昼下がり

監督:小野靖之

レンタル可能

岸と岡村は、昔からダラダラとツルんできた友人同士。しかし、岡村が精神を病んで病院に入り、退院してきてからは、岸の様子が少し変わってきた。何となくイライラしているのだ。理由は、岡村が入院している間、彼の妻と関係を持ってしまったことだった。どちらとの関係も断ち切れず、しかも、彼女が育てているのが自分の子どもだと知った岸は、自分に対するイラだちをさらに深めていく。その少し前、2人が住む町の交番で、何者かによってピストルが盗まれるという事件が起きていた。町内会ではその対策にと自警団が結成される。彼らの良識派ぶりに嫌悪感を抱く岸に対し、岡村は興味を持って入団する。だが、パトロール中に女子中学生にいたずらしたことがもとで入院歴が明るみに出て、退団をせまられる。それだけでなく、真犯人が自分達の仲間の息子だと知った団員たちに、ピストル強盗の濡れ衣を着せられそうになる。陥れられて錯乱する岡村を見た岸は、あることを思いつき――。
地域であれ、人間関係であれ、小さなコミュニティの中で、息苦しさや煩わしさを感じながらも、どこかに甘えられる部分があるのも知っていて、そこから出られない。現代人の多くが身を置く状況だが、そこに八マった人々が招く悲劇を、様々な形で描いた作品。そこでは被害者も加害者になり得、加害者も一瞬で被害者になり得るが、それが明確に伝わるのは、自主製作映画にしては珍しく、中高年を比重の重い出演者として起用したことが、大きな要因のひとつだろう。

  • 1998年/52分/カラー/b-cam
  • 監督・脚本・撮影・編集:小野靖之
  • 制作:新川勝博、小野靖之 効果音:アイランド 編集協力:小川昌洋
  • 出演:鹿島直弘、新川勝博、加藤恵子、早川 健、石黒景太、筒井 良、中村祐子、茅野大滋、白鳥座

レンタル可能作品

料金:15,000円(税別) 貸出フォーマット:ビデオ

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