気分を変えて?

監督:犬童一心

原将人監督の「おかしさに彩られた悲しみのバラード」、大森一樹監督の「空飛ぶ円盤」シリーズ、黒沢清監督の「スクール・デイズ」の影響を受けたという犬童監督の処女作。4月4日のキャンディーズ解散の様子と、その日を舞台に撮られたもう一本の映画。その2つを乱暴につなぎ込みながら、78年の夏を、舞台に映画にのめり込み過ぎた1人の少年が、初めて男の生理日を迎え、「気分を変えて」という映画を作ることによって、気分を変えて男の生理を乗り切る姿が描かれている。こうした身近なことによりかかっていると見せて、それをフィクショナルな構造まで持ち上げ、作者の生きている時代とそこで感じていることのすべてをぶち込んでいくパワーには、見るものを圧倒するものがある。

  • 1978年/30分/カラー/8mm
  • 監督・制作・脚本:犬童一心
  • 撮影:犬童一心、池田一之 助監督:池田一之 製作:法政一高シネマ・ド・ヒマゴ
  • 出演:原 純一、長谷川 聡、池田一之