保子、堀内良昭、泉本俊介、辻下綾乃、広瀬康人、小林大高、朴 正赳、古屋広之、山岡由和、川辺菜穂、湯田英実

レンタル可能作品

料金:15,000円(税別) 貸出フォーマット:ビデオ

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