Pellet
監督:小林和史
準グランプリ、技術賞(IMAGICA賞)
レンタル可能
3者で完成する、究極の愛の形。
1人のバレリーナのモノローグで語られる物語。留学から久々に帰国した“私”は、恋人の家を訪ねて愕然とする。宮大工である彼は若いが頑固で、めったに人に心を開くタイプではない。それが、自分の留学中に飼い始めたという1羽のメスのフクロウとは、これまでに見たことがないほど深く心を通わせているのだ。「ばかげていると思われるでしょうが」と自覚しつつ、“私”はその関係に嫉妬を感じ、それは間もなく確信に変わる。フクロウもまた、自身を彼の伴侶だと自覚しているらしく、その態度には愛されている者特有の余裕さえあった。両者の間に分け入ることが無理だと知った“私”は、あることを思いつき、彼を殺す。フクロウは小鳥やねずみを丸ごと食べると、その後消化しきれなかった骨や羽を体内で固め、PELLET(ペリット)と呼ばれる小さな物体にして吐き出す。その特性を利用して、彼と1つになる究極の愛を夢見たのだ。
人間と動物という突拍子もない、と言うよりも、だからこそ揺るぎない完壁な恋愛関係。それがこの作品の説得力の核になるわけだが、観れば誰もが納得するはず。ほんの1シーンで、彼とフクロウの関係が放つエロチシズムに圧倒される。ペリットの説明シーンでは死がクローズアップされるが、それさえ淡々と見せてしまう清潔感あふれる映像と抑えた語りが、そのエロスを際立たせる。監督が14年飼っているというフクロウが生み出した半ドキュメント。
- 2000年/17分/カラー/video 英題:Pellet
- 監督・脚本・撮影・美術:小林和史
- 共同監督:甲斐さやか 音楽:武藤祐生エレクトリックバイオリン
- 出演:甲斐さやか、小林カズシ、フクロウ
海外映画祭
2002年 | 第7回シネマテキサス国際短編映画祭 | アメリカ |
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2002年 | 第48回オーバーハウゼン国際短編映画祭 | ドイツ |
2003年 | 第32回ロッテルダム国際映画祭 | オランダ |
2003年 | メディア・シティ | カナダ |
2003年 | ニッポンコネクション | ドイツ |
2003年 | 第19回ハンブルグ国際短編映画祭 | ドイツ |
2003年 | ノルウェイ短編映画祭 | ノルウェイ |
2004年 | 全州国際映画祭 | 韓国 |
2004年 | 第1回グリーン・フィルムフェスティバル | 韓国 |
レンタル可能作品
料金:15,000円(税別) 貸出フォーマット:ビデオ