花粉症の森

監督:大重裕二

郊外の住宅地で子供ばかりを狙った連続殺人事件が発生。少年マモルは事件に全て共通点があることに気づき、友人のタケシに打ち明ける。死体からは必ず歯が抜かれていたのだ。そして新たな犠牲者もやはり歯を抜かれていた。その時2人は現場で保安官らしき人影を目にする。この町の大人達はみんな敵だとタケシは言い、「本当に痛いときは声も出ないんだぜ」とマモルを怖がらせる。何かにとり憑かれたような表情でパチンコを握りしめ、保安官を攻撃しようとするタケシ。やがてマモルはタケシの家で意外なものを発見してしまう…。
2人の少年を演じているのが女性なので一見ファンタジーめいているが、侮るなかれ、緻密に計算されたサスペンスとなっている。クライマックス、屋根裏でのアクション・シーンを捉えたカメラワークもバツグンの上手さ。前半のアクションのテンポのよさで、一気に見せてしまう。

  • 1992年/48分/カラー/16mm
  • 監督:大重裕二
  • 脚本:大重裕二、伴 清敬 撮影:中山愉佳子
  • 出演:久保田かおる、伊藤由紀、森 喜行