PARALYSIS

監督:徳山高志・元子

佐藤工業賞

1人の老人のある日の出来事を綴った、シュールなタッチの人形アニメーション。舞台はその老人が暮らす家。入浴していた老人が風呂から上がってらせん階段を降りると、突然、バスローブ姿の青年が大声で何かをわめきながら現れた。驚いた老人が後を追うと、地下室で青年が別な男ともみ合いになっている。落ちて転がる男の首。それからは、めくるめくイメージの世界が矢継ぎ早に展開し、空間は宇宙的な広がりを呈し、様々な物体が浮遊し始める。
「1個のイメージとして制作した」と作者自身が語るように、何らかの物語を読み取るのではなく、目の前で繰り広げられるイメージの流れに身を任すべき作品と言えるかもしれない。グロテスクなまでに細密につくられた人形や、美術品のようなセット。自然な質感を備えた小道具やオブジェ。制作期間に3年を要したと聞けば、なるほどと誰もが頷いてしまうだろうほど、高水準な作品だ。

  • 1992年/13分/カラー/16mm
  • 監督・制作・脚本・撮影:徳山高志・元子

海外映画祭

1995 エクスポージャー映画祭 オーストラリア