鬼畜大宴会
監督:熊切和嘉
準グランプリ
レンタル可能
知らぬ間に、狂気は思想と入れ替わる。
学生運動全盛の頃。1つの左翼グループが、薄汚れたアジトに集まっていた。メンバーは、カリスマ・相澤の信奉者たち。相澤は獄中におり、出所までの組織の実権は、彼の恋人・マサミが握っていた。だがそのやり方に信念や展望はなく、アジトの雰囲気は徐々にすさみ始めていた。そして出所間近のある日、相澤が独房で割腹自殺を遂げ、指導者を失った組織は混乱に陥る。そんな時に起きた仲間割れの制裁が、彼らを逆戻りできない狂気と暴力の世界へ暴走させていく。
徹底した70年代の時代考証は見事という他なく、この作品が97年に撮られたこと、監督が74年生まれであることを考えると、執念といっていいほどの迫力を持つ。そこまで監督が70年代にこだわったのは、集団による狂気を描く素材として、学生運動が最適と判断したためだろう。また、和太鼓や尺八の音楽、着物に白塗りなど、日本的な題材の数々が多用されるのも、70年代の日本映画を彷彿とさせる。
- 1997年/112分/カラー/16mm 英題:KICHIKU
- 監督・制作・脚本・編集:熊切和嘉
- 共同製作・音響:財前智広 撮影:橋本清明 撮影助手:近藤龍人、山下敦弘 照明:向井康介 記録:前田隼人、金井亜由美 美術:安井聡子 タイトル:沢田まこと 音楽:赤犬
- 出演:三上純未子、澤田俊輔、木田 茂、杉原敏行、小木曽健太郎、財前智広、橋本裕二
海外映画祭
1998年 | 第28回タオルミナ国際映画祭 グランプリ | イタリア |
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1998年 | ベルリン国際映画祭 パノラマ部門 | ドイツ |
2002年 | 香港国際映画祭 | 香港 |
2002年 | 第16回リーズ国際映画祭 | イギリス |
2003年 | 台北映画祭 | 台湾 |
劇場公開
- 1998年:8月8日~・東京・ユーロスペース
- 1998年:10月17日~1月23日・大阪・扇町ミュージアムスクエア
- 1998年:11月21日~12月4日・愛知・名古屋シネマテーク
- 1998年:12月14日~・山形・山形フォーラム
- 1998年:12月26日~・福島・福島フォーラム
- 1999年:1月23日~26日・東京・銀座シネパトス
レンタル可能作品
料金:要相談 貸出フォーマット:ビデオ